20.楽勝でした
続けての投稿です!
ちなみに、長ゼリフがありますが、斜め読みで結構です!
廊下に出たフーヤは、小走りに隣のクラスの前に行く。
「ちょっと、フーヤ!どうする気だよ!」
レクスもついてくるのを確認すると、フーヤは作戦(?)を説明する。
「レクスは剣で注意を引いてくれ、誰かを気絶させてくれたりすると助かる。まあ、魔道具を刺して、動きを封じて無力化すればこちらの勝ちだ。生徒を盾にしようとしたり、自爆に走るかもしれないから、数秒で終わらせる」
「......簡単に言うけど、難しくないか!?」
「大丈夫、大丈夫。なんとかなるから」
(本気を出せばね.........)
フーヤは心の中で、付け加える。
そう。
彼らは仮にも、『勇者』と『英雄』。
負けるはずがないのだ。
◆ ◆ ◆
「フーヤ」
「何?」
「邪神の信者ってこんなに弱いものなのか?」
「......少し違う気がする」
フーヤとレクスは目の前にいる、数十人の黒いローブに仮面の者たちを見る。
剣型の魔道具によって、痛みを感じ、喘ぎまくる彼らが強いようには、二人には見えない。
少なくとも、二人から見れば、であるが。
フーヤとレクスの二人は、邪神の信者を次々と無力化していた。
方法は、クラスの扉から堂々と入り、レクスが剣技で一人か二人を無力化する。
フーヤは、それに気をとられている残った邪神の信者たちを、魔道具で無力化し、レクスが倒した者たちにも魔道具を使っておく。
そして、呆気にとられている生徒たちを、フーヤが1年Bクラスに集団転移させ、邪神の信者たちは生徒たちに見張ってもらうためにも、クラスの隅に転がしておく。
それを、全てのクラスで行ったのである。
「あの、いろいろと説明して欲しいのですが?」
ロイド先輩が、他の状況を呑み込めていない生徒に代わり質問する。
「そこに転がっているやつらが、魔法学院の生徒を人質として、なにかをしようとしてたみたいですね。そのなにかが分かりませんけど」
「そ、そうか......本当に君たちだけで倒したんだよね?」
「はい。魔道具には頼りましたが」
「その魔道具も、フーヤ君。君が作ったのだろう?まったく、どこから驚けばいいのか.........後で、魔道具を調べてもいいかい?」
ロイド先輩が、興味津々の様子を見せると、フーヤは苦々しげな顔になる。
「それはかまいませんが、これからどうします?」
「そうだね.........」
本来なら、騎士団なりなんなりに助けを求めるものだろう。
しかし、それは不可能だった。
「まさか、結界のせいで出入りが出来なくなっているとは......」
ロイド先輩がため息をつく。
「フーヤ。どうにかならないのか?例えば、結界を破壊するとか...」
レクスの言葉にフーヤは首を振る。
「さっき、軽く調べたけど止めたほうがいい」
「調べたのか......ってそうじゃなくて、なぜ破壊するのはダメなんだ?」
「この結界。もともと、魔法学院の防御結界を利用しているみたいだから、破壊したらどうなるか分からない。仮になんともないとしても、敵はまだ残っている。おそらく、幹部クラスがね。絶対邪魔してくるだろう。なんの意図があってこんなことしているか分からないとはいえ、敵が作り出したことには変わりないから。それに、敵はまだこの状況に気づいていない。ならば、変に刺激して生徒が自由の身だと知られるよりは、結界破壊なんてしないほうがいい。そして最後に、結界を破壊したら敵に逃げられる。こんなことするやつらだし、最終的に自爆して学院ごと吹き飛ばすくらいのことするかもしれない。逃げたところで、またなにか仕掛けてくる可能性は消すことが出来ない。なら、逃がすより、ここで捕まえたほうがいい。この結界のせいで、やつら自身も出られないからね。以上の点から、結界を破壊するのは止めたほうがいい」
「お、おお」
レクスは、マシンガントークをされて理解が追いついていないのか、それだけ答える。
「なるほど」
ロイド先輩はフーヤの説明に納得したらしく、うなずいている。
「ひとついいかな?」
「なんでしょう?」
ロイド先輩は、確かめるように言った。
「その説明だと、結界を簡単に破壊出来るような感じがしたが...」
「出来ますよ」
フーヤは当たり前のように答える。
「......一応、学院を守る結界なんだから弱いわけないからね.........もうひとついいかな?」
ロイド先輩はため息をつく。
「はい。なんです?」
「これから、どうする気なんだい?」
「とりあえず、やつらを全員、捕まえて.........」
「いや、待て。なぜそうなる」
ロイド先輩が即座に返す。
「それが、一番手っ取り早いからですよ」
「いや、その理屈は分かる。分かるけど危険じゃ......」
フーヤは、何か吹っ切ったように微笑む。
「大丈夫ですよ。こちらには、幻の転移魔法が出来る者がいますし、それに...」
フーヤは、レクスの後ろにまわり、その肩に手をおく。
「...『勇者』もいますから。そうだよね?レクス」
「えっ!?あっ!?そ、そうだけど......フーヤなんで言っちゃうの!?」
「じゃ、行って来ます」
フーヤはそう言って、問答無用で転移する。
◆ ◆ ◆
「いや、フーヤどういう...」
レクスは、フーヤを見て言葉をとぎらせる。
フーヤは、土下座をしていた。
「レクス、すまない。御輿になってくれ」
「はあっ?!」
二人以外誰もいない学院の廊下に、レクスの困惑した声が響いた。
今回、フーヤとレクスが強すぎて、逆に書くことがなかった......
ところで、御輿だ、御輿だ、わっしょい、わっしょい...ってどゆこと?
次回投稿は、約二週間後の可能性が高いです。
こんな気まぐれな、投稿ペースで、いつもこの話を楽しみにしてくれている人に申し訳ない...(そんな人、ブクマと評価と感想が少ないのに居るわけないだろって?...ほっとけ)
というわけで、次回投稿を早くするためにも、ブクマ、☆タップでの評価、感想などよろしくお願いします!




