26.迷宮攻略③
迷宮攻略編第三段!
王都天文搭迷宮·四階層。
「なるほど......あの作戦を打ち破ったのはお前たちか.......まあよい。我々の作戦を潰された恨み!今ここで晴らしてやろう!」
「よし、レクス任せた!」
フーヤがレクスの肩に手をポンッと置く。
「なんでだよ!普通に魔法攻撃すればよくね!?」
剣を抜き放ち、闘志を燃え上がらせている黒いローブの男を見ながらレクスは、最もな問いを口にする。
「いや、ダメだ」
「なんでだよ!」
フーヤは『索敵魔法』の表示を見て、少し言いづらそうに告げた。
「ここ、そういう規則の部屋だ」
「はい!?」
「魔道具によって、魔法使用不可の結界がこの部屋の中に張られている。こんな魔道具見たことない。興味深いから調べ......じゃなくて、解除したいから、その間注意をそらしといてくれ」
「本音漏れてるけど.........まあいい、相手をしないといけないのはわかった」
レクスは、剣を抜いて構える。
その間に、フーヤは魔道具の方へ移動する。
黒いローブの男は、フーヤを止めるつもりはないようだ。
レクスを品定めするかのように見ている。
「その構え...どこかで見たことがある気もするが......まあよい。どっちにしろ生きて返す気はない」
その言葉と同時に、黒いローブの男はレクスに切りかかった。
キンッ!キンッ!カキンッ!カキンッ!キンッ!
剣同士を打ち合う音が四階層に響く。
両者、余力を残しつつ戦っているようだが、既にフーヤには剣筋を視認することが出来ない。
フーヤは戦いを横目で見つつ、魔道具を調べ出す。
(うわっ...この術式複雑すぎる......)
カキンッ!キンッ!カキンッ!カキンッ!キンッ!
フーヤは、少し考えた後レクスに叫ぶ。
「レクス!この魔道具、術式が複雑すぎる!どんなに作業急いでも1時間ほどかかりそうだ!」
「わかった」
レクスは、表情一つ変えずにそれだけ答える。
「クックックッ、やせ我慢を。その魔道具は解除に5時間かかる。その間に決着など、とうについておるわ!」
カキンッ!キンッ!キンッ!カキンッ!キンッ!
戦いはより激しくなっていく。
レクスは、険しい顔をして黒いローブの男に話かける。
「俺は、まだ修行中の身だ。だから、手加減がまだ出来ない」
「急になんの話だ」
黒いローブの男は、冷や汗をかきつつも返答をする。
余裕がなくなっていく黒いローブの男を見つつも、レクスは剣さばきを速くしていく。
「手加減が出来ないんだ。だから......」
レクスの剣が煌めき、横に振るわれる。
黒いローブの男の頭が宙を舞った。
「悪いけど、死んでくれ」
レクスは、それだけ言うと黒いローブの男の死体から目をそむけつつ、剣についた血を剣を振って落とすと鞘に戻した。
フーヤの元まで歩いていくレクス。
「終わったよ。手加減が出来なかったから、殺しておいた」
レクスの表情は暗い。
表情が暗い理由は、人を殺したからか、生きたまま捕まえて罪を償わせられなかったからか。
どちらにせよ、レクスはフーヤの元まで歩く。
「殺しちゃったか。まあ、あれを捕まえとくのは難しいとは思ってたし、正当防衛だよ。気にすんな」
フーヤは、そう言いつつも魔道具をいじる手を止めない。
「フーヤ。殺された...」
「あの死体なら、グズデス先生と一緒に処理しとくよ。おっ、予想より速く外れた」
フーヤは、丸い円盤のような魔道具を持って立ち上がる。
そして、異空間収納にほおりこむ。
その瞬間、魔法使用不可の結界が消失する。
フーヤはその勢いのまま、黒いローブの男の死体も回収すると、レクスに声をかける。
「よし、行くか」
「ちょっと待て。最初から魔道具を外せばよかったんじゃ...」
「かもね」
「おい」
フーヤは、レクスから視線をそらしつつも、フォローする。
「まあ、レクスが殺しちゃったのは、正当防衛の結果であって、先に襲ってきたのは向こうだから、罪にはならないよ」
「いや、気にしてるのはそこじゃないし、その理論だとフーヤは罪に問われるんじゃ......」
「................ショウコインメツスルカラダイジョウブダヨ」
フーヤは、レクスと目も合わせずそう言うと、上の階層に向かって歩き出した。
◆ ◆ ◆
王都天文搭迷宮·五階層。
「全く、いくつ封印魔法陣を展開してあるのだ。手間をかけさせよって。直ぐにわしのものにしてやる」
黒いローブの男-首領頭はそうつぶやきつつ、作業を続ける。
既に、迷宮の主は討伐され、例の物を手に入れるのみとなっている。
首領頭は、迷宮攻略のために犠牲になった者たち、そしてあの方のためにも作業を進める。
「あと、4つ.........」
終わりの見えてきた、封印魔法陣の解除に思わずそう言ってしまった首領頭。
このタイミングでの、その言葉はフラグである。
「さて、あとは貴方だけだから大人しく捕まってよ」
この声はフーヤだ。
後ろに剣を構えたレクスもいる。
「なっ!?」
首領頭が、二人を見て驚く。
それも当然である。
なぜなら、下の階層に残してきていたのは、精鋭揃いだったのだから。
首領頭は、必死に頭を回す。
そして、出した結論は......................
「なるほど、ならばわしは一旦退こう。しかし、いつの日か必ず手に入れようぞ!」
首領頭は、そう言って魔道具を起動させる。
その杖型の魔道具が複雑な術式を描きだしたかと思うと、首領頭の姿がフッと消えた。
「消えた!?」
レクスが叫ぶ。
「擬似転移か......」
フーヤは、忌々しげにつぶやく。
擬似転移は、転移と似ているが実際は違う。
そもそも、移動方法からして違うのだが、それはこの際おいておこう。
問題は、結界をすり抜けるほど高性能な魔道具によって逃げられたことだ。
「レクス。直ぐに戻って来るつもりだから、ちょっとここで待っててくれ」
「えっ!?どういうことだよ!?......」
レクスが戸惑うのを無視して、フーヤは術式を展開する。
レクスの声は、いつもより元気がない。
だが、フーヤはそんなこと気にもかけず、作業を怖いほど素早く進める。
(これは、複雑だからこの魔道具から流用して、こことここの順番を入れ替えると......ここは、*※≡∴▽ヰだから...)
フーヤは、素早く術式を展開する。
それは、首領頭が魔道具で描きだしたものとほぼ同じものだった。
「じゃあ、ちょっと言って来る」
フーヤは、そう言って擬似転移した。
術式ってどういう仕組み?教えてフーヤ君!
(by作者)
「意味のない記号の羅列が特定の配列に並ぶことにより、意味を成す。例えるなら、DNAのトリプレットってあるじゃんあんな感じで.......(以下省略)」
何を言っているのか作者には理解不可能......
次回投稿は日曜日! (理由は原稿のストックがない(涙))
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