各大ジャンルにおける短編小説や連載小説の状態
今回は何を見るのかといいますと、大ジャンルやジャンルごとの中における、短編小説や連載小説のそれぞれの値です。今まで各データを見てきて、短編小説がたくさんありそうだったり、連載小説が中心そうだったりするような気がしたこともありましたけど、実際のところはどうなのかを調べてみるわけです。
尚、連載小説については更に完結、連載中、更新停止の3つに分類しています。皆さんも見かけたことがあるかと思いますが、何ヶ月も更新されていない小説もたくさんありますので、現在進行形で連載されている小説とは区別することにしました。
ただですね、更新停止しているかどうかの判断は、取得データ中にある項目「長期連載中」のフラグが立っていたときとしています。どうしてこんなことをわざわざ説明しているのかといいますと、ちょっと自信がないからです。『小説化になろう』の運営側では、どうも約60日以上更新されていなければ更新停止扱いになるようですが、この長期連載中フラグがそうなのかははっきりとわからないです。ただ、項目の英語名は「isstop」なんですよね。ここにちゃんとストップって読める文字があるので、私はこっちを信じることにしました。もし間違ってたらごめんなさい。
ということで、まずは約45万件全体の大ジャンルから見ていきます。
表が細かいのは申し訳ないです。1つの画像にまとめているからです。どうしてそんなことをしたのかと言いますと、画像を表示するためにはみてみんへ画像をアップロードしないといけないのですが、画像の数が多すぎて心が折れてしまったからです。それで画像数を減らすためにこんな措置をとったのですが、それも今回の画像を全部アップロードするのはつらかったです……
それはともかく、表の中を見てみましょう。表は縦軸が小説数、総合得点、ブックマーク数、評価数、評価者数となってます。これらの項目は横軸の短編小説、連載小説(完結、連載中・更新停止)にそれぞれ分類されて集計されています。上の表は小説数や点数などの実数を扱っており、下の表は行ごとに計算しています。例えば、小説数の行の短編小説・完結小説・連載小説(連載中・更新停止)の4項目を加算すると100%になるということです。そんな感じで各行項目の割合を算出しています。
まずは全体という表を見てみますと、小説の数は短編と連載で半々くらいですね。それは結構なんですが、他の項目に目を移していくといいことばかりではないようです。小説の数では、更新停止の小説が3分の1以上と非常にたくさんあります。これは読者としてとても悲しい。
一方、総合得点以下の縦項目を見ますと、短編小説は非常に切ないことになっています。投稿された小説は全体の半分も占めるのに、総合得点は全体の1割もありません。ブックマーク数に至っては4%ちょっとじゃないですか! これはつらい。更に悲しいことに、一番総合得点を得ているのが連載中の小説なのはいいとして、その次が更新停止の小説というのはどういうことなんでしょうか。作家としても読者としてもたまらない結果です。是非私にそのポイントやブックマークをわけてほしいですね。そんなにほしいならポイントをもらえるような小説を書けという返事が大量にやって来そうですが。
以下は、各大ジャンルで特徴的なところをさらっと見ていきます。
短編小説の数が多いのは文芸の約半分とその他の4分の3ですが、そんなところでさえも総合得点は低いです。理由は明らかで、ブックマーク数があまりにも少ないからです。その他の大ジャンルなどは評価点と評価者数は充分ですのに、総合得点が小説数の割合に届かないのはそのせいですよね。システム上やむを得ないとはいえ、これは寂しい結果です。
他は、連載小説の完結と連載中の小説は、どれも小説数の割合よりも総合得点以下4項目の割合の方が大体高いです。これは更新停止の小説への評価が低いだけでなく、短編小説が割を食っているからというのもありますから、多少複雑な思いをしてしまいます。
こんなところでしょうか。『小説家になろう』全体についてのお話ですので、どうしても過去の小説も含めた分析となりますから、去年の傾向と似てしまうところは出てきてしまいます。見方を変えると、さすがに10年以上かけて培ってきた歴史は1年くらいで簡単には変えられないということなのかもしれません。
では次に見ていただくのは、ジャンル再編があった2016年5月24日以後に初投稿された小説に関する表です。
ジャンル再編後に初投稿された小説の全体では、短編小説の数が4割程度となっています。やや連載小説の方が多く投稿されていますね。更新停止の小説が全体の4分の1となっていますが、9ヵ月間という期間を考えますと多いような気がします。原因は小説の投稿数が多いファンタジーのせいですね。
しかし総合得点以下を見ますと、少し様相が変わってきます。短編小説のところは相変わらず残念なことになっていますが、連載小説に目を向けますと、ポイントの多くが連載中の小説に集中しています。更新停止の小説にはほとんど付いていないですね。完結してから小説を読む方もいますから、最近は更新が止まっている小説を避ける傾向にあるのでしょう。
以下は、各大ジャンルで特徴的なところをさらっと見ていきます。
ファンタジーやSFなんかですと相変わらず短編小説は冷遇されているようですが、その他だけは、約45万件全体のときに比べて劇的に状況が改善しています。ブックマーク数が相変わらず伸び悩んでいるようですけど、総合得点と小説数の割合がほぼ同じになっています。
それと総合得点以下の項目については、全体的にどのジャンルも連載中の小説へと集中しています。ファンタジーやSFなんかは特にその傾向が強いですよね。これは期間が9ヵ月と短いために、どうしても連載中の小説の数が増えてしまうことが原因なのではと考えています。
では次に、異世界転生と異世界転移の小説について見ていきます。ここは一体どのようになっているのでしょうか。
最初に見て驚いたのは、全体の表で更新停止の小説が42%もあることです。かなり多いですよね。これって、連載中の小説が途中で更新が止まってしまいやすいということでもあります。連載中の小説が32%あるわけですが、読んでいるときは完結してくれるかどうか心配しながら小説を読むことになります。
総合得点以下の項目は、連載中の小説が半分近くの割合を占めており、完結小説と更新停止の小説で仲良く4分の1ずつを占めています。短編小説の状態が悲惨ですが、投稿小説の大半がファンタジーなのでこのような結果になっているのだと思われます。
以下は、各大ジャンルで特徴的なところをさらっと見ていきます。
と書き出してみたのはいいものの、実を言うとあんまり言うことがなかったりします。恋愛、文芸、その他の短編小説が少し頑張っているのが見受けられますが、基本的には全体の表と似た感じなんですよね。意見としてはそのくらいです。
では次ですが、今度は異世界転生と異世界転移のキーワードチェックがされていて、尚かつ2016年5月24日以後に初投稿された小説に焦点を当てます。
全体の表を見てみますと、連載中の小説と更新停止の小説で小説数を約4割ずつ占めていて大変なことになっていると思いきや、総合得点以下の項目は明暗がはっきりと分かれています。更新停止への評価は1割強しかありません。いくら異世界転生と異世界転移といえども、ジャンル再編後は更新が止まってしまった小説には評価が厳しくなるようです。私個人としましても、この傾向は非常に好ましいです。
各大ジャンルで特徴的なところをさらっと見ていきます。
大体どこも全体の表と似たような感じになっているのですが、その他だけ少し異なります。短編小説の割合が他の大ジャンルよりもずっと多い上に、付けられているポイントの割合も高いのです。評価点と評価者数を見ますと、大ジャンル内で実に半数以上を占めているのがこのような結果につながったのでしょう。
以上、大ジャンルにおける短編小説や連載小説の状態を見てもらいました。全体的に短編小説は評価されにくい傾向がありますね。また、ジャンル再編後も更新停止の小説はありますが、以前よりも評価されなくなっているみたいです。これは、読者が連載途中で話が停止するのを避ける傾向が強くなっているからと思われます。それと、異世界転生と異世界転移では、更新停止の小説数の割合が増える傾向にあるようです。
大ジャンルはこんなところです。次のジャンルは、一旦話を区切って次回にお話したいと思います。