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召喚余剰人員の為、魔王は任せて異世界満喫(元祖)  作者: -冬馬-


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第12話 訪問者の正体①

 そこにいたのは、昨日焼いた魚を与えたカーバンクルだった。


(昨日のカーバンクル?何かあったのかな?)


「ほら、こっちよ」


 カーバンクルが、奥の茂みに声をかけた。すると奥からもう一匹のカーバンクルが恐る恐る現れた。形とサイズは同じだが、毛の色がチョコレートの色をしている。


「ちょっと待て。言葉が話せたのか?昨日は何も言わなかっただろう?」


「え?私の言葉がわかるの?」


 おかしい。この反応は人間と会話できるはずがないといった反応だ。異世界での非常識が起きているとするならばスマホが原因のはず。


「ちょっと待ってくれ」


 俺はスマホをチェックした。通知が来ていた。


【善行ポイント 7,500pt 獲得】

【レベルアップ! Lv.2→ Lv.3】

【新アプリ解放】


 何が影響したんだろう。心当たりがあるとするならば、貧民街で1万イエンを渡したことと、カーバンクルに魚を与えたこと。アプリを使わなくても感謝されることをしたら、善行扱いなのかもしれない。


 言葉がわかるきっかけであろう、新しいアプリをすぐさまチェックした。犬小屋のようなマークのアイコンのアプリだ。開くと説明文が表示された。オラクルに聞く手間が省ける。


『ペット機能解放!懐いてきた動物や魔物と意思疎通が出来るようになります。また、契約を結ぶことで、アプリの中にその動物や魔物を入れて飼育ができるようになります。必要に応じて解放して共に行動したり、危険な場合など個々の活動を避けたい場合はアプリに避難させることができます』


 詳細はまた後で確認するとして、やはりこれが原因で理解が出来るようになっているんだ。


「ごめん、お待たせ。話がお互いにできる理由がわかった」


「え?どうしてなの?」


「まず俺は異世界から来た者だ」


「い、せ、かい?」


「説明が難しいが、別の世界から召喚されてこの国に来たばかりなんだ。このスマホというもののレベルが上がったことで、君の声が聞こえるようになったらしい。でもまだそこにいる子の声が聞こえない。恐らくまだ俺を警戒しているからだと思う。昨日魚を君にあげたことで、君は俺への警戒が解けている」


「んー、なんとなくわかった。今は私としか話せないってことも」


「で、今回来たのは何かあったのか?」


「そ、そうなの。この子は私の弟。この結界の外で親と一緒に生活していたの。でも先日、人間が襲ってきて、両親は私たちを逃がして殺されてしまったの。私たちはまだ子供。生きていくのが大変で、この結界の中でも食べ物に困ってた。食べ物が取れるところには人間がいるから」


 カーバンクルの表情が悲しげに曇る。


「どうしようかと思っていたところであなたを見つけたわ。しばらく観察していて、姉である私があなたの前に一人で出てみたの。魚を持って逃げても良かったんだけど、時間をかけて目の前で食べても、あなたは私を獲物としてみなかった。帰った後も、弟と一緒にあなたを観察して、あなたは他の人間とは違うと感じた。現に匂いも違う。……あなたを信じてまた現れました。どうか、私の弟にも何か食べ物を恵んでもらえませんか?」


「いいよ。昨日の魚が1匹残ってる。でも、追加で手に入れるから俺も君も一緒に食べよう」

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