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転生特典チート隠してたけどバレました!?  作者: 虹夢 なうみ
王都出立準備編
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35.修行と先輩と

二章、王都出立準備編スタート!

何故、準備編なのかって?

たぶん、出立までいかないからだ!


 「フーヤ...............師匠の修行がまた厳しくなってるんだけど................................」


 「お疲れ。ま、あと3ヶ月の辛抱だから」


 「その3ヶ月が長いんだよ....................」


 なぜ、3ヶ月なのか。

 本来なら、フーヤとレクスは今すぐにでも冒険者をやる予定だった。

 だが、卒業試験を受ける日を決める話し合いの日に。

  ◆ ◆ ◆


 「それじゃ、今すぐ......」


 「やだ」


 フーヤのこの返答は、予想済みだったようでルーンは緑茶片手に聞いてくる。


 「まあ、準備の時間が欲しいか。何日がいい?」


 「3ヶ月」


 「3ヶ月!?」


 「フーヤ。3ヶ月は長いんじゃ......」


 驚きの様子を見せるルーンとレクス。


 「3ヶ月。あと3ヶ月で、終業式だ。それまで、待って欲しい」


 「なんで?」


 ルーンの質問に、きっぱり答えるフーヤ。


 「これで、もう学校だの学園だの学院だのに通うことはない。その前に、普通の学院生活を送りたい」


 「無理じゃない?」


 「フーヤ。それは、無理なのでは?」


 ルーンとレクスの二人が、そろって否定する。


 「なんでだよ!Bクラスのままで、3ヶ月過ごすだけでいいからさ!」


 「普通のは絶対無理だけど、そのくらいならいいか」


 ルーンが承諾したことにより、終業式まではフーヤとレクスはBクラスのままで過ごすことになったのである。

  ◆ ◆ ◆


 「でも、修行が厳しくなったって、何やってるんだよ?最近はそんなこと言ってなかったよな?」


 「なんか、『じゅーどー』と『からて』と『じーくんどー』と『けんどー』と『あいきどー』と『きゅうどー』とあと、『剣術』を一通り叩きこまれてる」


 「それって.....................」


 (...『柔道』と『空手』と『截拳道』と『剣道』と『合気道』と『弓道』と『剣術』って...............明らかに一人の人間が教えれるレベルを越えてないか?)


 「なんか、それが基本的なものだから基礎だけでも出来るようにしとけって..............」


 「絶対に基本的なものじゃない」


 「あと、途中でルーン様が来て、『ムエタイは教えないの?』って言って、師匠が『教えるわけないだろ。てか、なんでそんなマイナーな格闘技知ってんだよ』とか言ったら、ルーン様が『そんな感じの突っ込みを待っていた』とか言って御満悦で帰ってった」


 「それは、突っ込みして欲しかっただけのやつだな」


 「とりあえず、疲れた」


 Bクラスの教室で、レクスは机に突っ伏した。

  ◆ ◆ ◆


 「あー疲れた」


 「そのわりには、いつもと変わらないよな。レクス」


 フーヤとレクスが、そんなやり取りをしつつ、廊下を歩いていると。


 「フーヤ=ロイホード、少しよろしいかな?」


 「!?...............ロイド先輩、なにか用ですか?」


 フーヤは、少し首を傾げてロイド先輩を見る。

 (............声をかけられるような事って何かあったっけ?)


 「()()返すよ」


 「えっ!?」


 ロイド先輩が渡してきたのは、魔道具の剣。

 フーヤが作ったものである。

 そう。

 邪神の信者を刺していたあの剣である。

 しかし、フーヤはその魔道具の剣を全て回収していた。

 そもそも、あの事件の記憶はルーンが全生徒の分を消去している。

 消去されていないのは、フーヤとレクスだけのはずだ。

 なのに、ロイド先輩はフーヤが作った魔道具の事を知っていた。

 というか、持っていた。

 剣の魔道具は、あの時しか異空間収納から出していない。

 だから、ロイド先輩が手に入れる機会なんてあるはずがないのだ。

 (どういうことだ!?………そういえば、一つ数が足りてなかったけど)

 フーヤは、気のせいと思って忘れていた事を思い出しながら、ロイド先輩を見つめる。


 「流石に驚くよね。実は、元々魔法に対しての抵抗力は強いほうでね。効かなかったんだよ。そもそも、学院の生徒全員を対象にしてたから抵抗もあの英雄の魔法だったけれど不可能ではなかったしね」


 「……本当ですか?」


 フーヤは、ロイド先輩を見つめる。

 その視線は、嘘などの偽りを見抜こうとしているかのようだった。


 「本当だよ。だから、約束通りちょっと調べさせてもらったんだ。あの時、ひとつ手に入れといて正解だったね」


 満足そうに笑うロイド先輩。

 フーヤは、そんなロイド先輩の様子を見ると異空間収納からある物を取り出す。


 「これ、差し上げます」


 フーヤが出したのは、魔道具。

 迷宮(ダンジョン)で見つけた魔法使用不可の結界をはるものである。

 もちろん、フーヤは既に解析などを終え、魔道具としての能力は一時的に停止してある。


 「これは……………なんのつもりだい?」


 興味深げな様子を見せつつも、少し警戒したように言うロイド先輩。


 「口止め料です。いくら取り繕うつもりだとしても、どうせ『勇者』と『英雄』なのだということはは察しているのでしょう?『勇者』についてはこちらから明かしましたけど。でも、まあ皆覚えていないことならロイド先輩も覚えていなかったということで」


 「なるほど。なら、()()()()()()()()()()()()()。これは、ありがたく調べさせてもらうよ」


 そう言って、ロイド先輩は去っていった。

 (……………最大の危機は回避出来たかな。ロイド先輩のようなタイプはこの方法が確実だよね………息の根を止めるのはこの場合危険度が高いしね)

 フーヤはロイド先輩の背中を見て、ほっと息を吐いた。

と、まあ地味にスローライフ感がある感じで進みます。

執筆ペースが遅いので更新は毎週日曜日となります。

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