第一章時点での、キャラクター達まとめ
主人公
大平 晴嵐
本作主人公。文明崩壊後の地球で、周囲の人間が全滅するまで生き残り続けた老人。享年は八十歳以上。片目と片腕を失い、全身皺と老いで壊れた肉体を引きずって、終末世界をさまよっていた。死に際、同居していた生命体に次を託し、死を認め受け入れる腹積もりだったが……何故か森の中で目を覚ます。
その際、十代後半~二十代前半になるまで若返り、欠損した部位は治り、いくつかの道具と共にこの世界に投げだされた。現在の容姿は全体的に細身、身長は170~175の間。黒い髪に、目は暗めのブラウン。肌は少々色味と、どこにでもいた『日本人』
崩壊した世界、終末世界の体験からか、性格はかなり冷徹であり、リアリスト。
また、獣の解体や気配を殺す技術。道具を解体、ニコイチにして修復する技や、簡単な鍵ならピッキングで開けてしまうなど……様々な技術や知識を身に着けている。
魔法という独自技術や、別種族が平気でうろついているなど……勝手の違いに戸惑ったり、逆に同一な物に混乱することもあるが、基本的に彼は足を止めない。今の手持ちの道具や状況を考え、その上で生きていくために必要な事を、ためらいなく実行できる人間。
武器として主に用いるのはナイフ類。握って使うのは勿論、投擲技術も相応にある。猟の知識の応用で、罠や弓も使えるようだ。
現在は宿『黄昏亭』で休息をとっている。
シエラ ベンジャミン 初登場……初接触
晴嵐が最初に遭遇した人間。グラドーの森で、ゴブリンの不意打ちを受け引きずられていた。晴嵐がゴブリンに不意打ちをかけ、運よく助けられる。茶髪の女性。電撃を発生させるボルトレイピアの使い手にして、ホラーソン村の兵士長。
性格は呆れるほどのお人よし。何かと主人公に気を使うが、晴嵐は彼女の事を苦手としている。周りの村人もおおよそ同じ評価だが、危険が迫っても何故か、大事になる前に火が消えるらしく……彼女の幸運は有名な話のようだ。
アレックス・ベルロ 初登場……見覚えのある建物
ホラーソン村の軍団長。三十代から四十代のオッサンだが、鍛えられたスマートな筋肉を持つ、髭面の男。
兵士長のシエラの上司に当たり、責任のある立場故、晴嵐に対しても警戒を顕わにする。やる気のない兵士の心情を汲みつつも、そこそこに引き締めたりと、現場を見ながら仕事をこなせる人間。
スーディア・イクス 初登場……不穏の影
オークの部族に所属していた、一人の若いオーク。現状の扱いと、囚われの人間の一人、テティ・アルキエラと交流を持ったことで目を覚まし、群れの長に対し反抗、決闘を申し込み、彼女と自分の自由を勝ち取った。
保有する透き通る青色のレイピアは、友のラングレーと共に謎の遺跡で入手した物。大剣を斬る異質な機能を持つ。
優れた観察眼を持ち、姿勢や動作で相手の中身を察知することが出来る。晴嵐やテティの姿勢の癖を「老人の物」と見抜くなど、精度は高い。戦闘に置いてはこの観察眼を用いて、彼手の動きを読み、適切に防御しながらの立ち回りを得意とする。
ラングレー 初登場……不穏の影
スーディアの友人。彼の行動に賛同し、陰ながら支援する準備を進めていた。一人はぐれたところを、晴嵐に刃物で脅されるも……素直に計画を話したことと、咄嗟の交渉、そして『お姫様』の話を彼に流したことで、晴嵐と共闘関係を結ぶ。
無事に計画を終わらせた後、晴嵐にも気安く接するようになる。話し合いの後、スーディアと共に亜竜自治区へ向かった。
テティ・アルキエラ 初登場……決闘前夜
現時点での重要人物。生まれてくる前の記憶を引き継いでおり、話によると『かつては別の世界でお姫様だった』らしい。金色の髪に、紫色の瞳を持つ、不思議と芯の強さと気品を感じさせる少女。
かと思えば、前線に出て魔法の旗『立体旗』での戦闘を行ったりもする。手慣れたもので、棒術にもたしなみがあるようだ。
スーディアの観察眼によって素性を見抜かれ、前世のすべてを語って聞かせた事により、彼は反逆を決意。それがラングレー越しに晴嵐に伝わったことで、彼も積極的な介入を決めた。
他の特技として、事実を元にした作り話や……人の話からいきさつを読みとるのも得意。晴嵐との会話の中で、彼と状況や立場を即座に把握し、同族のよしみか、救出の借りからか協力を約束している。
一見、似たような立場に思えるが、晴嵐は『若返って世界を移動した』のに対し、テティは『赤ん坊からやり直した』の違いがある。また、二人の元々の世界が、同じものかどうかも、現時点では不明。
ヴィラーズ・キクチ 初登場……決闘前夜
ホラーソン村の領主『ヨマル・キクチ』の娘。物見遊山で兵舎に来た所で、オークの襲撃とかち合ってしまい、攫われる。ヒステリックな性格が災いし、晴嵐に絞め落されるわ、拷問を受けるわで散々な目に遭っている。現在は気絶したまま、ホラーソン村に帰れたと思われる。
オークの長 初登場……盾と鎧の腕甲
スーディアや他のオーク達を率いる、グラドーの森をねぐらにする集団のボス。魔法効果のある大剣を行使していたが、侮った立ち回りの末獲物を破損し、それが村の兵士たちの逆襲を招いた。
グラドーの森の禁域に逃げ込むも、謎の存在の手にかかってしまう。
ターニー・アルキエラ 初登場……宿屋のロボット
『この世界』でのテティの母親。再会の際に、テティ側から駆け寄って飛びついている辺り、親子の関係は良好な模様。瞳の色は青いが、それを除けば、外見的特徴はかなり似通っており、一目で親子と分かるほど。




