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DAMA 〜とある主婦の不思議な人生〜  作者: 水無月 五華
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"大好きなモノ"


私には高校生の頃から"大好きな場所"がある。



仲の良い友達と出かけた場所。。


片想いの人とデートをした思い出の場所。。



行くだけで落ち着ける場所。。。


プライベートや学校や仕事が行き詰まってしまった時にいつも行く場所。。。


10代の時に癒されたくて初めて一人で出かけた場所。。。



景色を見ては夢と野望を抱いた場所。。。






2017年。秋。


この"大好きな場所"は、

今では毎年家族と出かける場所になった。



私は今33歳になった。


真面目だけど変わり者の男性と結婚して子供が2人いる。


どこにでもいる普通の主婦。


特に大きな悩みもなく、経済的な不安もない。


子供たちは可愛い。


夫は無口で変わり者だけど、すごく困ることもない。



側から見ればどこにでもある普通の幸せな家庭。



またまた「側から見れば」幸せな家庭。。。





子供たちを寝かしつけて、

静かなリビングでワイヤレスイヤホンをつけて

スマートフォンでお気に入りの音楽をかけて、

残りの家事を終わらせる。



今ではこのたった数時間の自分の時間が

1日の中で癒しの時間になっている。



空気清浄機の音がこだまするリビング。


イヤホンから流れる音楽と共鳴して、

まるでこの場にいないような感覚に落とされる。




食器を洗いながら早めの走馬灯のように

自分の生きてきた人生が頭の中を駆け回る。



私はこれでよかったのか?


私は何がしたかったの?


何になりたかったんだろう。





急に込み上げてくる感情。



まだ形の掴めない姿が見えない

心の中の《満たされない気持ち》の魔物が

私を不安な気持ちへ運んでいく。


結婚したら消えるかと思っていたのに。




突然、まるで発作が起こるかのように

あの大好きな場所に行きたくなる。



なぜ私はあの場所がこんなに好きなのだろう。



私の中の何かが求めている?


それとも呼ばれているの?





あの頃のあの気持ちを思い出したいの?



あの人を感じたいの。。。?









私には"大好きな人"もいる。



小さい頃から存在は知ってた。




1999年。夏。


中学生のある日、今までなんとも思っていなかったのに突然心が稲妻に撃たれたかのように、、、


頭から離れなくなった。



その日から

私の人生はこの人に向かってのものになった。



あなたに会いたい


あなたと一緒の空間にいたい


あなたの大切な人になりたい




心から強くそう思った15歳の時。



飽きっぽい私。


体の奥底から湧き上がるこの感情が自分でも理解できず、すぐに終わるだろうと思っていたこの気持ち。




どんどん膨れ上がっていく。。。



手の届かない場所の人なのに


この感情はなんなんだろう。。。









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