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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
二章 王都ガルス
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作戦会議

「『大食館』ってニエ村を襲ったあの!?」


 驚愕するソフィアを横目に、俺はユウリに質問した。

 

 『大食館』。

 ディールこと肉屋をニエ村に差し向け、村人たちの大半の命を奪った。

 ディール自身も俺と、ユウリとの戦闘によりその命を落とした。


「その、『大食館』だ」

「そいつらをどうするつもりなんだ?」

「俺に課せられたのは『大食館』の調査と鎮圧だ。奴らのアジトはこの王都にある。そこに突入する算段を俺とソフィア様で話し合っていたんだ」


 なぜソフィアがそんなことを考えているんだ?

 王族には俺では知り得ない深い事情があるのだろう。


 いや、そんなことはどうだっていい。

 とにかく今はエルと接触する機会が欲しい。


 『大食館』に突入し功績を上げれば、王城への立ち入りが可能になるかもしれない。

 そうすればエルと接触することが・・・。


「ユウリ。その一件、俺に・・・」

「あの」


 俺の言葉を遮り、ソフィアが声を出した。


「アルマがそこまでする必要はあるのですか?」


 その口振りからは何か意図があるわけではなく、単純な疑問であることが窺えた。


「エルは俺の大事な友達なんだ。それにエルとサンタナ領に帰るとダグラスとスミシーに約束してきたから。だからこれは俺がやらなくちゃいけない」


 きっと、ソフィアは俺を心配しているのだろう。

 だから俺はその心配を払拭するように、強い口調で言った。


「分かりました。では話し合いの後、二人に『大食館』の調査と制圧を命じます」

「ユウリも来るのか」

「ああ、不満か?」

「いや、頼もしい」


 こうして、俺たちは話し合いを進めた。

 ユウリとソフィアは何やらいろいろ話していたが、俺が言われたことは単純だ。

 『大食館』に突入し、そこにいるはずの『大食館』メンバーを無力化するということだ。


「ではよろしくお願いしますね」


 話し合いを済ませた俺とユウリは騎士団本部を離れた。


 作戦決行は明日。

 俺たちは王都の宿屋の受付に来ていた。


「そうだ。ディールの死体、騎士団が回収したらしいぞ」

「なんでいきなりそんなこと言うんだ」

「一応お前も関係者だからな。言っといた方が良いだろ」


 そんな会話をし、受付を済ませた俺たちは個別の部屋へと入った。


 俺は部屋のベッドに寝転がり、天井を眺めた。


 今日は濃い一日だった。

 ようやくエルに会えたと思ったら、俺のことを忘れていた。

 その後、騎士団本部に向かうとソフィアと再会し、そこで『大食館』の制圧を請け負った。

 目が回るほど忙しない一日だったが、エルともう一度話す機会を得られそうだ。


「待ってろ、エル」


 そういえば、どうしてソフィアは俺のことを覚えていたんだ?

 俺の偽物からすれば、俺を本物とわかる奴はいない方がいいんじゃないか?


 考えても分からない。

 とにかく明日、『大食館』を制圧する。

 全てはその後だ。

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