14.相談しました
約束通りの約5分後投稿です!
ちなみに、ちょくちょく前に投稿したものを改稿してますが話の流れは変えてません。
「なあ、フーヤ。俺は確かに強くなりたいって言った...」
「そうだね、だから、ここにいるし...」
フーヤが緑茶をすする。
「いや、だからだな......」
レクスが緊張した面持ちで湯呑みを机に置く。
「なんで、相談相手がルナティック様なんだ!?」
「......だってぴったりでしょ?」
少し目線をレクスからそらすフーヤ。
ここは、いつも通りの学院長室-ではなく、ソファ二つと机一つがあるだけの空きクラスである。
西のソファにルーンが、東のソファにフーヤとレクスが座っている。
学院長室ではないのは、『さすがに学院長でないルーンが何度も使わせてもらうのは悪いから』らしい。
ルーンは緑茶を飲みつつ、フーヤとレクスのやり取りを楽しそうに眺めている。
「確かにそうだ。相談相手にはぴったりだろうけどさ。俺のためにわざわざ相談するのはなんというか...申し訳ないというか......」
「いや、でもいいよって言ってくれたし...」
「そもそも、フーヤに相談したんだが...」
「教えるのとか無理」
「いやいや、ルナティック様の手をわずらわせる訳には...」
「そんなに、私から教えてもらうのは嫌?」
「いえいえ、そういう訳では...」
レクスが慌てる。
「いや、ごめんごめん。なんだか、ものすんごく緊張しまくってたから、からかいたくなって...」
クスリと笑うルーン。
「まあ、遠慮なく相談してくれて構わないから」
ニコニコしてるルーンは、緑茶を一口飲む。
「......なあ、フーヤ。ルナティック様とどういう関係?」
疑わしそうな、目をフーヤに向けるレクス。
「.........誰か」
「「はい!?」」
フーヤの言葉に、レクスとルーンが同時に言葉を返す。
「いや、何その返事......クスッ」
声を殺して笑い転げるルーン。
レクスの目線は、どことなく不機嫌そうなフーヤと笑い続けるルーンの間を行ったり来たりする。
「フハッ...いやね、関係って言っても大したことないよ。前にフーヤ君に迷惑かけたからその償いみたいなもんだしね。だから、レクス君も遠慮しなくて大丈夫、大丈夫」
ルーンがおかしくてしょうがないという感じで告げる。
「はあ...」
ポカンとした顔のレクス。
「それで、強くなりたいんだよね?」
ルーンの雰囲気が変わる。
「はい」
レクスは、背筋を伸ばしてルーンの問いに答える。
「そうだなぁ......どうするか...」
ルーンの目線がレクスを撫でるように動く。
ゴクリと唾を呑むレクス。
「その、腰の剣を見せて」
「えっ!?なんで分かったんですか!?」
レクスは驚きながら、腰の剣を見せる。
(えっ!?腰に剣下げてたの!?気付かなかった...)
フーヤは目を見開く。
フーヤは、魔法学院入学当時から、ほとんどの時間レクスと一緒にいた。
驚くのも、当然だろう。
ちなみに、魔法学院では護身という名目で剣や短剣の所持が認められている。
実際に、フーヤも短剣は持っていた。
しかし、小振りとはいえ普通の剣をこれまで気付かせずに持っていたのは異常といえる。
「......いい剣だ」
ルーンがため息をつきながらつぶやく。
(確かに......すごい剣って感じだ.........)
フーヤは、当然のことながら剣のことについては、素人である。
しかし、そんなフーヤでも、その剣のすごさについては感じることが出来た。
小振りであり細身の銀の剣のつかには、持つのに邪魔にならない程度に植物をかたどった彫刻がある。
さやにも、彫刻がされており、しかしそれでいて控えめな印象さえある。
その美しさは、家宝と言われても、信じるほどでありながら、機能性があり、剣がただの飾りでないことが窺えた。
「剣技って、どのくらい出来る?」
剣を見つめながら、ルーンが問う。
「一つの流派の剣技は、一通り叩きこまれてますけど......」
戸惑いながら答えるレクス。
「明日、中庭、授業後に剣技の練習してて」
「「はい!?」」
フーヤとレクスの戸惑いを含んだ声がハモる。
「いや、私の知り合いを紹介するから。たぶん、レクス君のこと気にいると思うよ!3ヶ月くらいでドラゴンくらいなら、単独討伐出来るようになるよ!」
「はあ、ドラゴンって国が連合で騎士団だして、ようやく討伐出来るか、出来ないかっていう魔物なんですけど......」
レクスが驚きつつ、言葉を紡ぐ。
フーヤは、緑茶を飲みながら、思った。
(まあ、女神の知り合いだから腕は確かなんだろうけど......変な女神でないことを祈る)
◆ ◆ ◆
『そういう訳だから、魔法学院に来てよ!ルーズレス王国のとこ。絶対来て!待ってるから!』
「分かったよ、ルーン。分かったからさ......」
一人の少年が、『通信魔法の水晶』に怒鳴る。
「ドラゴン討伐中に、通信してくんな!」
少年は、ドラゴンの首を剣ではね、『通信魔法の水晶』を持ちなおす。
『えっ!?だって、ドラゴンくらい瞬殺でしょ?』
「いや、瞬殺だけど、今日は同時に50体相手だから大変なんだよ!」
少年は、水魔法の刃でドラゴンの首をはねる。
少年は、蒼い髪に蒼の瞳をしており、蒼いローブを羽織っている。
ローブの下の服も、どうやら色あいの違う紺色のようで、全体的に蒼い印象である。
『50体くらい、なんとでもなるでしょ?さっさと片付けて来てよ!』
「それなら、自分で教えれば...って無理か。教えるの下手すぎて駄目だよな......」
少年は、魔法と剣を交互に使いながら、『通信魔法の水晶』に叫んだ。
「分かったから!さっさと片付けて行くよ!だから、明日会おう!」
◆ ◆ ◆
ちなみに、ドラゴンは一頭で小さな国の一つや二つ、簡単に滅ぼせる魔物です。
雑魚扱いするものでは、ありません、一応。
次回投稿は、次の日曜日の予定です。
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