19.会議当日
まだ、日曜日じゃんという問いはさておき、
今回、悲鳴がうるさいです...
「フーヤ。なんだそれ?」
フーヤの手元を覗きこむレクス。
「魔道具」
フーヤはそれだけ言うとレクスを見ずに作業を続ける。
「とてもそんな感じに見えないけどな......」
レクスはフーヤが作業中の術式をチラリと見る。
「......ナニコレ?」
レクスの話し方が片言っぽくなった。
「いやいやいや、何この術式。複雑すぎて理解が追いつかないんだが......」
レクスが呆然としたようにつぶやく。
「分かんないならいいよ」
フーヤは素早く、適格に作業を進めていく。
「って、それはともかく、フーヤ。もうすぐ授業始まるぞ」
そう。
ここは、1年Bクラス。
フーヤは授業前の時間に魔道具作りをしているのである。
「別に、今日は自習だから問題ない。先生、全員会議に行ってるし」
今日は、会議当日。
フーヤは、『索敵魔法』の表示をチラリと見つつ、作業を続けていく。
「いつも、真面目なフーヤが珍しい...」
レクスがそうつぶやいたが、フーヤは無視した。
(あと、少し......少しで......完成する)
フーヤは、ミス出来ない作業に入る。
そのとたん。
バタンッ!
扉が乱暴に開き、黒いローブに仮面の者たちがぞろぞろと4人入ってきた。
「クフフ、この学院は我ら邪神の信者が乗っ取った!おとなしくしないと殺すぞ!」
そして、邪神の信者どもは、魔道具をかまえる。
その魔道具は、正式名称を『魔道式魔法放出型拳銃』という。
拳銃の形をした魔道具で、引き金を引くと強力な魔法が放たれ、その場にいる持ち主を含めた全員を死にいたらしめるとんでもない魔道具なのだ。
その危険性は、魔法学院の生徒でなくても知っている。
ちなみに、わざわざ拳銃の形をしているのは、その魔道具を初めて作ったのがある女神だったからだったりするのだが、この際、それは関係ない。
そんな危険なものを、持った者が4人もいることが問題なのだ。
生徒たちの表情がこわばり、動きが固まる。
動きを止めたのは、レクスも例外でなかったが、ただ一人。
フーヤだけは、それを無視し、作業を続けていた。
「クフフ、動くなよ、動くなよ.........て、おい!お前舐めてんのか!?」
黒いローブに仮面の者が、魔道具をかまえながらフーヤに近づく。
フーヤは、反応せず、作業を続ける。
「おい!お前死にたいのか!?」
魔道具をちらつかせる黒いローブに仮面の者。
「うるさい」
ドウッと風が巻き起こる。
「ウワッ!」
「グヘッ!」
「ウグッ!」
「ウッ!」
黒いローブに仮面の者たちが、4人全員壁に打ちつけられる。
4人が持っていた、魔道具も風に巻き上げられ、術式が破壊されている。
風の被害に逢ったのは、邪神の信者どもと魔道具だけで、生徒などに被害はない。
もちろんというか、なんというか、これを行ったのはフーヤである。
「いや、ようやく完成したよ。さてと、邪魔してくれたお礼でもしようか」
フーヤは、完成した魔道具-剣型の魔道具を手で持て遊びながら、黒いローブに仮面の者たちに近づく。
そして、フーヤはその剣型の魔道具を振り上げ、一人の邪神の信者の足に振り降ろした。
「うぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゅゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!」
悲鳴が響きわたる。
「って、フーヤ!何やってんだ!?」
我に返ったように、レクスが声を上げる。
「何って、魔道具の試運転」
「はあっ!?」
フーヤは、異空間収納から明らかに同じものに見える剣型の魔道具を3つ取り出す。
そして、フーヤは次々に邪神の信者の足に刺していく。
「ぐぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!」
「がぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゅゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「悲鳴うるさい」
無表情で言うフーヤ。
「お前が言うな!てか、フーヤ!魔道具の試運転ってどういうことだよ!」
まだ、固まっている他の生徒の代わりに、レクスが聞く。
「いやさ、ルーン=ルナティックにたのまれて」
「はいっ!?」
「なんか、この前捕まえた邪神の信者の仲間たちが、この学院で立て籠り事件起こそうとしてるって教えられて、どうにかしてって丸投げされまして、面倒だから断りたかったけど、断ってもどうにもならないから、無力化だけでもと」
フーヤは、異空間収納から剣型の魔道具を取り出すというか、床にぶちまける。
「これだけ作っておいた。無力化するための魔道具」
魔道具の数は、おそらく100個近くあるだろう。
「さっきから、魔道具って言ってるけどどういう効果なんだ?俺には術式がさっぱり理解できないんだが」
レクスが首をかしげる。
「詳細を省くと、相手の魔力に直接刺すことにより、魔法を使うどころか、動くことさえままならなくなる。それだけの効果だけど、魔法も使えないし、動けないようじゃ何も出来ないだろ」
「......簡単そうに言うが、それ、どんな超技術が使われてるんだよ............効果抜群なのは認める」
驚きを通り越した呆れの表情をするレクス。
「よし。この感じじゃ、他のクラスも襲われてそうだし、助けるか。レクスも手伝ってよ」
フーヤは剣型の魔道具を異空間収納に全てしまう。
「さっきも思ったけど、それ、どうなってんのさ......なんかフーヤがいるだけで世界の勢力の均衡が崩れていく気が.........」
レクスの言葉を聞かなかったことにして、フーヤは心を無心にすると、言った。
「行くぞ、レクス」
フーヤ君。
君には手加減は、ないのかね?
「ない(byフーヤ)」
実は、二週間ほど投稿が出来ない可能性があるので続けてもう一話投稿します!




