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DAMA 〜とある主婦の不思議な人生〜  作者: 水無月 五華
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イタリアの奥地で



2518年。冬。


イタリア、ヴェローナ近くスイス方面の山奥にて。


人がまだ手をつけていない自然な林の中から

人のようなものが発見された。


かけつけた警察や救急隊などの医療関係の人物、通りすがりの人々、第一発見者、


全ての人が見ず知らずの老人の遺体が見つかったと思っていた。


「やれやれ、これから行方不明リストを隅々まで調べ上げなければ。」


そんな風に警察官であるローサ・ベッリーニは少し面倒にすら感じていた。





毛髪はわずかに残り、状態はかなり良い。

小柄な身長からするとおそらく女性なのだろうか。

それとももしかしたら子供なのか?


遺体ではない、、、?



ミイラ化した遺体、、、?







ベローナは500年以上前からジュリエットの家で有名な観光地。



市内には高い山もなく、

夏は暑すぎず、冬も寒すぎる地方ではない。

湿度も高い。



万が一白骨化した遺体が発見されることはあっても

自然に出来上がったミイラが発見されることは珍しい。


ミイラになるまで他者から発見されないなんて不可能に近いような土地柄だ。





遺体はすぐさま研究所に運ばれ、内部を調査。



文明はものすごいスピードで進んでいく。



2500年代に入った今、

考えられないほど便利な世の中になっている。



全てがコンピューターとロボットで成り立つ。


人の手を使って行うことなんて

食事や排泄、入浴など自分自身のプライベートなことくらい。


文字を紙に書くという動作すらこの現代にしたことがある人はいるのだろうか。





研究所で検査すること15分。



およそ500年前の高齢女性のミイラ


であることが判明した。



毛髪や歯型などからDNAデータを割り出す。



おそらく、、、


ヨーロッパの人種ではない。


モンゴロイド?

アジア系の人種だ。


骨や歯の状態などから、


60〜70代くらいのアジア人の女性ではないだろうか。



一体なぜベローナでミイラに?


観光客だろうか。。。


見知らぬ土地で事件に巻き込まれたのか。。?






今では全世界の人々全員に個人データが記憶されているicチップを生まれてすぐに埋め込まれる。



誰がどこで誰に会ったか、住んでいるか、

両親は誰なのか、出身地や、遺伝的な疾患など

すべてこの中に組み込まれている。


このおかげで大昔より行方不明の人物を探し出すのも容易になったものだ。


がしかし、このミイラにはそのチップのような現物は

体内のどこにも残されていないし、

埋め込まれていたことを意味するような跡すらない。



500年前となると


個人情報の管理は何で行われていたのか?


旅券のようなものだろうか?


戸籍などの身分証明書はあったはず。


このミイラが一体誰なのか。。。


500年もの時を経ているが、無縁仏として墓に葬るよりかは


歴史を探っていくロマンなども追い求めてみようか。



彼女は一体どんな人生を過ごしてきたのだろう。



このミイラに名前がつけられた。



dama ダーマ


イタリア語で婦人を意味する。




なぜ、ダーマはイタリアのベローナでミイラになったのか。


なぜ2518年まで姿を現さなかったのに


突然存在をアピールするかのように


ミイラとして姿を現したのか。


このミイラは何を伝えようとしてるのだろう。。。



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