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私が欲しがらなくなった理由
あれは小学一年生の時だろうか。
当時、わたしはワガママで恵まれている子供だった。
デパ-トに行くと一目散に三階のおもちゃ売り場へ行き、親にねだっていた。
その日もCMにあった犬型ロボットを目当てに商品棚の前に立った。
――ふと思い立った。
これを買ったらわたしは何日これで遊ぶのか。
数日で飽きてまた新しいおもちゃをねだるのか。
おもちゃもタダではない。
ガラクタと化した我が家のおもちゃがわたしを見ている気がした。
――もうやめよう。
欲しがっては飽き、欲しがっては飽きを繰り返してはきりがない。
親が働いて得たお金をこんなことに使っては申し訳ない。
私は欲しがるのをやめた。