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本編
予告編
浦島太郎は困った。
この玉手箱の紐、結び目が固くて絶対に解けないよ…
特別番組「乙姫様は固結び。」
この箱を決して開けてはなりません。
本編「乙姫様は固結び」
お前がトロ臭いから、やられるんだ。
水産会社に就職し、仕事を終え帰路に帰ろうとする私はカツアゲされそうなツメエリ学生服の少年をたすけた。
「お礼がしたいのでお姉ちゃんに会ってください」
私は断り切れず、少年についていった。
場違いだ。その世界はもう、卒業したんだよ。
そう思いつつも、私はヘルメットをかぶり、姫の単車の後ろに乗る。
路上を踊る白や赤の服と爆音。
追跡の公権力の車をブッチギる。
楽しかった。
明日も仕事がある。そう言って帰ろうとする私に、彼女はポケベルの番号と誕生日を教えてくれた。
「歳は聞かないでね。」
あれから、何年たっただろう。
港は変わり、皆、大人しくなった。
SNSで彼女らしい投稿を見かけた。
身内向けの投稿がある。
私は、パスワード欄に彼女の誕生日を入れてみた。
「3男が生まれました。」
見なければよかった。
私も随分と老いてしまったようだ。




