24.迷宮攻略①
約束通りの日曜日投稿!
迷宮攻略編第一段!
「迷宮!?」
レクスの声が響く。
迷宮といえば、辺境の地にあるもので王都、それも魔法学院の施設の中にあるのは信じられないのだろう。
その気持ちはフーヤも分かる。
しかし、それは事実。
『索敵魔法』がそう指し示しているのだ。
「とはいえ、かなり変則的だけどね」
フーヤは『索敵魔法』で得た迷宮の情報を話し出す。
「階層数は五。迷宮要素はなくて、一から四階層まで全部、階層の主の部屋がいきなり現れるみたい」
「いきなり階層の主かよ!?それで、五階層は?」
レクスがそう言うと、フーヤはにこっと笑う。
「迷宮の主の部屋。どうやら、その先にやつらが狙うものがあるらしいね。今、四階層攻略中みたいだし」
「そうなのか......ってなんで分かるんだよ」
さっと視線をレクスからそらすフーヤ。
「......まあ、『英雄』の力とでも、思っておいてくれ」
「......まあ、そういうことにしとくよ。それで、どうするつもりだ?」
レクスが首をかしげる。
「もちろん、迷宮攻略に決まってる。ただ、階層の主は、黒いローブのやつらの見張りが各階層に一人ずついるだけみたいだけど」
「...なるほど。じゃあさっそく行こうぜ!」
レクスが目を輝かせて言う。
フーヤも笑みを浮かべてうなずく。
迷宮攻略はこの世界の男の夢。
それが、どのようなものであっても、他のやつらに攻略されかけていたとしても、例外なく男どもは目の前にあれば、迷宮攻略をしたがる。
それは、フーヤとレクスの二人も例外ではない。
◆ ◆ ◆
王都天文搭迷宮·第一階層。
「なっ!?侵入者だと!しかも、学院の生徒が二人......まさか、あやつ裏切ったか!しかし、先生でなく生徒とは、舐められたものだな」
ぶつぶつつぶやく、黒いローブの男。
「まあよい。僕の力をあなどりし時が、貴様らの死ぬ時だ。僕には、切り札があるのだからな!」
勝ち誇っている、黒いローブの男に、フーヤは無表情で声をかける。
「お前の言う切り札って、そこの首が切り落とされたブラッドベアーのことか?」
「へっ!?」
黒いローブの男が後ろを見る。
そこには、フーヤの『ウインドカッター』によって、首が切り落とされたブラッドベアーがいた。
一応、説明しておくが、ブラッドベアーは村一つであれば、単体で滅ぼせるほどの魔物で普通は『ウインドカッター』では首を切り落とすことなど出来ない。
しかし、フーヤは迷宮に入った瞬間に『空間支配』による転移の力を使って距離がほぼゼロの状態で、『ウインドカッター』をブラッドベアーの首に叩きこんだのである。
それも、黒いローブの男が気付かないうちに。
『ウインドカッター』は遠距離攻撃魔法。
例え、威力が少し低かろうと至近距離から放たれれば、致命傷になり得る。
しかも、フーヤの『ウインドカッター』は遠距離からでも男の腕を切り落とせる特別制。
いくら、ブラッドベアーの首の皮が厚かろうと簡単に切り落とせてしまったのだ。
「なん......だと............」
ぺたりと座り込む黒いローブの男。
「テイマーはいらないとパーティーから追い出され、奴等に復讐するために邪神様に忠誠を誓い、必死に育ててきたブラッドベアーがぁ.........」
「それなら、他のパーティーに入って『ざまぁ』すればよかったのに...」
フーヤの口から、言葉がもれる。
「...『ざまぁ』?」
黒いローブの男が首をかしげる。
(......ついつい、『ざまぁ』って言っちゃったけど通じないよな...)
フーヤは、そう思って言葉を変える。
「他のパーティーに入って、これでもかと活躍すれば前のパーティーのやつらもお前のこと追い出さなければよかったって思うかなと......それに、テイマーのありがたさが分からないようなやつらなら今頃、ものすごく苦労してそうだし...だいたい、テイマーとかやり方によっては最強の能力だしさ......」
「...そうか......そうすればよかったのか............そうか.........僕は......」
壊れたようにつぶやく黒いローブの男。
フーヤは異空間収納から、例の魔道具の剣を取り出す。
そして、転移で黒いローブの男の目の前に移動すると、魔道具を構えて...
「さよなら」
それだけ言うと、フーヤは黒いローブの男の心臓めがけて魔道具の剣を突き刺した。
「フーヤ。これ、殺してないか?」
倒れる黒いローブの男を見て、レクスがつぶやく。
「いや、気絶しただけだよ。この魔道具、肉体に刺さらないんだよ。魔力に直接刺しているから。さらに言えば、刺した本人しか抜けないしね」
「...それ、どんな超技術だよ。魔法が使えなくなって、動くこともままならないだけじゃなかったのか.........」
「そんだけな訳ないだろ」
フーヤは、黒いローブの男の下に異空間収納を開き、落とし入れると、ほっと一息つく。
死体と扱いが同じである。
「それじゃ、次の階層に行こう」
フーヤは、不敵な笑みでレクスに言った。
誤解のないように言っておきます。
作者はテイマーが嫌いなわけではない!
むしろ、好きだあぁぁぁぁぁぁ!
ちなみに、僕テイマー君は再登場の予定はございません。
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