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DAMA 〜とある主婦の不思議な人生〜  作者: 水無月 五華
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"視点・フィルター・ステージ"

2018年。


幸せな結婚生活。


子供も2人授かった。

周りの友達たちよりも早く一戸建ても購入した。


家庭に入って、主人と子供たちに囲まれて、幸せな生活。


側から見れば幸せな生活。


そう、お決まりの「側から見れば」幸せな生活。




その反面、私は結婚してからずっと人間関係に悩まされている。


学生時代に仲の良かった友人にほとんど距離を置かれてる。



結婚した、子供が産まれた、家を買った、、、


一つ一つ歩みを進めると同時に

友人が1人ずつ減っていく不思議。


世間的な幸せを手にするたびに

大切な人が一人一人私の元からいなくなる。



安定した職業、知らない人から見ると高身長でハーフ顔、モデル体型の男性と結婚したことによって、


「不釣り合いな男捕まえて調子に乗っている」


入籍後すぐに子供を授かったことによって、


「計画性がない」

「授かり婚のくせに」

「新婚旅行もいけなくて可哀想」

「子供できたから挙式やらないんでしょ」



子供の足音が気になったから引っ越しを検討した流れで戸建てを購入したら


「早くに家買ったっていう自慢?」

「自慢する割にはセンスない家だね」

「同じ職業の旦那さんがいる友達の家はもっと大きいよ」


何か一つ一つ生活が進展するたびに

嫌味をたくさん言われることに気がついた。


その度に心が擦り切れていった。。。



なんでこんなにイヤなことを言われるのか

どうしてか最初はわからなかった。


私に問題があると思って自分を責めた。


生きている価値すらわからなくなった。


死にたいという感情ではない、

この世に存在したくなかったという気持ち。


日に日に強くなった。


私をこの世に産み落とした両親にすら怒りを覚えた。


そして私もまた自分が生み出した子供たちがいる。


勝手に1人いなくなることはできないから、、、


ただこの子たちが1人立ちできるその日まで、

心を無にして生きようと決めた。。。




夫のことは嫌いじゃない。


でも、愛しているという感情はもう自分の中に見つかられない気がしてる。


子供たちの父親、同居してる人。。。


そんな感じ。


身体の関係も付き合ってる時から結婚してからも数回しか持っていない。


子供を産むためだけの作業にすぎなかった。


子供が欲しかったから、それでいいと自然と思えてた。



この先一生男性と肌を触れ合わせることはないんだろうな。。。


みんなも言わないだけできっとそんな人生なのかなぁ。。。



何も過不足していないこの生活。


こういうのが幸せなんだと思ってた。



幸せって、なんだろう。。。





家にいることが増え、自分と向き合う時間が増えるたびに気がついたらいろんな角度から自分を見つめていた。


私は自分の夫を自慢に感じたこともない。


パッと見て夫と私は不釣り合いかもしれない。それは事実。でもそんな私を好きになってくれたのは夫の方。

不釣り合いって言ったら夫に失礼なんだ。


挙式をしなかったのは子供を授かったのではなくて自分の意思。私の生い立ちを全て知らないのに勝手なことを言うな。


賃貸から賃貸へ引っ越すより、このタイミングで家の購入を決定しただけ。


戸建てを早くに買ったことを自慢したいなんて思ったこともない。


私たち夫婦はそんなに住宅に執着なんてない。



私に批判を浴びせてくる人たちと

私自身の「視点」に大きな差があることに気がついた。



そうか。みんなこうやって「自分の視点」が正しいと思い込んで人の批判をしているんだ。


自分のフィルターを通して世界を見てる。


離れていった友人たちのフィルターから見たら

私は、、、


「欲しい物を全て手に入れた自慢ばかりのイヤな女」



そしてそのフィルターを持った友人たちは


集まって自分の夫の不満を言い合い、

子育ての大変さを語り合い、

周りにいる気に入らない人たちの不満をぶつけ合う。


不満と批判と愚痴で成り立つコミュニティ。



10代の頃はまだまだ世界を知らない。


狭いコミュニティの中で同じ地域で育った友人たちと仲良くなって、たくさん楽しいことをした。



同じだった。


でも大人になって社会に出て、


今までのコミュニティとは違う人たちや

生きてきたコミュニティと似てる人たちや


全く違う文化を持った人たちと知り合ったりすると、、、



自然とフィルターが更新されていっているのかもしれない。


もう私は昔の友人たちのフィルターを通して物事を見れなくなっていた。



いつのまにか私だけ変わっていたのかもしれない。


だから、、、


自然の摂理として人間関係が終わっていくのかもしれない。


どっちが上とか下とかじゃない。


ただ、今までいたステージと違うところに私は来てしまったのかもしれない。



じゃあ、最近感じる夫への違和感も、、、?






「2018年」


この一年が私にとって忘れられない一年になるなんて。


こんなことが起こるなんて。


奇跡って本当に身近にあるのかもしれないよ。














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