16.女神の彼氏
女神の...彼氏...だと......
あ、約束通り投稿です!
「はい。そこの、バカ女神の彼氏です」
ユウレイルは、不機嫌そうに告げる。
「女神の彼氏ってことは、神様とかですか?」
フーヤの質問に少し面倒そうに、ユウレイルは答える。
「いや、違うよ。人間。まあ、もっとも、そこのバカ女神のせいで女神の眷属扱いだけど」
「ちょっと、ユウレイル。バカバカ連呼しないでよ!」
ルーンは怒るが...
「僕も、バカ女神と同じく日本人なんだよ。髪と瞳の色変えてるだけなんだよね。ほら」
ルーンを無視して、ユウレイルはそう言うと髪と瞳の色を変化させる。
髪は黒くなり、瞳は黒に近い茶色になる。
あっという間に、日本人っぽくなったユウレイルは、有名な某男性アイドル事務所に所属していると言っても、通用しそうな感じであった。
(...くそっ、イケメンめ)
フーヤが心の中でそう思ったのも無理はない。
「ちょっと!無視しないでよ!ユウレイル!」
「いや、ごめんごめん。ルーンが怒ってるのが可愛かったから」
ユウレイルは、そう言ってルーンの隣に腰をおろす。
髪と瞳の色を、蒼に戻したユウレイルは、ルーンに笑みを見せる。
「うっ...そんなこと言われたら、これ以上文句言えないじゃん...」
顔がほんのり、赤く染まるルーン。
ユウレイルのほうも、耳が少し赤くなっていた。
(二人で勝手にやってろ...)
フーヤは少し気まずそうである。
「それで、レクス君のほうはどうなった?」
ルーンの言葉に先に反応したのは、フーヤ。
「それじゃあ、知り合いってユウレイルさんだったんだ...」
「逆に、この状況で違うわけないでしょ...それで?」
ルーンが、ユウレイルを見つめる。
「なんとびっくり、『勇者』だったよ」
「何~!つまりは『全属性の主』ってこと!?」
ルーンが驚いて、ガタッと立ち上がる。
「?...どゆこと?」
フーヤは、首をかしげる。
「この世界の『勇者』は、魔王討伐するとかいう感じではなく、一つの称号のようなものなんだけど、その称号を手に入れることが出来るのは『全属性の主』だけなのよ」
ルーンが説明する。
「一般的には、『全属性の主』よりも『全属性の主』の呼び方のほうが伝わってるけど。伝説の『勇者』の属性としてね。属性適性の話は知ってる?」
ユウレイルが補足しつつ、フーヤに聞く。
「まだ、学院で教えてもらってないので詳しくはありませんが、その人の得意な魔法の属性が何かってことですよね?」
「そんな感じ。それで、全属性が得意な、『全属性の主』のなにが特別なのかっていうと...」
ユウレイルは、そこで言葉を切ると、レクスには話をしなかった何が特別なのかを口にする。
「幻の魔法とされている『時間支配』や『空間支配』を使うことが出来る。もっとも、修行しないと無理だけど」
「そうですか...って『空間支配』は使えるんだけど...」
視線をルーンに向ける、フーヤ。
ルーンは、視線をサッとそらす。
「しょうがないよ。だって君...『英雄』だし」
笑いをこらえるようにして告げる、ユウレイル。
「...はい!?」
フーヤはルーンを睨むように見続ける。
すると、観念したようにルーンは語った。
「そもそも、『勇者』は、神の愛が無意識のうちに注がれて、意図せずに能力が発現した者のことで、『英雄』は、神が意図的に愛を注ぐことにより、能力を発現させた者のことなんだよね」
「......それってつまり?」
「本人が、望む望まないに関わらず、異世界転生や転移をこの世界にした人は『英雄』になるってわけ。まあ、『英雄』として活躍するかしないかは、本人の自由だけど」
「...そうですか.........こればっかりはどうにもならないですよね?」
嫌そうにフーヤが聞くと。
「あくまで、称号って感じだし、名乗らなければいいよ。周りが勝手に言い出したらどうしようもないけど」
ルーンがフフッと笑う。
「あれっ?だったら、勝手に名乗る人もいるんですか?」
フーヤがそう言うと、ユウレイルがフフッと笑う。
「もし、『勇者』を名乗れば『全属性の主』かどうか周りに確かめられて、バレてその後、嘘つきということでボコられるし、『英雄』を名乗ったら、天罰が下って蒸発するんだよ。その後、その者を見た者はいないって感じで」
「怖っ!」
「もし、『英雄』名乗ってたやつがいなくなったら嘘ついてたんだなって分かるわけ。もちろん、本物の『勇者』や『英雄』なら今、話をしたことは起こらないけど」
「怖過ぎるのですが!」
ルーンがそんなフーヤを安心させるように言う。
「フーヤ君もレクス君も、そんなことにはならないから!だいたい、天罰を下すのユウレイルだし」
「はい!?」
「そうだよ」
ユウレイルは、ニヤッと笑う。
「嘘ついてたやつをサクッと殺って、転生輪廻の輪に放りこんでる。転生先は、虫とか魔物だったりするんだよね」
「怖っ!」
フーヤは、ユウレイルから離れたそうにする。
「まあ、ユウレイルは暗殺者向きだから...」
ガキッ!
「なんか言った?」
「いや、なんにも」
目に止まらぬ速さでルーンに短剣で切りつけたユウレイルと、それをなぜかトランプのハートのエースで受け止めたルーン。
(この二人って、つき合ってるんだよね?急に切りつけるとか、怖いってか......短剣抜くとこも、トランプ出すとこも、見えなかったんだが...なんか、聞いてはいけないこと聞いちゃった感じなんだが...)
フーヤは、険悪な雰囲気のルーンとユウレイルを見ていて、冷や汗が流れ落ちるのを感じた。
この二人はカレカノ......のはずです
次回投稿は、たぶん水曜日くらいです!
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