31.これから
謎の腹痛に襲われて大変だったよ......
土曜日投稿はちゃんとやれましたがね......
「やだ」
「なんでよ!いいじゃん!だって冒険者だよ!?」
即、拒否したフーヤにルーンはずっこける。
「だってそれって.........面倒事の予感しかしない」
嫌そうに答えるフーヤ。
レクスがそろりと手を上げる。
「あの......なんで俺まで数に入っているのでしょうか?あと、まだ魔法学院の1年生なのでそういうことは、無理なのでは?あと、親の説得もありますし.........」
「レクス君の質問に、答えますとですね。簡単なのから答えると、レクス君も数に入っているのは、フーヤ君を目立たなくする御輿として丁度いいのと、『勇者』だから。そして、親に関しては、レクスの親は説得済みだし」
ルーンがそう言うと、レクスが驚きつつ冷静な感じでつぶやいた。
「説得されてた......」
「フーヤ君の所はまだだけど、私の調べでは即許可が降りそうじゃない?」
ルーンがフーヤに向かって勝ち誇ったように微笑む。
フーヤは、むむむというような顔で口を開く。
「否定出来ない............」
フーヤのそんな様子を見て、レクスは苦笑いする。
「そういや、フーヤの父親って『勇者』·『英雄』ヲタクだっけ......」
フーヤの父親(今世)は、社交界では知識人で礼儀正しいことで有名なのだが、実は生粋の『勇者』·『英雄』ヲタクなのである。
『勇者』·『英雄』のこととなると、仕事も忘れて夢中になってしまうほどなので、家族は全員飽きれている。
ちなみに、その家族も誰もが何かしらのヲタクなので風当たりが強い訳ではないが。
レクスが、それを知っていたのはフーヤが散々愚痴っていたからである。
「フーヤ君の父親に、『英雄』の私が直接会いに行って『勇者』であるレクス君と一緒に冒険者をやらせて下さい、なんて言ったら即許可下りそうじゃない?どうせ、フーヤ君が『英雄』だってことも教えてないでしょ?ならついでに、教えようかなぁ~」
「絶対に教えるのだけは止めろ」
もちろん、フーヤは自分が『英雄』だと教えてはいない。
ルーンが学院にやって来ただけにも関わらず、息子に本よりも分厚い手紙を送ってきて、ルーン=ルナティックについて質問攻めにした父親である。
フーヤが『英雄』だとバレたら、どんな反応をするのか分かったものではない。
「冒険者やってくれろなら、止めてもいいよ?」
悪魔の笑みを浮かべるルーン。
フーヤの目から、フッと光が消える。
「詰んだ............」
この世界の終わりかと思うようなトーンでつぶやくフーヤ。
レクスはそんなフーヤを見つつ、思い出したように聞く。
「あの、まだ魔法学院の1年生なので冒険者とか出来ないのでは?」
「それだ!レクス」
フーヤの目に光が戻る。
望みを見つけたかのように、フーヤはルーンの反応を見る。
「大丈夫なんだなぁ~これが」
悪魔の笑みを浮かべたまま、ルーンはフーヤの望みを潰す内容を話す。
「卒業試験って前倒しで受けれるんだよ。それを受ければ全て解決!あ、冒険者やるのが面倒だから手を抜いたりするのは無しだよ。二人とも既に卒業に足る実力があることは、全先生方の共通認識だから。試験自体が少し形式的な感じになるだろうし」
「え、俺もなの!?」
ルーンの説明にレクスがそう言うと、ルーンは少し飽きれ気味にユウレイルを見る。
「ユウレイルの弟子になった地点で、もう『勇者』であろうとなかろうと強くなりすぎるのは確定だから。実感ないだろうけど、剣こみの実力ならこの学院の先生以上だよ」
「その言い方だと、僕が化け物みたいだな......」
ルーンの言葉に苦笑しつつ、ユウレイルは饅頭をほおばる。
「めんどい............なんで冒険者やらないといけないんだよ」
机に突っ伏すフーヤ。
未だに旋回し続けている小アルカナがどこか滑稽であった。
「これは、必要なことなんだよ。小アルカナの持ち主が危険人物でないということについての各国への証明にもなるし、『勇者』も小アルカナの持ち主も一つの国に留まり続けるとその国への印象が悪くなるし...............」
「めんどい..................」
「でも、一回冒険者して各国回ったらもうしなくてもいいよ。あと、各国を見て回ったら隠居するのに良さそうな国とか、貴重な素材がある場所とか、わりと見つかるんだよね~」
ピクりとフーヤが反応する。
「あと、各国にいろんな人脈が出来て珍しい物とか情報とかがわりと集まりやすいし~」
机から顔を上げるフーヤ。
「それって、魔道具も含む?」
「もちろん」
「やろうかな、冒険者。やるべき事だけ果たして、さっさと隠居して、したいことだけしてのんびり暮らせそう。そのための下準備だと思えば.........」
「......変わり身早い.........あと、動機がこれまで聞いたことがない」
コロリと態度を変えたフーヤに苦笑しつつ、ルーンは緑茶を飲む。
レクスはしばらく考え込む素振りを見せていたが、フーヤが答えるのを皮切りにルーンとユウレイルを見る。
「俺もやるよ。フーヤとなら楽しそうだし」
「それじゃあ、決まりってことで試験については追々決めてくことにしよう!今日はこれで解散!」
ルーンが笑顔でそう告げた。
その横ではユウレイルがなぜか難しい顔をしていた。
この話とプラスで外伝的な話を二つとプロフィールで一章終了って感じにする予定です。
外伝的な話も結構重要な話になりそうです。
あと、プロフィールも意外に重要かな?
次回投稿も、土曜日になりそうですが、ゆっくり期待して待っててください。
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