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『小説家になろう』全体はどうなっているのか?

 これから私が色々と分析した結果を発表していくわけですが、最初にお見せするのは『小説家になろう』全体の話ですね。前回から約1年が経過した現在、この小説投稿サイトがどのように変化しているのか、このページを見ている読者さんですと気になっているかと思います。

 まずは大まかなところから見ていくことにしましょう。



挿絵(By みてみん)


 ということで、『小説家になろう』全体における小説の状態を円グラフにしてみました。青い部分が読者にポイントを付けてもらえていない小説の割合、赤い部分が読者にポイントを付けてもらえている小説の割合です。

 去年発表したときは、0ポイント小説が約45%でしたが、今回は約43%とわずかに減っています。円グラフの形自体にほとんど変化はないですけど、0ポイント小説は減ったことがわかります。作者からすると良い傾向と言えるでしょう。


 では次に見ていただくのは、ジャンル再編があった2016年5月24日以後に初投稿された小説に関するグラフです。

 私は『小説家になろう』でジャンル再編が実施される前から気になっていたことがあります。それは、このジャンル再編がされることで、投稿小説と評価ポイントの付き方がどれだけ変わるのかということです。運営側も変化を期待して大規模な変更を実施したのですから、その変化がどれだけ数値として表れるのかを集計及び分析しようと思ったわけです。

 そのため、私は基準としてジャンル再編のあった日付を利用することにしたわけですが、ここでもうひとつ、ジャンル再編後に初投稿された小説に限っている理由を説明します。これは集計するときの問題なんですけれども、2016年5月24日以後に付けられた評価ポイントだけをきれいに取得する手段がないからです。これはブックマークなども同様で、APIで取得できるのはあくまでもその時点での最新値のみなんですよね。ですから特定の日付で区切ろうとする場合は、初投稿日を使うしかなかったんです。ちなみに、最終投稿日などの日付も取得できますが、あれは小説に更新がかかるたびに上書きされるので使えないです。

 前置きはこのくらいにして、ジャンル再編後に初投稿された小説がどうなっているのか見ていただきたいと思います。



挿絵(By みてみん)


 ぱっと見ると、先ほど見てもらった円グラフとほぼ変わらないですよね。数値が少し変わっているというくらいでしょうか。正確に計算しますと、1.4%だけ0ポイント小説が減っています。元からの傾向なのか、それともジャンル再編後に読者さんの態度が優しくなったのかはわかりませんが、作者としては嬉しい傾向ですよね。

 ちなみに、ジャンル再編後に初投稿された小説の数は約8万6千でした。去年にデータを取得したときは約38万件で今年が約45万件なので数が合わないですが、すみません、私も原因がわからないんです。一応調べてみてはみたものの、ちゃんと検索条件の通りにデータを取ってきているみたいなんです。う~ん、おっかしいですよねぇ。

 原因不明の齟齬がありますが、今回はこれからもそのまま話を続けたいと思います。また原因がわかったら修正したいです。


 では次に、異世界転生と異世界転移の小説について見ていきます。ジャンル再編後は登録必須キーワードとなった異世界転生と異世界転移ですが、全部で約2万9千くらいの小説があります。全体が約45万ですので意外と少ないように思えますが、ともかくこのキーワードチェックをしている小説のポイントの付き具合を見ていきます。



挿絵(By みてみん)


 私もこの円グラフを初めて見たときは驚きましたが、なんと0ポイント小説は20%程度くらいしかありません。読者の皆さんはかなり積極的にブックマークをしたり評価したりしているようですね。流行しているからという理由で読者さんは読んでいるだけじゃなくて、しっかりとポイントを付けてくれるということがこの円グラフからわかります。


 では次ですが、今度は異世界転生と異世界転移のキーワードチェックがされていて、尚かつ2016年5月24日以後に初投稿された小説に焦点を当てます。小説の数は全部で約1万7千くらいと数は随分少ないですが、この約9ヵ月でどのようになっているでしょうか。



挿絵(By みてみん)


 これは私にとっては意外な結果でした。と言いますのも、ジャンル再編後に限ると0ポイント小説が約10%ほど増えているからです。人気がある異世界転生と異世界転移ですから0ポイント小説は減るんじゃないかと思っていたんですけどね。

 それじゃ0ポイント小説が増えた原因は一体何なのかということですが、思い当たる節が1つだけありました。それは、ジャンル再編された日(2016年5月24日)からデータと取得した日(2017年3月1日)まで約9ヵ月しかないということです。それ以前から投稿されていた小説は、大げさに言うと10年以上の期間をかけて評価ポイントを付けてもらえましたが、ジャンル再編後に初投稿された小説は1年にも満たない期間しかありません。これでは0ポイント小説が多くても仕方ないでしょう。というより、この9ヵ月間で約7割の小説が評価ポイントを付けてもらえているというのが、すごいことだと思います。


 ということで、ざっくりと『小説家になろう』全体の状態を見てみました。

 全体では0ポイント小説の割合は1年前とほとんど変化ありませんでしたが、異世界転生と異世界転移のキーワードチェックがされた小説は評価ポイントを付けてもらいやすいようです。また、ジャンル再編後の異世界転生と異世界転移の小説は、0ポイント小説が多少多いようです。ただしこれは、飽きられてきたのか、それとも期間が短いからなのかはっきりとしていません。

 異世界転生と異世界転移はそれだけで大きな勢力を持っていそうですので、これを何とかジャンルから分離させようとした運営の判断は正しいのではないかと思います。




 0ポイントと1ポイント以上の小説の割合がわかったところで、今度は1ポイント以上の方に目を向けてみましょう。

 先の図表『小説の総合評価(0ポイント1ポイント以上)』ですと、1ポイント以上の小説は約45万件全体の約57%あります。この中には何らかの形で読者に評価してもらえている小説が入っているわけですが、これだけでは大雑把すぎてポイントが入っているということくらいしかわかりません。そのため、一定の範囲でポイント区切って階層を作り、その各ポイント層にどのくらいの小説があるのか集計してみました。

 それが下記の表『小説の総合評価(各ポイント層の割合)』です。これは『小説家になろう』の全体である約45万件の小説を、0ポイント層を先頭に全11階層に分けました|(総合計層は除く)。切りのいい数字で割り切れたり桁が増えたりするごとに階層分けしたのは、前回と基準を統一するためです。こういった集計ではできるだけ同じ基準を使う方が望ましいですからね。

 ちなみに、今度は円グラフではなくて表なのは、円グラフだと上位層のパイが細かくなりすぎて潰れてしまうからです。この表の読み方ですが、左端の列が各階層の名称で、中央が小説の件数、そして右端が全体(約45万件)に対する割合です。



挿絵(By みてみん)


 表を見ますと、1年前と同様に1~24ポイント層が厚いです。0ポイント層が約43%あるのは先にお話しましたが、1~24ポイント層も約36%もあります。0ポイント層と合わせると実に約79%にもなります。そして、100ポイント以上の小説は全体の9.72%となっています。1年前が8.93%だったことから、わずかですが以前よりも読者さんが小説を評価してくれるようになっているようです。

 100ポイント以上の階層を見てみましょう。ポイントの高い階層ほど順当に小説の数も割合も減っています。2500~4999ポイント層ではついに1%を切ってしまいます。そしてそのまま最後まで減っているのかと思いきや、最後の10000ポイント以上の階層ではわずかに増えているんですよね。この辺りは去年と同じようです。


 では次に見ていただくのは、ジャンル再編があった2016年5月24日以後に初投稿された小説に関する表です。



挿絵(By みてみん)


 ぱっと見たところ、約45万件全体のときと変わりありません。ポイントの高い階層ほど割合が少なくなっています。一見すると何でもないように見えますが、その自然なところが逆にすごいと私は思います。といいますのも、わずか9ヵ月間で読者に1000ポイント以上付けてもらえている小説がこれだけたくさんあるからです。私の小説なんて夢のまた夢ですよ……

 それはともかく、この表からはジャンル再編後も以前と同じように読者が小説を評価しているということがわかります。


 では次に、異世界転生と異世界転移の小説について見ていきます。先ほど円グラフを見てもらったときは0ポイント小説の少なさに驚いたかと思いますが、1ポイント以上はどうなっているでしょうか。



挿絵(By みてみん)


 どうです、皆さん? 1000ポイント以上の小説の割合がものすごいことになっていますよね。先ほど2つの表ですと1%未満の割合が当たり前でしたのに、当たり前のように2%や3%なんて叩き出しています。ちなみに、100ポイント以上付いている小説の割合は約32.7%もあります。嘘みたいに多いですよね。この表を見る限りでは、異世界転生と異世界転移というのはとても人気があることがわかります。

 確かに、私も異世界転生や異世界転移の小説を発表すると、読者から評価してもらいやすいと肌で感じますもんね。まぁ、あれは、後述するファンタジーというジャンルも影響しているのでしょうけど。

 ジャンル再編前は漠然としかわからなかったことですが、今回は異世界転生と異世界転移のキーワード設定が特別にあることから、このような事実が判明しました。作者が盛んに異世界転生と異世界転移を書いては投稿する理由がよくわかります。


 では次ですが、今度は異世界転生と異世界転移のキーワードチェックがされていて、尚かつ2016年5月24日以後に初投稿された小説に焦点を当てます。これは一体どうなっているでしょう。



挿絵(By みてみん)


 この表を見たときの第一印象は、随分と普通の形だなというものでした。約45万件全体の表と見た目が似ているんですよね。2500ポイント以上からの割合が1%未満になっているところなんかもです。ただ、100ポイント以上付いている小説の割合は約16%もあります。この辺りはさすがに異世界転生と異世界転移といったところですね。

 ジャンル再編後の約9ヵ月間に的を絞って異世界転生と異世界転移のチェックが付いた小説を集計しましたが、やっぱり結構皆さん評価されているんですね。小説の件数を見ますと10000ポイント以上の層の数なんて100に満たないですけど、母数も同様に少ないのでこういう結果になっています。




 『小説家になろう』に投稿されている小説はたくさんありますが、その約4割は0ポイントであることがわかりました。まだまだ0ポイントは当たり前とも言えるでしょう。

 そして、ポイントがついたとしても大半は24ポイント以下ですので、ポイントが低いのはみんな一緒とも言えます。

 しかし、異世界転生と異世界転移のチェックが入った小説は大盛況でした。約45万件全体のときですと100ポイント以上の小説は10%弱なのに、それが異世界転生と異世界転移だけになると約32.7%にもなります。単純に言ってしまうと、3倍以上もポイントを付けてもらいやすいということになります。

 ただ、そんな異世界転生と異世界転移の小説も、ジャンル再編後に初投稿された小説は100ポイントの割合が約16%程度です。期間が短いのでポイントが伸びていないのか、それとも異世界転生と異世界転移が飽きられてきたのかは、まだこれだけではわからないです。


 ということで、約45万件全体、ジャンル再編後、そして異世界転生と異世界転移のそれぞれを見てもらいました。私の意見や感想も一緒に書いていますけど、読者の皆さんはまた別の意見や感想を持たれているかもしれません。数値の読み方なんて見方が変わればがらりと変わりますから、それはそれでいいと思います。

 ともかく、これでとりあえず『小説家になろう』全体についてはわかっていただけたんじゃないかと思いますので、ここで一旦終わります。

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