始まり
ここはどこだ。
僕は確か学校からの帰り道でいきなり何者かに気絶させられて、
それから・・・?
周りが真っ暗で何も見えない。そう思ってるといきなり明かりがついた。大きな広い部屋で目の前には3つの扉があった。
どうやら僕以外にも人がいたようだ。
格闘ゲームに出てきそうな筋肉が盛り上がっているイケメンのおじさん。
キャバ嬢っぽいお姉さん。
文学少女っぽい眼鏡をかけた女子高生。
見渡していると、部屋に取り付けてあるスピーカーから冷たく機会質な声が聞こえた。
『今からあなたたちには脱出ゲームをしてもらいます。協力しながら脱出して下さいね。制限時間は30分。30分経つとあなたたちがいる屋敷は爆発します。脱出ゲームといっても簡単です。あなたがたがいる部屋には3つの鍵が隠してあります。それを使ってドアを開けて外に出るだけです。ただし鍵が3つなので一人は出れませんけどね。』
簡単すぎやん?えっ何これ?脱出ゲームとはいったい???
『もちろん1つの扉から二人は出れません。一人が出るとその扉からは人の身体を簡単に焼ききるビームがでます。』
えっ?ビーム?
『何か質問はありますか?質問がなければ始めます』
ビームのことめっちゃ聞きてぇ。しかしその質問をすると、琴線にふれて殺されるかもしれない。なにで激怒するかわからないからな。こういう奴って。
スッ・・・
あっ!イケメンおじさんが、声も出さずに手を挙げた。
「トイレはどこですか?」
『ありません』
「漏らしそうです」
『30分だけ我慢して下さい』
「いいや、我慢できないです。ここではじめます」
『なにを!?やめてくださいよ』
やりやがる!犯人を動揺させている。アホなふりをしながら、時間を稼いでいる。ここは僕も便乗するぜ!
「僕もここで始めていいですか?いいですね」
『やめてください。よくないです』
「まぁまぁ固いこと言わず、僕の尻穴は固くないですけどね~」
『さいってい!うまくないんですよ!』
ふふっ、少しは時間が稼げたぜ。
「うちからも質問なんだけどいい?」
『はい、なんでしょう?』
「うちの彼氏浮気してるかな?」
『知りませんよ、そんなの』
「そんな冷たく言わなくていいじゃん、私はただ彼が心配で心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配心配・・・」
『恐いよ!なんなの!?』
やるなキャバ姉さん。
「僕からもいいでしょうか?」
『はい、なんでしょう?』
「同じクラスの朱美ちゃんは、僕のことすきかな?」
『私が知るはずないでしょ!』
「けど心配なんですよ、最近朱美ちゃんはストーカーに付きまとわれているみたいで、僕許せなくて、四六時中彼女を見守ってたんですが、犯人が見つかりませんでした」
『犯人あなたじゃないの?』
「嘘だっ!!!」
『なにが!?』
僕はまだこのとき知らなかった。この物語があのような結末を迎えるとは。