表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
二章 王都ガルス
39/148

調査

 夜が明け、作戦決行の日。

 俺とユウリは宿を出て、目的地である『大食館』のアジトに向かうことにした。


「いいか、全員倒すとか、そういう無理はするなよ。一人でもお前の手で倒すことができればお前の手柄になるんだからな」


 ユウリは念を押すように言った。

 俺に与えられた仕事は制圧。

 とは言っても、俺が何か一つ手柄をあげればそれでいいと、昨日から耳にタコができるほど言い聞かせられた。


「それと、無いとは思うが殺すなよ。捕縛して、お前が仕事に貢献したという証言が欲しいからな」


 これも昨日から言われ続けている。


「分かってる。子供じゃないんだから繰り返し言う必要は無い無い」

「でもなあ、お前の外見は完全に中学生だからな。不安になるんだ」


 確かにこの体の年齢は十五、まだまだ子供ではあるが。


「そういえば、ユウリは何歳なんだ?」

「俺は今年で二十七だ」


 サンタナ領に来たのは俺が四歳の頃。

 つまり十一年前のことだ。

 となると、ユウリが十六の時か。

 いや待て。


「お前以外に日本から来た奴はいるのか?」


 こいつがあの時の旅人とは限らない。

 もしかするとこの世界には他にも召喚者がいるかもしれない。


「いんや。日本出身どころか召喚者は俺だけだ、って俺を召喚した神都の神様は言ってたぜ」


 ならば十六の時には既にこの世界に来ていたのか。


「見えたな、あれだ」

「あれがアジトか」


 アジトの外観は建ち並ぶ建築物と大差ない。


「木を隠すなら森の中・・・にしても不用心じゃないか?」

「ああ、こんな堂々と構えていたのに尻尾を掴むのに時間がかかった。その訳を調べる意味もある。準備はいいか?」

「ああ、いつでも」


 俺たちは建物内に入った。

 しかし、そこはもぬけの殻。誰かがいるような気配はなかった。


「誰もいないな」

「でも、放置されていたとしたら綺麗すぎる。最近まで誰かが出入りしていたっぽいが・・・」


 言われてみれば確かにそうだ。


 俺たちは内部の調査を開始した。

 ユウリは一階を、俺は二階を調べた。


 二階にあった五つの部屋を調べたが、どれもなんの変哲もないただの部屋だった。

 怪しい痕跡も、何も無かった。


 ひょっとするとハズレを引いたのではないか。

 そんな不安が浮かんできた時。


「おいアルマ!下に来い!」

 

 ユウリが大声を上げ、俺を呼んだ。

 呼ばれたとおり、ユウリの元へ行くと彼は広間にあった暖炉の前にいた。


「何をしてるんだ?」

「この暖炉、何もないように見えるが。これを見ろ」


 ユウリが指差したのは暖炉の中にあった小さな魔法陣だった。


「どれだけ掃除してないんだ、この暖炉」


 暖炉の中は煤のせいで黒くなっており、おかげで黒で描かれた魔法陣は見えにくくなっていた。


「これは魔道具と同じ類の魔法陣だ。つまり、魔力を流すと付与された能力が作動する」

「その付与された能力ってのは?」


 俺の質問に答えず、ユウリは魔法陣に魔力を流した。

 すると魔法陣は光を帯び、暖炉の横の壁から音がした。


 暖炉から離れ、壁の方を見るとそこには地下へと続く階段が現れていた。


「隠し扉だったのか」

「らしいな、行くぞアルマ」


 ユウリが前を行き、俺がその後ろを着いて階段を降りた。


「暗いな、明かりは持ってきてないぞ」

「こういう時のための初級魔法だぞ?アルマ」


 ユウリの顔は見えないが、きっとドヤ顔をしてるに違いない。


「『ボウ』」


 俺は火の初級魔法を使い、手のひらに小さな火を作り出した。


 その火が灯りとなって、辺りを照らす。

 灯りが床を照らした時、そこにあったものに俺は驚愕した。


「これは・・・!」


 そこにあったのは丸々と太った男の死体だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ