02 妖精の描いた軌跡・掲示板での出会い
妹の名前は凪。
兄の名前はお話の中で。
「――――兄さん! 」
「リン兄さん! 大学行きますよ!! 」扉越しに妹の声がした。
何度も自分のことを呼んでいたのではないだろうか。ボリュームはそれなりに大きくなっていた。気づけば、時刻は11:30をちょっと過ぎている。
僕はSkypeを一度オフにした。それでも、意識は上方の2機から逸らさない。
「今、忙しいから先に行ってて」
「はあ!? 兄さんは何回留年する気なんですか」
「だ、大丈夫だって、今年こそは必修しっかりとるから。……それで、ノートをお願いしてもらってもいい? 」
「はあぁ」扉越しでさえ聞こえる、わざとらしいため息。「本当に、兄さんは頭が悪いですね。妹と同学年なんて恥ずかしくないんですか? ゼミも一緒ですし、立場が無いのは私なんですから」
「いやあ、本当にごめんね、凪」仮想HUDに意識を埋めながら、僕は上の空で返す。
「まあ、私の学費も生活費も兄さんに出してもらっているので、あまり強く言えないんですけどね。それでも早いとこ卒業した方がいいですよ」
「わかってる、わかってる」
「本当に分かっているんですか? お昼は学食で待ってますから、それまでに来てくださいね」
「はいはい、いってらっしゃい」
「では、いってきますね、兄さん」
階段を下る足音がぱたぱたと響く。
一度も顔を合わせることなく、妹は家を出た。
一度深呼吸。全神経を仮想HUDに巻き戻す。SkypeをON。
上方を飛ぶ2機になかなか距離が縮まらない。というより、むしろ離れていくばかりだ。エンジンの性能差があるらしい。だが、何故、逃げるのだろうか。理由は定かでないが、追えぬ敵を追ってもしかたがない。
『これ、きっと届かない。どうすればいい、アズハル』
『アーデルの援護を頼む、リン』
『了解、全速で向かう』
そう答えて、可変ピッチの角速度を調整。
旋回半径を最小に、機首を反転。
景色が混ざって、後方に流れて、消える。
『リン、早く来てくれ。これ、本当にAIかってくらいやばいぞ』
『距離は3000、ちょっとかかるかも、最悪逃げてね。アーデルのが一番性能がいいんだから』
『オーライ。オレはそっちに向かうから、バトンタッチを頼む。任せるぞ、エース』
『任された! 出来高報酬の非常人員だけどね。アーデルは抜けて行った10機をお願い』
『ラジャ! 相対距離1000。3秒後に、オレは機首を上げてループする』
レーダをチェック。目視で確認。
“シルフ”との角度差は0。
真正面からのヘッドトゥヘッド。
あと、4秒で相手は撃つ。
1,2,3。
ピッチアップ。
右にロール。
銃の軌跡を撫でるように、機体が横転。
かすめるように、機体がすれ違う。
相手の機体が一瞬で消える。
瞬間、黒いマークをボンネットに見た。球体に羽? シルフ、つまりは妖精ってことか。
くるりとシャープな旋回で、相手は機首を真っ直ぐにこちらへ向ける。
僕もそちらへ機首を向けた。
再度接近。
一秒撃った。
反転、離脱。
相手も撃った。
数メートルで再びすれ違う。
フル・フラップで急旋回。
相手も既に旋回に入っている。
速い。
本当に、AIか?
相手は左後方で立て直していた。
かなり機敏だ。相当な腕前。
判断がコンマ1秒早い。その一瞬が何よりも尊いのだ。
右手に力が入った。
すぐに、旋回に入れて、大きく回り込む。
こういう場合は正攻法でいくのが良い。
相手もそう考えたのか、ほぼ同じ半径で回り始める。
キャノピィがしっかりと見えた。向こうからもこちらが見えるだろう。
黒い球体に、一対の羽。
妖精のように、柔らかく軽やかな軌跡。パイロットの一つの理想形が体現されていた。
同半径の旋回。
我慢比べ。
しびれを切らした僕は、
エレベータを引いて、ループに入れる。
シルフは逆ループで僕の後ろに着いた。
僕は高さのアドバンテージを、奴は後方というアドバンテージを選んだ。
もう少し小さく回ってみる。
まだついてくる。
咄嗟に反転して、逆へターン。
続いて、エレベータをダウン。
再び、逆へエルロン。
ラダーを突っ張る。機載カメラで後方確認。
プレデターが少し離れた。
スロットル・ダウン。
フラップを下げる。
急激にブレーキがかかる。
エルロンを倒し、急反転。
エレベータをハーフ・アップ。
機体が軋んだ。
一瞬のスナップ・ロールで向きが変わる。
スロットル・アップ。
加速する。
シルフの後方へ。
自分の鼓動、自分の血流を意識して、
速く、速く、速く、と押し上げる。
判断よりも速く舵を切る。
考えるよりも速く振り下ろす。
見るよりも速く予想する。
速度は限界に近い。
ほぼ真下を向いている。
プレデターはターンに入った。
こちらもそれに続き、追い上げる。
シルフは旋回方向を変えた。
洗練された動きだ。
僕は、少し我慢してから、操縦桿を倒した。
一瞬だけフラップを使う。
機体が振動した。
エンジンは唸る。
やっとシルフに追いつく、と思ったら、上へ逃げられる。
インメルマン・ターンだ。
人間なら失神したに違いない。
右に旋回して、軌跡を確認。
もう一度最初から。
すれ違う。綺麗なダンスだ。
すぐにエルロンを逆へ倒し。スロットルを切る。
エレベータをフルアップ、そして戻す。
ストール寸前でラダーを右へ。
シルフはもうターンしている。速い。
嬉しくなった。
スロットルを押し上げる。
フラップを使って、姿勢を維持。
それを戻して加速する。
小さなターン。
反転。
ラダーを切って、機首をスライド。
R1ボタンに中指をかける。
射程。
撃つ。惜しい。
可変ピッチ修正。
舵を切らずに、機体を制御。
射程。
撃つ。
コンマ3秒。吸い込まれる弾道。
甲高い金属音。
主翼の右が吹っ飛んだ。
『ヒャッホウ!! 』思わず叫んだ。快哉を叫ぶとはこのこと。
黒い煙が尾を引いて、地面へと螺旋を描く。
『やったか!? 』アーデルも叫んだ。
『やめておけ、アーデル。それはたしか、日本ではフラグと言うんだ。マン サカタ サリマ』アズハルはそう窘めるも、抑揚のある気分の良い声音だった。
ちなみに、沈黙するものは安全である、という意味のアラビア諺だ。口は災いのもの、あるいは沈黙は金という諺に近いのだろうか。
勝利の余韻に浸るため、落ちていくシルフへと距離を詰める。一般に、煽りプレイと呼ばれる行為である。
悪あがきだろうか、奴は機銃を乱射していた。
否、乱射ではない。リズムがあるような、ないような。
ダダン、――、ダン、ダダン、――、ダン。
不規則なようで、規則的。
トン、ツーを思わせる響き。
というか、まさにそれだ。モールス信号だ。
“Listen”
確かに、そう聞こえる。
その通信規格に倣って、こちらも機銃を噴かせる。
“OK”
『何をやっている? リン』アズハルが訝しげに聞いてきた。
『シルフがコンタクトを取ってきた』
『それは、本当か』
『たぶん、本当』
『こちらの情報は漏らすなよ。後で、会話内容を送信するように』
『OK、アズハル』
Skypeで会話している間にも、シルフは機銃を鳴らし続けていた。
“4chan SF 692-327 I will wait”
高度は400、そろそろ限界に近い。シルフはこのメッセージを繰り返していた。機体が地に落ちて、爆ぜるまで。
その直前、僕は機銃を鳴らした。
“OK”
片翼の妖精は僅かに翼を揺らした。ように見えた。
天翔ける妖精、シルフを撃墜した後、僕はアーデルと共に残党を殲滅した。
ほとんどをアーデルが片付けていたため、僕がやった仕事は少しだけだった。残党狩りが終わって、ドローンのジャバードを自動帰投モードに。
3人でちょっぴり反省会。人的被害を出さなかったことが、なによりだった。
2人にお礼を告げてから、Skypeを終了。
今回のスコアは12。“正”の印を2つと“T”印を1つホワイトボードに書き込んだ。ええと、これで合計は232。時計を確認、時刻は12:20少し前。
熱いシャワーを浴びて、戦闘の記憶を躰に溶かし込む。滑らかな機動を何度も脳内に描き、澄んだ空に線を引く。シルフの機動はとてもAIのそれとは思えなかった。僕達みたいに、人間が遠隔操作しているのではないだろうか。
シルフとの空中戦は楽しくて、嬉しかった。レート1位を取ったときだって、こんなに気分は昂っていなかったように思う。
すぐさま、4chanを覗こうと思った。だけど、すんでのところで凪との約束を思い出した。もし行かなかったら、Lineの未読が99になりかねないので、おとなしく大学へ向かうことにする。
電車に揺られながら、Excelで報告書を作成。
コンタクトレンズ状のデバイスが、個人端末のディスプレイを空間上にAR(拡張現実) してくれる。その仮想型ディスプレイの前で、僕は指をせわしく走らせた。僕の目にしか映らないので、その機密性はノートPCよりも高いだろう。
駅から出て、レンタサイクルに足をかける。3度くらいの緩やかな上り坂を汗が出ない程度に急いだ。自転車は飛行機よりも、よっぽど無駄がない。最高効率の乗り物は自転車だと言ったSF作家は誰だったろうか。
考えているうちに、学生会館へ到着。無駄のない簡潔で質素で素朴な作りがいかにも国立っぽさを醸し出していた。
「兄さん、遅いですよ」学生食堂に入ると、凪が手を振って迎えてくれた。手の動きに合わせて、肩口まである流しっぱなしの黒髪が僅かに揺れる。「応用数理統計の講義、再来週にテストですって、兄さん」彼女は僕に近づいて、紙片を突きつけてきた。「兄さんには必要無いかもしれませんが、一応これ、今日の分のノートです」
「ああ、ありがとね」手渡されたA4紙には丸文字が浮かんでいた。
「出席数が足りないとテストが受けられないんですから、来週は絶対来てくださいね」
「わかってるって、何も予定が入らなかったら――」
「予定が入ってもですよ」口を斜めにして凪が言った。
食券を買って、兄妹で並んで、蕎麦をすすった。化学調味料がぶち込まれた安っぽい味だけど、そんなに嫌いじゃない。なんというか、人間にのために作られた味。
「あのさ、4限のゼミ出れないから、教授によろしく言っておいて」
「はああ!? 何回休むんですか、兄さん。教授は毎回のことみたいに許していますけど、今日、兄さんの発表ですよ」
「資料は共有ストレージにアップ済みだから、凪に代わりをお願いできないかな。教授には僕から伝えておくから」
「はあ、またですか、別にいいですけど」彼女は橋を置いて、人差し指で長方形を描いた。おそらくPDFをARしたのだろう。「へえ、“量子アニーリングを活用してのディープラーニング”ですか。ゼミ入ってからずっと人口知能ですよね、兄さん。もう何年目なのでしょうかね。ちなみに、これは嫌味です」
ため息をついてから、凪は蕎麦をすすった。心なしか、彼女はゆっくりと食べているような気がする。2人で食べ始めたら、2人で食べ終わる。そんな謎の不文律が僕達の間にある。
「で、その、兄さん――」
「箸で人を刺さない」
「で、その、兄さん――」
「七味を勝手に人のにぶち込まない」
「で、その、兄さん――」
「コショウはもってのほか。――――醤油もOUT」
機先を制して、僕は凪の右手を掴んだ。彼女はニッと笑って、首だけをこちらに向けた。
「失礼しました。で、今日は何で休むんですか」
「4chanを、あっ、いや、違うよ、親戚に不幸があってそれで」
「へえ、かわいい妹に代理を任せて、自分はネットサーフィンですか、兄さんも良いご身分になられましたね。というか、そのいい訳は出来が悪すぎて、突っ込む気すら起きません」
割り箸が折れるかと思った。そういう黒い笑みを凪は浮かべていた。
バキリ、と音がした。あ、折れた。しかも、片手で折りやがった。
「違うって、これも人工知能の研究の一環なの。教授には4chanだなんて、言わないように」
「まあ、そうですね」凪は一度ここで止めてそばつゆをすすった。「兄さんがそう言うなら、そう理解しておきます。くれぐれも私を先輩にしないでくださいね」
彼女はそう告げてから、両手を合わせた。僕もそれに倣った。
シルフに会いたい。その一心で、僕は走った。仮想型端末でアクセスしても良かったけど、長くなるならやっぱり自分の部屋が落ち着くだろう。
少し躰を動かすと、6月のじとじととした空気が肌に纏わりついた。空に飛び立って、風を浴びたい、そんな気分を覚えた。
“4chan SF 692-327 I will wait”
モールス信号の通信規格に乗せて、シルフはそう残した。
ブラウザを立ち上げて、4chanのSFスレッドの692スレ目を開く。レス番号327まで、スクロール。
そこには、ディープ・ウェブ(検索エンジンにかからない領域) のDNSが記されていた。そのため、TOR(IPアドレスの秘匿を可能にするブラウザ) を立ち上げる。
ヤフーやグーグルのスパイダーBOTにひっかからない領域へアクセス。もちろん、SSLで暗号化を行っておいた。支払いをビットコインで受け取っているので、僕はしばしばディープ・ウェブを使ったことがあった。
チャットサイトが1つ現れた。
クリック。
“名前を入力してください”、ブラウザにメッセージボックスが現れた。
リンと入力、エンターキィ。
『遅い』__シルフ
チャットルームに入るや否や、文字が躍った。
『負けたくせに、偉そうなやつだね』__リン
僕のネット弁慶が炸裂した。
『ボクにキミの技術を教えて欲しい』__シルフ
『人にものを頼むときの態度』__リン
『キミの飛行技術をボクに教えてください』__シルフ
『教えてもらえる技術は、自分が飛ぶために必要な技術ではあるけど、自分が飛ぶ事と同じではない。全然違う』__リン
僕はタイピングをしながら、既視感を覚えていた。オンラインゲームのチャットでもこれと似たようなやり取りをしたことがあった。
『ただでとは言わない。3年と29日前にも言ったはずだよ。無課金にして、レート1位を守り続けた伝説のネットランカー、リンリン』__シルフ
『え、リンリンって』__リン
『そうだよ、もうキミも気づいたんじゃないかな、ボクだよ。アカウント名はフェアリィ』__シルフ
フェアリィっていうと、あいつだ。一時期、僕に粘着し続けてきた、課金厨。それでも実力は本物で、奴もレート2位を維持し続けてきた。いや、時々3位とか4位に落ちたことがあったような気もする。
『仮に、僕に報酬があったとしても、教えることのできない技術なんだから、どうしようもないと思うんだけど』__リン
『たしかに、無制限曲技飛行の世界チャンピオンのユルリス・アイリスは「俺をみて感じろ、教えられることはそれだけだ」って言っていたね。その教えに従って、僕もキミのフライトを何十回と繰り返し再生して、記憶領域に焼き付けた。そして、シミュレーションを繰り返した。空気力学の演算も容量が許す限り試行した。でも、結果はあのざま』__シルフ
『じゃあ、得るものは何もないんじゃない』__リン
『いや、思うに、心の不存在がこの原因だと結論している。心や感情が無いから直観が働かない』__シルフ
『え? 心の不存在って何さ? なんで、いきなり中二病っぽいこと言ってんの』__リン
『心の不存在は本当のことだよ。向上心、つまり目標値への再帰的なフィードバック処理と、心あるいは感情は別物だからね』__シルフ
『は? 心が無いってサイコパスのつもり? 』__リン
『広義のサイコパスにAIが含まれるのなら、そうなんだろうね』__シルフ
『はあ!? AIだって? 』__リン
『そうだよ、コードネーム“シルフィード”通称シルフ。ボクは有機系戦闘コンピュータだ。あるいは、課金厨のフェアリィ』__シルフ
そういえば、アズハルはシルフのことをAIだと言っていた。でも、スカイ・コンバット・オンライのフェアリィまでAIだったとは。
たしかに、シルフの言葉づかいは若干奇妙であった。記憶領域、容量、演算、比喩表現だと思っていたが、文字通りの意味らしい。
そして、人工知能もしくは人工無脳の学術サーベイを行ったことのある僕は、感情の発生というブレイクスルーが、研究室レベルでも未だ確認できていないことを知っていた。
『でさ、心の不存在がシルフの負けの原因だとして、それをどう解決するつもりなの? 』__リン
『キミと生活を共にすることにした』__シルフ
『いや、答えになってないんだが』__リン
『ボクは感情を手にするために、進化論的シミュレーションを採ることにしたんだ』__シルフ
『なるほどね』__リン
進化論的シミュレーションは確かに心への効率的な手法かもしれない。生物淘汰のように、ヒューリティクスを働かせ、突然変異 が残ったら、それが進化の産物である。人間が言語を手に入れた時の手法と同一のそれをシルフは選んだのだ。
『でも、それは僕と生活することには結びつかない』__リン
『せっかく環境の変化という刺激を与えるなら、目標値が近くにあった方が良いと判断した』__シルフ
『ふむ、一緒に生活するって言っても、AIとなんて無理じゃないかな』__リン
『明日、最寄りのセブンイレブンに行って、そこで荷物を受け取ってほしいな』__シルフ
『まあ、明日は土曜日だからいいけど』__リン
『じゃあ、そういうことで、感謝するよ、リン』__シルフ
『その感謝って言うのは? 』__リン
『関係を円滑にするためのメソッド。べ、べつに心からの感謝ってわけじゃないんだからね。……そうそう、これはたぶんジョークってやつね。ベイズ統計が選択肢を表示したんだよ』__シルフ
『へえ、そう』__リン
僕は無関心を装ったレスをしたけど、水分を口に含んでいたらディスプレイを汚していたに違いなかった。
『あまり面白くなかったかい』__シルフ
『いや、そんなことはない。明日何が届くか分からないけど、取り敢えず、期待しておく』__リン
『ああ、忘れていた。荷物は着払いだから、キャッシュを持って行くようにね』__シルフ
『はあ!? アメリカ様の国防省か何かなんでしょ。予算はジャブジャブなんじゃないの』__リン
『これはほとんどボクの独断なんだ、だから予算申請をできない。すまないね』__シルフ
『へえ、まあ、大丈夫。お金には困ってないから』__リン
『では、また明日。今日のドッグファイトは最高だった』__シルフ
『じゃあ、受け取りに行くから。うん、確かに最高だった』__リン
“シルフが退出しました”、メッセージボックスがブラウザに現れた。
僕はチャットルームをTORのブラウザごと消した。そして、サーベイ済みの学術論文をファイルから引っ掻きだした。
明日が早く来てほしい。
思わず太陽が昇る東の空を見た。
窓枠からはみ出さんばかりの飛行機雲が伸びていた。
案外あれに、シルフの荷物が乗っているかもしれない。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
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