出国したのに帰国していない人リスト
2518年。イタリア。ヴェローナ。
ローサはDAMAの身元を判明すべく奮闘していた。
約500年前後前のアジアの国で、自国を出国したのに帰国を果たしていない人、、、
データが残っていればきっとすぐに該当者が出るはず。
各国の大使館、警察、航空会社、などなど
何か手掛かりになりそうなものを記録しているところはないかと手当たり次第依頼をかけてみている。
100年前後であれば容易かもしれないが
500年前後という曖昧なざっくりとした年代設定。
少しでもいい。何か彼女の身元につながるものが出てきて欲しい。
こんなにめんどくさい依頼にも関わらず、
ぽつりぽつりと回答が挙がってきている。
ミイラが発見されたのは我が国だが、
世界的な大発見でもある。
どの国もある程度興味は持っているようだ。
今のところ回答人数が多いのは、、、フィリピンやタイなど東南アジアか。
出国したものの帰国していない行方不明者。。。
名前と行方不明になった当時の年齢などが記載された一覧が送られてきた。
ただ、やはりチップでデータ化されてからの時代のものが多いのと、、、10代20代の低年齢のリストが多い。
しかしこんなに出国しているのに帰国せずに行方がわからない人が多いのか。。。
500年ほど前から100年前のリストでフィリピンやタイなどの東南アジアだけで600人ほど挙がっている。
どのような理由で出国し、行方不明になってしまったのだろう。。。
この中にDAMAはいるのだろうか。
もし、出国した当時は20代で
亡くなった年齢が60代だったとしたら、、、?
そんなことを考え始めたら
気が遠くなりそうだわ。。。
もしくは人種はモンゴロイドでも
日系人でアメリカやブラジルなどに住んでいた人だったとしたら、、、?
捜索範囲を広げないといけない。。。
頭がこんがらがってきたわ。。。
途方に暮れる暇がないほど
パソコンにメールがどんどん届く。
東アジアからも届き始めた。
韓国、日本、中国。。。
やはりどこの国も同様の行方不明者は多いようだ。
ただ、、、行方不明のまま全く捜索されていないケースはあまりないという回答が、、、。
ほとんどの場合は他国で遺体が発見されていたり、
別の国で暮らしてそのまま生涯を終えたり、
その本人が亡くなった時に身体に埋め込まれているチップを探し出して身元が判明するケースが近年では増えている。
新しく届いたメール。
「該当している行方不明者がおります。」
日本だわ!
2050年代にヨーロッパへ向けて出国後、帰宅予定日に帰国せずに行方不明になったままの女性が一名。
同じ頃にヨーロッパに向けて出国後、そのままホテルなどにもチェックインせず行方をくらませた女性も一名。
「その他の同様のケースの行方不明者は
行き先がヨーロッパではないので、
この女性たちのどちらの可能性が高いのでは、、、?」
というもの。
出国した国のデータに残っている当時のパスポートの写真なども画質は悪いがどうにか見ることができる。
ミイラからの所持品は衣類と鞄、靴のみ。
カバンのには財布とメモ帳のようなもの以外、
個人情報がわかるようなものは見つからなかった。
行方不明者の所持品保管もおそらく失踪当時はしていたと思うが、500年も経つとさすがにもう保管期限の問題で処分されているだろう。
しかし、パスポートなどの身分がわかるものはどこかにないのか。
あったら行方不明になった当時すぐにわかるはず。
DAMA本人が持っているわけでもなく、、、
なぜ見つからないのだろう。
落とし物などしていればDAMAはもっと早くに見つかっていたかもしれないのに。
あなたは一体誰なの。。。?