第5話 鬼神異聞:大江山炎上!戻り橋で腕もってかれたんですけど!?
鬼神異聞:大江山炎上!戻り橋で腕もってかれたんですけど!?
第一章:大江山、マジ最高だったし
丹波国、大江山。ここがウチらのホーム。トップは超絶カリスマの酒呑童子。で、その右腕(文字通りね!)として君臨してたのが、このウチ、茨木童子サマってわけ。
「茨木、お前さー、もうちょい鬼らしく暴れらんないの? そのツラがもったいないわ」
酒呑の野郎が酒飲みながらケラケラ笑ってっけど、アタシは超ド級のワガママ鬼。
「はぁ? 酒呑サマこそ飲みすぎでしょ、マジうける。京のヘタレ貴族どもが軍隊送るって噂、マジでガチだから。アタシがいないとソッコー終わるよ、この山?」
角は生えてるし、眼光はバキバキだけど、ウチらはウチらなりにハッピーにやってたわけ。人間から奪うのも、それがこの世のルールっしょ?
第二章:酒呑サマ、死ぬとかマジありえない
でも、運命ってやつがマジ空気読めなかった。源頼光とかいうおっさんと、その子分たちが大江山に殴り込みに来たわけ。しかも正面突破じゃなくて、毒入りの酒でウチらをラリらせるっていう、超セコい手を使ってきた。
「ちょっ、酒呑サマ! 起きてよ! 人間のクズどもがマジでヤバいって!」
アタシはブチ切れて官軍の中に突っ込んだわ。鬼神のパワーでボッコボコの鉄槌鉄槌で雑魚どもをミンチにしてやったけど、酒呑サマは例の毒酒のせいでグロッキー状態。
「逃げろ、茨木! お前だけは生き残って、鬼のヤバさを後世に伝えろ!」
それが酒呑サマのラストメッセージ。頼光の刀が酒呑サマの首をハネる瞬間、アタシは血の涙を流しながら山を転げ落ちた。大江山の鬼ヶ城が燃えてんのを見て、マジで「終わったな」って悟ったわ。
第三章:戻り橋でタイマン、腕パくられたわ
酒呑サマのカタキを討つために、アタシは京の都に潜入。ターゲットは頼光のパシリ、渡辺綱。
「人間ごときが調子乗ってんじゃねーよ……。アタシの怖さ、骨の髄まで分からせてやるわ!」
一条戻り橋。ここはアノ世とコノ世のボーダーライン。アタシはさらに艶やかなギャルに化けて、綱をハメることにした。
「おにーさーん、夜道でボッチとか寂しくない? 私が送ってあげよっか?」
アタシのビジュアルに釣られて寄ってきた綱に、アタシは正体を現してその腕をガッチリホールド!
「バーーカ! 鬼サマだよ! 死ね!」
でも綱も意外としぶとかった。「童子切安綱」とかいうチート武器を抜きやがって、バチバチのタイマンに。最後、ちょっと油断した隙に、アタシの自慢の右腕をバッサリ斬り落とされちゃった。
「っつあぁぁ! ちょっ、マジでありえないんだけど! おぼえてろよクソ人間!」
アタシはそのまま風になってバックれたわ。マジ屈辱。
第四章:異界に転生? ここ、メンツ濃すぎ
そのあと、腕を取り戻そうとして失敗したり、色々あってアタシの魂は現世を彷徨ってたんだけど、気づいたら変な隙間に吸い込まれてた。
「……何ここ。変な匂いもしないし、マジ平和すぎてキモいんだけど」
目を覚ましたアタシの前にいたのは、メンツが超豪華。
白髪の滝夜叉姫、目が赤い清姫、顔がないのっぺ、あと石の壁を浮かせてるチビっ子のぬりかべ。
「また威勢のいい娘が来たのう?お主も『あっち』で色々あった口だな?」
滝夜叉が余裕の笑みで茶を出してきた。
「はぁ? アタシは茨木童子。あんたらこそ誰よ。つーか、アタシの腕、どっか行っちゃったんだけど、マジで最悪」
そこに、尻尾がモフモフの隠神刑部がドカドカ歩いてきた。
「腕一本くらい、ここの術でなんとかなるだろ。それよりお前、強そうだな。俺と勝負するか?」
刑部の挑発に、アタシの戦闘スイッチがオン。
「面白い。狸の分際でアタシにタイマン売るわけ? マジうける。その腹、切り裂いて中身ぶちまけてあげるわよ!」
アタシが刑部とメンチ切ってんのを、姫君たちはピクニック気分で見てる。
「うふふ、また騒がしくなるわね」と清姫が笑って、ぬりりんが「ぬりー」って言いながら、避難用の石壁を準備してるし。
最強に生意気な鬼神・茨木サマは、このゆるふわな異界で、新しい「遊び」を見つけちゃったみたい。アタシの伝説、第二章の開幕って感じ? マジで期待しなさいよね!
渡辺綱に腕をイカれた茨木童子。
実は私のお客様に渡辺綱の子孫がおりまして。
そのお客様が言うには、渡辺の末裔はけして換気扇を開けない、と。換気扇が空いていると、腕をイカれた鬼さんが取り返しに来るのだそう。




