1章-1
初めての投稿です。書いてみたい気持ちが強くあって、習熟して行けたらと思ってます。
よろしければお付き合いください。物語は続きますが遅筆です。でも頑張りたいです。
203X年 初夏 東京はオフィスの高層階ビルが立ち並ぶエリア。
この日は快晴で、最近のオフィスビルの光発電仕様のサイディングに太陽光がよく降り注いでいる。
初夏らしい明るい光だが、反射よりビルが飲み込んでいる様にも見えなくもない。
時間は午前10時になろうかと言ったところ。
その中でも比較的新しい高さ80階はあるというビルの51階フロアからこの物語は始まる。
そのビルの51階の廊下で気分悪そうに、女性がひとり廊下に座りこんでいる。
この51階のフロアは大小会議室及び資料保管などで使われている場所で、会議が無ければほとんど人がいることは無い。
今日の午前中は会議室の利用が無かったらしく、この階にはこの女性以外に人の気配は全く無かった。
その女性は化粧室出入り口廊下の壁にもたれてハンカチで口を覆い、波のように襲って来る気分の悪さに耐えている。
そして荒く浅い呼吸をしながらも、なんでこんな時にこうなるのとぼやいてもいた。
気分を悪くした女性がこのフロアの化粧室にたどり着いたとき、トイレに駆け込んで吐き戻してしまった。
胃は空っぽになり、そこから気持ち悪さは治まりつつあるようだが、臭いに負けそうで口を濯いで逃げるように化粧室から出た。
ところが、廊下に出たところで力尽きそのまま座り込んで今に至る。
体調は回復傾向に切り替わったものの、すぐには動けそうにない。
貧血もあるのかなと女性は考えながら、座り込んでしばらく目を閉じていたが、やっと薄目を開けて誰もいない廊下を見回した。
気分の悪いピークが過ぎてきたようで、大きく深呼吸も出来、呼吸も通常に戻れたようで少しホッとしていた。
その途端にこれからやらなくてはいけない事の優先順位を考えるべく頭がようやく動き出した。
このところ調子良かったから油断したのか?今日の上司への挨拶まで大丈夫だと思ってたのに。
退職前の有給休暇消化にはいるからって、昨日少々夜更かしたのが負荷になった?
まさか、もしや、この高さまで一気にエレベータで上がったから?
それにしても、相変わらず情けない自律神経め、用心して胃薬やら痛み止めとか出かける前に飲んだのに。
ほとんど戻しちゃったわね・・・。
いやいや、それより調子が悪くなってからどれくらい経つ?30分?1時間?。
忙しい部長に挨拶に行くため、今日朝9時30分のアポ取りしてたのに、確か水無瀬部長10時頃には取引先へ出かけるとか言ってたっけ?
あ~あ、今日は挨拶出来ない、スマホも階下の自分の席に忘れてきたし、連絡出来無い今日は諦めるしかないか。
気持ちはドンドン落ち込んで行く。
そういえば、ここに勤め出した最初の頃は遅刻と早退ばかり繰り返した。
会社勤めって続けて行けるのかなって不安ばかりだった。
それなのに、こんな変な体質を持った私を約3年間使ってくれて、部長も転勤無く変わらないままで居てくれてありがとう。
二十で初めて仕事をする、右も左もわからないこんな私を良く指導してもらえたなあ、思い起こせば懐かしい・・・。
配属場所の方々も先輩もAIも関係する部署の人達はみんな優しかったのよね。
今の今、今をどうしたら良いかを考え始めたところなのに、約3年前の過去を振り返ってしまっている。
気分の悪さはある程度楽になったものの、まだ身体を動かそうというところまでにはなってないようだ。
が、楽になった分、視野を広げて窓からの差し込む光の明るさに気が付いた。
こんな日は洗濯日和だよなぁ、枕カバーとかシーツとか洗って干したいなあ。
と、なぜこんなに脳内の話題があちこちに飛ぶ?ただの願望かな?いや現実逃避だわ。




