44.ようやく冒険者登録
なんとかなった?
◆ ◆ ◆
「まあ、わざわざここに来て『秘密組織アルカナ』の話をしたのはいろいろと訳がありまして…」
ゼロイは水晶玉に手をかざしながら言う。
「実は『秘密組織アルカナ』の構成員は下位組織である『冒険者ギルド』のギルドマスターよりも権限が上なんです。『冒険者ギルド』の職員として事務仕事をしている場合が多いですが……」
そう言いつつも、ゼロイは二人の前にカードを置く。
「これが冒険者の持つ『ギルドカード』です。『ギルドカード』には、お二人のギルドランクと簡略化された個人情報、そしてお二人には特別に裏コードで『秘密組織アルカナ』の構成員であるという情報を刻みました。フーヤ様のものには『風の剣』の所有者であるという情報も」
「「えっ!?」」
フーヤとレクスの声がハモる。
それも、仕方がない。
もっとも、二人が驚いた点は異なっていたが。
「俺も『秘密組織アルカナ』の構成員なんですか!?」
「裏コードって何!?『ギルドカード』が魔道具なのは知ってたから手に入れたら調べるつもりだったけど、裏コードとか何それ!?簡単でいいから説明して!」
レクスとフーヤがほぼ同時に叫ぶ。
フーヤにいたっては若干のキャラ崩壊を起こしていた。
「……フーヤ様の方はいろいろと言いたい事があるので後回しにして、レクス様の方は秘密をいろいろと各国の王に伝えている量をはるかに越えてるので形式上だけでもしておかないと困るんですよ」
「………知ってた。なんとなくだけど」
レクスが悟ったようにつぶやく。
「まあ、『秘密組織アルカナ』の構成員は各国の『冒険者ギルド』にいるので裏コードを見せればいろいろと便宜をはかってくれますから。そのあたりの事は、通常の『冒険者ギルド』の仕組み説明の時に詳しい説明を一緒にするとして…」
ゼロイはため息をつくと、フーヤを見る。
「フーヤ様、『ギルドカード』を手に入れたら調べるつもりだったんですか?」
「もちろん。ついでに、その裏コードってやつとさっきの袋の魔道具についても調べたいです」
「絶対止めて下さい!お願いですから!不調とか出たらどうするんですか!」
かなり本気な感じでゼロイが叫ぶ。
「大丈夫ですよ。そのあたりは気をつけますから」
「駄目です!」
かなり必死で止めようとするゼロイ。
そんなゼロイに我関せずとみたらし団子を黙々と食べていたユウレイルが助け船を出した。
「それそのものを調べるのは駄目だけど、資料ならいいと思うよ」
「資料!?」
「確か『冒険者ギルド』で使われている魔道具の仕組みについての資料ならまとめて『デンラ・イナール王国』の王都にあったはず。魔道具関連は全部あそこの『秘密組織アルカナ』の本部で管理してある」
『デンラ・イナール王国』はこの『ルーズレス王国』の北東にあり、『アニマールエデン王国』を挟んだ隣国である。
海に面していないにも関わらず、川が無数にある珍しい土地であり、水産資源が豊富である。
また、その水に支えられて植物なども珍しいものが多い。
しかし、農業や漁業が盛んであるわけではない。
何が盛んなのか?
それは――――魔道具作りである。
魔道具作りには、いろいろな材料が必要である。
水辺でなければ手に入れる事の出来ない海藻や貝殻などから、森でないと手に入れる事の出来ない薬草や木の実まである。
それが、基本的な材料であれば全て『デンラ・イナール王国』であれば揃うのである。
もちろん、よっぽど貴重な物でなければだが。
そして、そんな国にフーヤが興味を示さないわけがなかった。
「なるほど、『デンラ・イナール王国』か。魔道具作りの国として有名だし、行ってみたいとは思ってたんだよ!」
フーヤが目を輝かせる。
「フーヤって、本当に魔道具のこととなると目の色が変わるよな」
レクスが少し呆れながらつぶやく。
もっとも、いつもの事なのでそれ以上は何も言わなかったが。
「まあ、『アニマールエデン王国』経由で行ってみればいいんじゃないか?この世界の全ての国を回る必要があるんだし、そこは効率的にしつつ、目指せば」
「効率犠牲にしても、なんなら今からでも行きたいくらいなんですが。というか、ユウレイルさん。取ってこれるんじゃないですか?」
「自分で行け。楽しみをとっておくのもたまには重要だぞ。さて、時間だからそろそろ行くよ」
ユウレイルがそう言って立ち上がる。
「ユウレイル。何処に行くんですか?」
「ルーンのとこ。そろそろ、約束してた時間も終わりみたいだし。ルーンを拐ってこようかと。あと、あいつに一撃、拳をくらわす」
ゼロイの質問に面倒そうに答えるユウレイル。
「……殺さないようにして下さいね。一応、パーティーメンバーなので大丈夫かと思いますが」
「大丈夫だよ。流血沙汰にはならない、というか出来ない。………だって、いる場所ゲーセンだし」
(……ゲーセンって、ゲームセンター!?)
小さい声でつぶやいたその単語を聞いたフーヤが、少し驚いている間にユウレイルはもう部屋の中から姿を消していた。
◆ ◆ ◆
ルーンが会ってる奴ってどんな奴だろ?
「イケメン。とりあえず、拳くらわせて来る(byユウレイル)」
ユウレイルの殺気、怖っ!
そして、またストックがない・・・・・・
次回投稿も間に合わせますのでよろしくお願いいたします!(次の日曜日です)
~追記~
次の日曜日と書いておいてすみません。
投稿は来週になりそうです。
楽しみにしてくれていた御方には大変申し訳ないことをしました。
お願いですので、愛想を尽かさずに待っていて下さい(土下座)




