38.冒険者ギルドの職員
投稿だぁ~!
今回は待ちに待った『冒険者ギルド』編だぁ~!
カランカラン―――――――
ユウレイルが扉を開けると特徴的なベルの音が鳴り響く。
中に入るとそこはまさしく『冒険者ギルド』だった。
左側には、依頼の並んだ掲示板がズラリ。
右側には、隣接された酒場で冒険者たちが昼間から酒を飲み、談笑している。
そして、正面には受付カウンターが並んでいる。
受付カウンターの左隣には、素材買い取りカウンターもあった。
どちらのカウンターにも多くの冒険者が並んでいた。
そして、『冒険者ギルド』に入ったとたんに向けられる複数の視線。
(よくあるやつだ………)
フーヤは心の中でそう思いつつ、レクスと共に歩き続けるユウレイルを追う。
視線は虹級のユウレイル――――ではなく、魔法学院の制服を着たフーヤとレクスに向けられていた。
当然である。
普通は『冒険者ギルド』に魔法学院の生徒は来ない。
そして、手柄を全てルーンに押し付けているユウレイルには知名度はない。
よって、注目が集まるのは仕方のない事なのだが。
「…………目立ちたくないのに」
フーヤは小声でユウレイルに文句を言っていた。
「フーヤ。流石にしょうがない」
レクスが小声で慰める。
ちなみに、ユウレイルはさらっと聞き流していた。
そして、そのユウレイルは受付カウンターのひとつを目指して歩く。
「あれ?」
フーヤが柄にもな小さく声を上げる。
それもそのはず、ユウレイルが向かっていたのは誰も並んでいないカウンターだったのだ。
ついでに、補足しておくと他のカウンターは冒険者たちが順番待ちをしている。
美人の受付嬢がいるカウンターが人気のようだが、とりあえず女性がいるカウンターに皆、並んでいる。
しかし、ユウレイルが迷わず選んだのは誰も並んでいないカウンター。
そして、そのカウンターの主は明らかに事務仕事をしており、とても受付をしているとは思えない様子だった。
「まったく、ゼロイ。変わらないなお前」
「それは、こちらのセリフです。わざわざ受付嬢がいないカウンターに来るのはあなたくらいですよ。ユウレイル」
そう言って、ずり落ちそうになる眼鏡を押し上げるゼロイ。
ユウレイルとかなり親しげに話すゼロイはいかにも受付に向いていなさそうな堅物感がある。
ちなみに、ゼロイは男である。
よって、受付嬢目当ての冒険者が並ばないのは必然であった。
それに、女性冒険者も受付嬢の方が安心出来るようでわざわざ堅物そうなゼロイに声をかける冒険者は普通はいない。
顔立ちは整っており、ギルド職員の制服も見事に着こなしているが、堅物そうな雰囲気だけでモテなさそうな要素がそろっていた。
そんなゼロイにわざわざ声をかけるのは、せいぜい変わり者くらいだ。
「おい、あいつ堅物に話しかけてんぞ」
「うっわ。堅物が話てんの初めて見た」
「てか、あの冒険者。魔法学院のガキ連れとか冒険者舐めてやがる」
その酒場で昼間から酒盛りしてるやつらが騒ぐ。
「師匠の事、舐めてるのか………………」
レクスがキレ気味に小声でつぶやく。
だが、『冒険者ギルド』に来る前にユウレイルが話をした約束事はちゃんと守るつもりのようで必死に剣に伸ばしそうになる手を押さえている。
「それで、ユウレイル。わざわざ来るなんて珍しいですけれど、要件はなんです?出来れば書類仕事の片をつけたいのですが」
誰かの噂話など何処吹く風とばかりに平常運転で話し続けるゼロイとユウレイル。
「受付を任せられてる人間の言葉じゃないな……要件は冒険者登録だ。後ろの二人の」
ゼロイはフーヤとレクスをチラリと見て、ユウレイルを見つめる。
「ユウレイルの紹介なら問題はないですが、実力はどんな感じです?いきなり、ドラゴンへ特攻はさせないでしょうが、ユウレイルなら初戦から無茶させる可能性が高いですし」
「大丈夫だ。無茶させたところでな」
「ユウレイル。どういう事です?」
訝しげなゼロイにユウレイルは小声で告げる。
「なにせ、『風』と『全』の二人だ。逆にロックドラゴン千頭でへばるはずがない」
ゼロイは目を見開きつつも、平静を保ってつぶやく。
「いくらなんでも、ロックドラゴン千頭は多すぎです。いくら特別な力があっても、いきなりそんな死線に送りこまないで下さい。それに、既に送りこんだ後ですね?」
「と、いうわけだ。ゼロイ、冒険者登録頼む」
ユウレイルは、わざわざそこだけ大きな声で言う。
「はいはい、分かりました。今回は特別なので個室で行いますので、少し待っていて下さい」
ゼロイが面倒そうに立ち上がる。
その時。
「はあ?あんなガキが冒険者やんのかよ!?冒険者舐めてんのか!?」
柄の悪そうな冒険者の男が声を上げる。
どうやら、闘剣士らしい。
その男は真っ直ぐにフーヤ、レクス、ユウレイル、ゼロイの所まで歩いてくる。
(はい、絡まれました。フラグ回収です)
フーヤは心の中でそんなナレーションみたいな事を考えつつも、男を凝視した。
「フーヤ。今回は目立ってもしょうがないから、出し惜しみとかするなよ?」
レクスが小声で念を押すように言う。
フーヤは、レクスの言葉にうなずく。
「わかってるよ。レクス」
さて、お約束はいったいどうなる!?
次回投稿は次の日曜日!
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