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はたして俺の異世界転生は不幸なのだろうか。  作者: はすろい
一章 ニエ村
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幕間 『ユウナの胸中』

 私は今日、運命の出会いをした。

 運命の出会いって、自分で言ってて笑っちゃうけど。けどそう呼んでもいいくらいの出会いをしたと思ってる。


 私たちの村がゴブリン達に襲われて、助けを呼ぶためにニエ村から走った。

 私は必死だった。一刻も早く助けを呼ばないとたくさんの人が死んでしまう。加えて、ゴブリンの集団に追いかけられていた。

 一心不乱に山を駆け下りて、人を探した。

 

 山を下った先にある草原に出た。

 そこで野宿の準備をしている一人の男の人を見つけた。


 私には冒険者の実力を一目で見極めることは出来ない。

 でも村のことを考えると、これ以上遠くに行ってしまうと間に合わなくなるかもしれない。それに私の体力には限界が来ていた。

 だから、その男の人に賭けるしかなかった。


 後で分かったけど、その人はアルマ・エンブリットというらしい。

 私はアルマに助けを求めた。

 正直な話をすると、アルマの力を見るまでは不安だった。この人に頼んで良かったのか、それが心配だった。


 でもその不安は一瞬で覆された。

 アルマは私を追いかけてきたゴブリンを一網打尽にしたのだ。

 この人しかいないと思った。


 その後、馬車に乗ってニエ村に向かった。

 ニエ村にもたくさんのゴブリンがいたけど、アルマはそれを蹴散らして見せた。

 多分だけど、私はこの時点で彼に惹かれていた。

 人に話したら笑われちゃうかもしれない。恋に落ちるのが早すぎるなんてからかわれるかも。


 でも確かに魅力的に見えた。

 アルマが戦う姿は、私には綺麗に見えた。


 それから、彼をもてなす宴が始まった。

 その時に私は彼と話した。

 彼のことがもっと知りたいと思った。


 そしたら、驚くことに彼は今日冒険に出たのだと言う。

 私から見た彼はとてつもなく強かった。

 彼以外の冒険者の強さは分からない。だけど、きっと彼は強いに違いない。

 そんな根拠のない確信があった。


 そんな彼が冒険に出るのを決意した理由が気になった。

 私はそのことについて聞いた。

 すると、彼は友達の女の子のためだと言った。


 女の子。しかもその子のために冒険に出るってことは相当大事に想っているということだ。もしかして、その子に恋愛感情的なものを持ってたりするのだろうか。

 でも彼は彼女のことを紹介するときに「親友」と言った。

 私にもチャンスはあるのではないだろうか。

 きっとそうだ。そう考え、私は彼と話をつづけた。


 すると、彼はまだ理由があると言った。

 それが復讐だという。


 彼は話してくれた。

 彼の両親との思い出と、その最後を。


 そんな彼に、私は同情した。

 同情しかできない自分に若干の怒りと、苦しさを覚えた。

 だから彼にその思いを伝えた。いや、抑えられなくなった。


 今思い返すと、あれは告白同然の言葉だったと思う。

 辛いときそばに居たい、なんて告白以外で使うことは無い。

 でも、その思いに偽りはない。

 恥ずかしいとは思ったけど、その言葉を取り消すことはしなかった。


 でも、咄嗟に話をそらしてしまった。

 彼もその話に応じて、その場を離れていった。


 バレてなかったかな。いや、バレててほしいな。

 でもやっぱり恥ずかしい。


 相反する気持ちが一つの心に同居している。それがもどかしくてしょうがない。

 いつか、本当に、彼が辛いときにそばに居られたら。


 遠ざかる彼の背中にそんな思いを馳せた。


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