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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
二章 王都ガルス
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「久しぶりだなぁ〜、王都」


 王都に降り立ったユウリは、中心に構える王城を眺めてながら言った。


 かくいう俺も約十年ぶりの王都だ。

 あの時は両親と一緒に来ていた。

 その時の記憶と変わらない、活気に溢れた大都市の姿が目の前にあった。


「なあ?腹減らねえか?」


 大きく伸びをしながらユウリは俺に話しかける。


 確かに、馬車に乗って約三時間。

 馬車に乗る前は、ディールと戦闘していた。

 そのせいか、腹の中はすっからかんだ。


「そうだな、何か食べたいな」

「なら、着いてこいよ。知り合いがやってる店があるんだ」


 そう言って、俺とユウリは王都の大通りを進んだ。


* * * * *


 ユウリの後をついていくと、ある建物の前で止まった。

 そこは木造の建物。入り口には『酒場』と書かれていた。


「ここだ、入ろう」


 ユウリの声を合図に、俺たちは酒場に脚を踏み入れた。


「いらっしゃい!お、ユウリ!久しぶりだな!」


 店のカウンターから渋い声で話しかけるのは、スキンヘッドの筋肉質な男だった。


「よう、グラル。相変わらず繁盛してんな。店主はこんなにおっかない顔してんのに」

「はっはっは!ウチは味で勝負してるからな!」


 随分と仲がいいようだ。

 あんな握手の派生型みたいなやつ、フィクションの世界のものだけだと思っていた。


 ユウリは少しの間、店主と話していた。

 その後、俺たち二人は店の隅にある卓に案内された。


 俺たちは注文を済ませ、料理が来るのを待っていた。


「本当に混んでるな」

「ここはホントに美味いからな。店主にビビって入らないのが勿体無いくらいに」


 確かにあの店主は強面だった。

 前世だったらあだ名は『ヤっさん』だろう。


 しかし、それほど美味いとなると楽しみだな。


「ところで、お前ニエ村まで徒歩だったんだろ?馬車乗ればよかったのに、何でだ?」


 ユウリは突拍子もなく質問してきた。

 俺がサンタナ領を出て、ニエ村まで徒歩だった理由。

 それはただ一つ。


「魔物を殺すためだ」


 王都に向かう道中、少しでも魔物を殺したいと思っていた。

 効率的ではないのは承知の上で歩いていた。


「そうか・・・・・ほどほどにな」


 ユウリは呆れと憐みを織り交ぜたような表情をしている。


「ほい!注文の品だぜ!」


 俺とユウリの間に流れる神妙な空気を、グラルの明るい声音が払い除ける。


 置かれた料理からは美味そうな香りが漂う。

 俺とユウリは手を合わせた。


「「いただきます」」


「「え?」」


 俺とユウリの声は示し合わせたかのように、寸分違わず重なった。

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