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社畜だった我(オレ)が異世界に飛ばされてお約束のチート生活を満喫していたが夢オチだった件

作者: モキュざらし

決算時期の激務で頭をやられていたのです。

気が付いたらワードに書き殴っておりました。

「・・・・ここ、は?」

目が覚めると(オレ)は電車の駅構内のベンチに横になっていた。確か終電ギリギリの電車になんとか間に合ってそれから・・・駄目だ思い出せない。

(オレ)の名はモキュざらし。経理担当。家族構成は・・っっっ!!」

自分の名前や職業は思い出せた。しかしそれ以上思い出そうとすると二日酔いのときと同様の頭痛が(オレ)を襲った。

とにかく現状確認だ。どこかの駅のようだが駅名が読めない。

「そうだ。スマホで調べればって、マジか。繋がらない。」

今のご時勢、電波の届かない駅があるなんて驚きだ。

駅員に聞きたくても不幸なことに無人駅らしく誰もいない。というかもう8時過ぎなのに他の利用客がいない。

「下手に動かずこのまま電車を待っているのが賢明だな・・。」

なぜかここは終着駅ではないらしく、どちらの方向に行けばいいかわからないが。

「あ。そうだ」

自分の置かれた状況を理解するのに精一杯で肝心なことを忘れていた。

電車を待ってこのまま会社へ出勤するはまぁいい。←社畜 

だがこのまま待つのはいけない。冷静さを取り戻した(オレ)はSuicaをタッチして改札口を出た。


(オレ)の行動の意味が理解できない?理由は簡単だ。


このまま戻りの電車に乗ってしまうのはルール違反なのだ。勘違いしている人も居るかもしれないが、本来A-D駅の切符を購入したとき、(オレ)が行けるのはあくまでもA-D駅まで。

もしここでF駅まで行ってしまい、そのまま反対の電車に乗ってD駅に戻る場合、F-D駅の運賃は改めて支払わなくてはいけないのだ。

(オレ)のように居眠りをして乗り過ごしてしまったような場合なら多めにみてくれることもあるが、(オレ)は腐っても経理を担当する人間!お金の管理には公私共に誰よりも厳格でなければならないのだ!

何でもかんでも経費で落とそうとするな!!の理念の下、自らもその例外なく厳しく律しているのがリアル世界の(オレ)だ。

改札を出た(オレ)は、そのまま向き返り改札口へ再びSuikaをタッチする。


「ピーピーピー」


しまった!!!!残高不足だッッ!!

危ないところだった。これが都会の駅だったら死んで詫びるレベルの大惨事になるところだった。

気を取り直して、切符販売機でSuicaをチャージしようとしたところで、更なる問題が発生した。


「お金がない。」


財布はある。カードもある。その他諸々も問題なくあるが、現金だけが無い・・・。うそだろ・・・確か記憶では昨日1万円を下ろしたばかりのはずだ。

財布と鞄の中を探ってみたが見慣れないかじりかけのリンゴの絵の描いてあるカードが1枚入っているくらいで現金は見当たらない・・・。不覚!財務たる(オレ)がお金を盗まれるなんて・・・

これが会社の金だったら左肩ポンポンどころかデンプシーロール改をかまされても文句は言えないだろう。

さて。現金もない。ATMもない。電話もない。誰もいない。記憶も曖昧模糊。


曖昧模糊ってニュアンスかわいいよね。


気づいたらそれなりに万事休すな状況に陥っていた。


「仕方がない・・・誰か来るのを待つしかない・・・・か」


・・・・いや!待ってどうする。駅員ならなんとかなるかもしれないが、一般人に対してなんて言う?

「文無しなんです。あとで必ず返すんで電車賃くだちぃ」

ちぃってなんだ!ちょびっツの見過ぎだ!いやそもそもあの洗脳系OPがいけないんだっ!

あれでどれだけの健全な男児がダークサイドに落ちることになったことかっ!・・落ち着こう。まだ頭が覚醒しきっていないようだ。

・・・問題はそこじゃない。

そもそも赤の他人にいきなり話しかけるなんて度胸が(オレ)にはないのだ。信じられない?いやいやネット世界では饒舌、現実世界では大人しい。なんてよくある話だろう?(オレ)もその例に違わない。

ネトゲのギルド内でリーダー兼ムードメーカーな(オレ)も一度リアルでオフ会なんて開かれようものなら、どうだ?おそらく皆我(オレ)がモキュざらしであるとは夢にも思わないと断言出来る。リアルの(オレ)超真面目&寡黙だからね。

そんな現実逃避な願望を抱いているところだった。

「彼女」に声を掛けられたのは。


「もし?そこのあなた。」


・・・・・・キッ!キターーーーー!!マジか!?遂に(オレ)にもラノベ的展開がぁぁ!

だって「もし?」だよ??今時の「もし?」なんていう教養のある発言できる女性なんてそうそういないだろう!

高貴なお嬢様かご高齢のマダムくらいのものだ!!見知らぬ土地で出会う男女艦コレ!

失礼かみまみた。ktkr!興奮を抑えつつ体内の奥底に眠る紳士成分のすべてを搾り出して軽やかに振り返ると、


70歳位の腰の曲がったマダムがそこに立っていた。


ご高齢のマダムの方でした。

え?声で分かるだろ流石にって?

日高のり子さんに謝れ!!美声はなぁ決して衰えないんだブヒ!


うん。まぁ確かに今の若い女性で「もし?」なんていないわな。

ラノベ主人公になりたい欲求のせいで正常な判断ができなかったらしい。

これで確定した。ここは現実世界。異世界ではないのだ。


因みにあともう一人。これもまた70歳位のおとなしそうな紳士が隣にいた。夫婦かな?

「何かお困りのようでしたので、お節介とは声をかけてしまいました。」

あぁ。あと50年早くお会いしたかったですマダム。


「私は、田村梅といいます。この人は田村龍一、私の主人です。この村ではお見かけしない方ですがお名前を聞いてもいいかしら?」


「あ。はい、モキュざらしといいます。」

「・・・・・・はい?モキュざらしさん、ですか?」

「? はい。モキュざらしです。」

「そ、そうですか。特徴的なお名前ですね。因みに苗字は?」


「・・・・えっ?」

「・・・・えっ?」

「・・・・・・・ラストネーム?」

いえ、「苗字」の意味は知ってますよマダム。


衝撃の事実!ここにきて初めて自分がハンドルネームしか思い出せないことが判明した!


因みに私は仮想世界では必ず「モキュざらし」で統一してるから見かけたら声かけてね♪



閑話休題(意味はよく知らない。)



というか一人称も(オレ)じゃないよね??普通にボクだった気がするんだ!


「すいません。。どうやら都合のいい記憶喪失のようで、仮想世界の名前しか思い出せないようです」

「仮想・・・・世界???」

「・・・はっ!!Σ(゜Д゜)」

「ど!どうしたんですかおじいさん!?」


「異世界人じゃ・・・彼は異世界人じゃ!!この前帰省していた孫のケンちゃんが読書感想文用に読んどった本に書いとった異世界人じゃ!!その手に握ってあるポテチ入りのビニール袋が何よりの証拠じゃ!!」

「ほ・・本当だわ!それは紛れも無くポテチ、、それもコンソメ味ッ!ケンちゃんが読書感想文用に読んでたラノベの主人公も確かに持っていたわ!」

ケンちゃん待って。そのラノベで読書感想文は無謀だっ!だからあれほどR指定しろとっ!


「というか、本当だ・・・今まで持ってる描写が書かれてなかったから気づかなかった・・・」

確かに最初から僕はこのポテチ入りビニール袋を持っていた。

この都合のいい記憶喪失状態、謎のポテチ入りビニール袋。・・・へし折られていたラノベ主人公フラグがムクムクと勃ち上がってくるのを感じた。

「異世界の人モキュざらし様。本当にお困りのようですし、もしよければ私たちの家に来ませんか?」

そしてこの無理矢理な異世界人押し。ここまでの状況が揃っているなら僕が取るべき行動は唯1つだ。


この記憶喪失が治るまで、今後この身に起こるすべての事象を「ラノベ脳」で処理する!!

現実世界ではまず許されない愚行!だがしかし!記憶喪失状態なら仕方がない!

僕はマダムのご厚意に甘えることにした。いざご夫婦の愛の巣へ!!


閑話休題(中略って意味だっけ?)


「ここがわし等の愛の巣じゃ」

まさか脳内で言った冗談をそのままリピートされるとは思わなかった。邪魔?もしかして僕邪魔者ですかおじいさん!?

「どうぞどうぞ。遠慮せず入ってくださいね」

案内された家は、そうだな。一言で言えば「サザエさんの家」である。

広い家だ。そういえば他に住人とかいるのかな?

中に案内されると、そうだな。一言で言えば「サザエさんの家で皆がご飯食べている部屋」に案内された。

え?サザエさんの家言い過ぎ?いやだって人物や家の間取りを文章で表現って結構難しいのよ?

小説家さんまじリスペクト。

そんな小説家さんへの尊敬の念を改めて感じていると、玄関から引き戸を強く叩く音がした。


「おい!!いるんだろ田村のぉ!!」

「お、おじいさんっ今日は・・・・」

「あぁしまった・・・今日はあの日か・・」

そう言うとおじいさんは、玄関へと向かった。


「なんだよやっぱりいるじゃねぇか田村のぉ!今日が何の日か分かってるんだろうなぁ?」

「は・・・はいサムさん。勿論ですだぁ・・・・でもまだ・・・」


「んだよっ!まだできてねぇのかよ!!知っての通りボスは時間には厳しいお方だ。後の処理は俺がやる。勿論その分の追加料金もきっちり払ってもらうぜ」


「い、いつもお手間を取らせてしまって申し訳ねぇですだぁ」

そういうと明らかに日本人丸出しな容姿のサムさんは、おじいちゃんと一緒に、そうだな。一言で言うとカツオとワカメの部屋に入っていった。


「おじいさん・・・」

心配そうにおじいさんを見つめる梅さん。

そわそわする僕。

え?なんでソワソワしてるのかって?

そりゃするだろ!僕のラノベ脳は、こう叫んでいる。



「(攻略女子マダーーーーーーーー!!!???)」



そうなんだよ攻略女子!なんで出てこないのっ!


記憶喪失!新しい環境での生活!そこに定められたように現れるのがそう!かませ役だ!

そしてそのかませ役が出てくる前には必ず攻略女子との出会いは必須!!

そのかませ役を攻略女子の前で、気怠さを装いながらチート級の力を用いてなぎ倒すのがセオリーってもんだろ!

攻略女子どこ!いまここ梅さんしかいないんだけど!!

・・・・え?もしかして・・・・いや!それは流石にないだろ!

龍一さんに合わせる顔がなくなるじゃないかっ!それも違うか落ち着け僕・・・。


「おら!早くしねぇあ!モタモタすんな!」

「へ・・へぃもう少しお待ちを・・・」

僕が攻略女子の登場を待っているうちにおじいちゃんがどんどん追い詰められていく。

・・・・この確認は何度目になるだろうか。やはりここは異世界ではないようだ。

どんなに待っても攻略女子は現れない。現実を見よう。今目の前に困っているおじいちゃんがいる。

親切にしてもらったのだ。助けるのが道理だろう。

・・・・あれ?でもどうやって?僕は紛れもなく非戦闘員。腕立て伏せもままならないモヤシ男だ。

高校時代は卓球部だったが、その技術が戦闘に役立つとは到底思えない。

考えろ!戦闘スキルのないラノベ主人公が俺TUEEEEEをしたいならどうすればいい!


<スマホを駆使する!>

いや!電波が届かないスマホなんてただの電卓兼メモ帳だ!

<食事を提供する!>

いや!カレー→シチュー→ビーフシチュー→ハヤシライス→→ビーフストロガノフ→肉じゃがで一人暮らしを乗り切った僕に果たしてサムを満足させる食事を提供できるのかは怪しい!

<死に戻る!>

普通に死んで終わるな多分おそらく絶対!


なにか!何かないのか!こんな僕でもできる俺TUEEEEがっ!

だめだ思いつかないっ。・・・・仕方ない取りあえず二人が何をしているのかを把握してから考えてみよう。

そうして僕は二人の後ろからこっそりと何をしているのかを伺った。


・・・・・え?

これって、、、、おぃおぃマジか。・・・・なるほどな!分かったぜ創造神!


確かにこれが僕の思う通りの状況なら、僕、いや俺でもできる俺TUEEEEだ!!!

俺のラノベ脳が再び、それも最大出力で回転を始めた。


さぁ見せてやろうじゃねぇか!俺の俺によるリアル俺TULEEEEEをな!!!!!



~モキュざらし攻略女子そわそわ待機中~


「おら!早くデータ開きな!」

「へ、へい。・・これです。」

「どれどれ・・・っておいっ!爺さん何度言ったら分かるんだコラ!」

「何かミスが!?出荷する度に商品の種類と個数を入力するだけの、量は多いが簡単な仕事だってサムさん言っていたじゃないですかっ」

「あぁ言ったさ。そして個数入力は問題ねぇよ」

「じゃあ何が・・・」

「商品毎にシート分けて個数入力しろってんだよ!おら見てみろ!リンゴとみかんの個数が同じシートのしかも最悪なことに同じ列に入力されてるじゃねぇか!これじゃリンゴとみかんそれぞれの個数を術式一発で合計できねぇだろうが!!」

「はっ!しまったΣ(゜ω゜)」

「しまったΣ(゜ω゜)じゃねぇよ!何回目だよ!ったく!また商品毎に分ける地味なドラッグ作業からかよ・・・追加料金5,000円コースだわこれは。」

「そっそんな!」



これって、、、、おぃおぃマジか。・・・・なるほどな!分かったぜ創造神!

確かにこれが僕の思う通りの状況なら、僕、いや俺でもできる俺TUEEEEだ!!!

ここから先はラノベ脳全開で行かせてもらおう!


「ちょっと失礼。」

「な、なんだお前!関係ないやつはすっこんでろ!」

「モキュざらしお前・・」

「まぁまぁ。お前もドラッグ地獄なんて嫌だろ?・・・・・ほらできたぞ。」


「はぁ?適当言ってんじゃねぇぞ若造!この100行以上からリンゴの行だけを抜き出すだけでも半日は」

「で・・・できとる。」


「はぁあ!?どけ!見せろ!・・・で、、できてるっ!そんな馬鹿な!しかもリンゴ行の抜き出しができてないのになんでリンゴ行だけを合計できてるんだよ!そうだ!術式は・・・SUMIF?」


「SUMIF。これは特定の条件値だけを合計することができる算・・術式なのさ。」

「SUMIF・・・・こんな術式見たことがねぇっ!オレの完全な上位互換じゃねぇか!おっ・・・俺の存在価値がっ・・・」


「サム。いやSUM。そう悲観するな。俺の世界ではお前の知名度かなりのもんなんだぜ?人気者と言って過言ではないんだ!」

「サムイフ・・・」

「いや、俺はサムイフって名前ではないから。」

「嘘だろ!?この世界では原則一人に一つだけ術式をその身に宿しその名を冠するのが理だ!付け加えるならその術式は親から代々継承されるもの!天翔龍閃のような感じでっ!」

「その感じだと親あやめなきゃ継承できないんだけど!?」

「こうしちゃいられない!ボスに連絡しねぇと!!」


「その必要はねぇよサム。」

「ボ、ボス!」


「爺さんのことだ。またリンゴとみかんの個数を同じ列に入力してんじゃないかと思ってな。で?この状況は何だサム。8文字で説明しろ。」


「かくかくしかじか」


「ほぉ。ヒエログラムに記録のない術式の使い手か。しかも金になりそうな術式ときた。・・・おいサムイフって言ったか?俺の下に来い。なに悪いようにはしねぇ。」


「断る。いま梅さんに聞いたぞ。お前らこの程度の術式使用1回に付き3,000円も取ってるそうだな!」

「別におかしいこともなかろう?アプリの登録・初期設定ですら金を取る時代だ。」

「俺は今、Lineの初期登録に大手が堂々と5,000円取っていたのを見たときと同じ憤りを感じている!情弱ならボッタくられても仕方がないとでも言うつもりか!ふざけるな!俺なら1,000円でやってやる!!」

「はっ!威勢のいい小僧よ。会社に雇われている人間の人件費というものを理解していないようだな。」

「やめろぅ!人件費とか言うな!そのワードは俺にくる><」


「快諾しないのなら力づくでモノにするまでよ。おいサム。そのPCを寄越せ」

「ま、まさかボス!アレを展開するつもりですか!?」

「騒ぐな。アレに膨大な集中力が必要なのは知っているだろう?」


「というか、ボス?BOSS?・・・なんて術式なんてあったかな?」

「この命知らずめ!「ボス」は敬称だ。冠する真名があまりに偉大だから普段はカモフラージュしているんだよ!」


な~る~


「脳内構築完了。術式を展開する。見るがいい・・・これがデュアルスペルだ!=INDEX(品名!$F$2:$F$43,MATCH(金額!G68,品名!$A$2:$A$43,0))」

「こ、これはっ!?」

「驚いたか!ボスは全人類で10人しか確認されていない二重術式の使い手なんだ!」

「サムイフ。お前がどんなに優秀な術式使いでもこのインデックス=マッチには敵うまい。・・どうした?何か言ったらどうだ?」


「期待した俺がアホだったようだ。」

「・・・・・何?」

「どんな複雑な術式かと思えば、よりにもよって古き時代の骨董品じゃないか」

「なっ!この野郎!デュアルスペル使いのボスに向かってなんて暴言を・・」

「時代遅れの術式にはご退場願おう。喰らいな!VLOOKUP(金額!G68,品名!A:F,6,FALSE)」


「・・・・へ???VLOOKUP・・・だと?」

「な・・・なんだその術式は!」

「私が30年の歳月を経て習得した複合術式が織り上げた計算をたった一つの術式で!!」

「これで術式3つめ!?サムイフお前まさか世界に2人しかいないはずのトリプルスペル使いなのかっ!!」

「いい加減気づけよサム。俺はお前たちとは住んでる世界が違うんだよ!爺さんPCを借りるぜ!」

「あぁ。好きに使えモキュざらし」


「エクセルは表計算ソフトだ。最小限の入力で最大効率の結果を出すことが本懐であることを教えてやる。」

「=IFERROR(VLOOKUP(LARGE($O$5:$O$35,ROW(AAE1)),$O$5:$AK$35,22,FALSE),0)」

「AGGREGATE、ISTEXT、ROUND、OFFSET、RANK、COUNTIFS・・・」

「なっ・・・なんだ・・これは何の冗談だ!唯でさえ一人に一つ、最高位術式保有者でも三つが限界!なのにこいつは既に20個以上もっ!ホントにこれら全てが術式だというのかっ!」


「ゲート・オブ・バビロンじゃ」


「じじい今なんて言った!?」

「この世全ての術式の原典をその宝物庫に所有していると言われた人類史最古の英雄王。その王が展開する必殺技の名じゃ。」

「人類最古!?こいつは現代に生きる人間だろうがっ!」

「間違いない・・・この前帰省していたケンちゃんが読書感想文で読んどった2作品目のラノベに載っていた王と相違ない!!」

誰か龍之介の人間オブジェの下りになる前にその本取り上げて!!!

「化け物じゃねぇか!たった一人でこれほどまでの術式を記憶できるなんて!しかも展開までのタイムラグが殆どねぇ!脳内構築と展開がほぼ同時じゃねぇか!人間業じゃねぇ!チートだ!!」


「サムの言う通り・・・チートだ。こんな絶技・・・もし本当に人一人で習得してるなら、こいつ一人で世界を統べることだって可能だ!」

「も、、モキュさん(///ω///)」

「ば!ばあさん!?Σ(゜Д゜)」


じ~~~つ~~~に~~~~~気分がいい!ここまで持てはやされたのはいつ以来か!


同僚からは、「お前の記憶算式の多さには素直に引くけどよ。・・・マクロでよくね?」と何気に二重に罵られていたが!

まぁね?マクロは便利だよ?でもマクロじゃなきゃできなそうなことを算式で出来たときって結構快感なんだぜ?

まぁいい!この世界の住人にマクロなんて披露したらそれこそ神扱いだ。


まだ早い。当分は算式だけでチート扱いされて、1算式1,000円で事業展開し、ゆくゆくは「神の啓示がおりました。」とかいってマクロ披露すれば、それで人間国宝登録完了。まで見えた!


「あ。因みにトリプルスペルの奴って名前何て言うの?」

算式3つだけなんて敵にもならないが一応ね?

「1人はフランス王室が囲ってるから名前は出てねぇ。1人はアメリカにいる。名は、イフ=スモール=ラージ」


おそるる~~~~にたら~~~ず!

悪くない組み合わせだがね!フランスにいるやつが気になるがまぁ同レベルだろう!遂に来た俺の時代!算式無双してればそのうち攻略女子だって向こうから寄って来る!


ここから始まるんだ!算式という名のチートを使った俺の異世界生活が!!!




「はぅあばぅ!!!!Σ(゜Д゜)」



「・・・・・夢かぁぁぁぁあ(。≧Д≦。)」



どうやら残業中に眠ってしまったようだ。異世界に現実逃避したい欲求とキーボードを枕にしたせいであんな夢を・・・

まぁそうだよな。算式どんなに覚えてたってマクロ使いこなせる人間の方がカッコいいよね・・・。でも夢だったとはいえ、あんなに尊敬の念を向けられたのは久しぶりだったな。

既に曖昧になりつつある夢の記憶の中で僕は一つの真理を手繰り寄せた。


≪人は誰だって必ず誰かの役に立てる≫


誰にでも習得できる能力に価値はない?唯一無二のスキルを習得している者だけが人生の勝ち組?

違うね。どんな人並みの能力でも、それで人の役に立てたなら誇るべきだ。その人の役に立って助けたのは紛れもなく僕であり君なのだから。

素っ頓狂な夢だった。あの夢の中の世界は確かにこことは違う。異世界といっていい。そして僕にとっては、大切なことを教えてくれた否定しようのない「いい世界」だった。


「異世界」→「い世界」→「いい世界」でチート生活!


なんちゃってお粗末♪(゜ω^*)ノ⌒☆



決算時期の激務で頭をやられていたのです。

色々勘弁してやってください。

少しでも楽しんで貰えたら至上の喜びでございます。

読んでいただき、ありがとうございました。

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