13.ロイド先輩の思惑
約束通りの日曜日投稿です!
◆ ◆ ◆
「素晴らしい!素晴らしいですよ!フーヤ=ロイホード君!」
3年Aクラス主席、ロイド=ガーマーは、目の前で放たれた魔法を凝視する。
金髪、緑瞳の彼はイケメンである。
魔法学院の制服-フーヤいわく『スーツにローブ要素を加えた青い服』を完璧なまでに着こなしている。
胸元のネクタイは、主席の印の紫色で、それがより印象の好感度を上げていた。
ちなみに、ネクタイの色は、1年が赤、2年が緑、3年が黄である。
話が大分それたが、ロイドには、ファンクラブがある。
それほど、人気で有名な彼だが、今は少し他の者に見せられない顔になっていた。
目の前の魔法に、興奮し、自分の読みが当たっていたのだと確信する。
(そうでなくては、せっかくグズデス先生を誘導したのに意味がないですからね)
実は、この出来事が起こるようにしむけたのは、ロイドであったのだ。
方法は、グズデス先生の傲慢な性格を利用し、焚き付ける。
あとは、『裏庭で先生と生徒の決闘がある』といった感じの噂をファンクラブなどを通じてばらまいたのだ。
こうすれば、フーヤ=ロイホードは必ず実力を見せるしかないのではと思って。
噂は実際、ほとんど役に立っていなかったのだが、この際ロイドにとっては関係ない。
それより、この魔法のほうが重要である。
(素晴らしい!しかも、まだ余裕がありそうです!もっと舞台を整えればすごい魔法が見れるのだろうか......ま、そんな面倒なことしませんけど)
ロイドは興奮していた。
そもそも、ロイドの目的は『フーヤ=ロイホードの実力を見てみたい』というただ単にそれだけの理由である。
あの誘拐事件以来、その実力がBクラスどころじゃないと妙に確信し、確かめたいと考えていた。
それが、出来たので大満足なのである。
(傲慢な、あのグズデス先生の鼻っ柱も粉砕してましたし、素晴らしい!素晴らし過ぎます!)
とても、興奮した面持ちで、ロイドは無表情で隣を通りすぎようとしたフーヤに声をかける。
「素晴らしかったですよ!フーヤ君!」
◆ ◆ ◆
(なぜだろう.........ロイド先輩に褒められた)
フーヤは、疑問を感じつつもギャラリーの包囲網を抜け出していた。
「しっかし、すごかったな!あれ!どうやったんだフーヤ!?」
興奮しまくっているレクス。
「大したことないよ...たぶん」
フーヤを見る周りの目が変わっている。
しかし、それはフーヤの予想していたものとは違い、憧れや尊敬といった眼差しだった。
「皆、怖がってはいない......のか?」
「当たり前だろ」
少し呆れぎみのレクス。
(......過剰に...怖がってた......だけたったのか.........)
フーヤは憂いを帯びた瞳で、遠くを見つめる。
「それにしても、すごかったな!あー俺も出来ればいいのに!俺もフーヤくらい強くなりたいなぁ!」
レクスが残念そうに言う。
(思えば、レクスのおかげだよな...こんなにスッキリしたのは...面倒ごともセットだろうけど......何かお礼するかな...)
フーヤは小声でつぶやく。
「相談するか」
◆ ◆ ◆
「くそっ!なんなんだ!あの魔法は!」
グズデス先生は、一人、部屋をぐるぐる歩き回る。
「あれは、初級魔法の『トルネードウインド』......いや、そんなわけない!あそこまでの威力が出るはずが......」
頭をかきむしりながらもぶつぶつつぶやき続けるグズデス先生。
「あの威力は、中級......いや、上級魔法に匹敵するぞ......有り得ない...有り得ないぞ!」
気がおかしくなったかのように、頭の毛をむしる。
「おかしい...おかしいぞ!ワタクシでも、使えない...あれほどの魔法の使い手など............認めん、断じて認めんぞ!」
グズデス先生の魔法の腕は、確かである。
しかし、既存の魔法を型通りに精密に使えるだけである。
実は、『使えるが、危険だから使わない』と言っている上級魔法も使うことが出来ない。
そもそも、上級魔法は限られた一部の者しか使えないので、使えないことに不思議はない。
ただ、嘘をついていることが問題だった。
しかしそれでも、その嘘はバレることなくここまで来ており、幸運なことにグズデス先生以上の魔法の使い手が、魔法を披露することがなかった。
だが、それも今日、フーヤのせいで、魔法の格の違いを見せつけられた。
そのことで、グズデス先生の心は荒れに荒れていた。
「ワタクシよりも...すごい魔法を使うだと......認めん、認めんぞ!」
さらに、グズデス先生は自尊心が異常なまでに強く、フーヤを認めようとしなかった。
裏庭から、去るときに生徒たちがつぶやいていた、「グズデス先生ってあれほどの威力の魔法使えないんじゃ...」といった言葉もそれに拍車をかけていた。
「認めん、認めん、認めん、認めん...」
壊れたように、つぶやき続けながら、グズデス先生は机の隠し棚からあるものを取り出す。
それを見るとグズデス先生は口元を歪めて笑う。
グズデス先生が、取り出したものそれは......
◆ ◆ ◆
ロイド先輩とグズデス先生も物語に絡んできそうな予感...
次回投稿は、約5分後です!(←速っ!)
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