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RAT DANCE  作者: 華街
氷牢篇
19/22

幾千もの

前回のあらすじ:負けてしまった?

〜幾千もの〜


「……」


 依頼の対象そして私達を没落に陥った張本人、白井捌守(しろいはもり)

 どんな強敵かと身構えていたが、【氷塊】を使ったぐらいで、造作もなかった。

 12つの氷を一つ一つ溶かしていく。

 証拠は残さない。依頼は成功だ。

 氷を溶かすと中にいた分身も溶け出す。

 それは、あいつが気を失った、もしくは死んだことの何よりの証明だ。

 さて、13つ目の氷。捌守が凍てついた氷も溶かすとしよう。

 これをあの人に持っていけば莫大な報酬がもらえる。

 プライベートを誰にも知られなかった謎に包まれた、【G.D.】の幹部(・・)にして【G.D.】を裏切った者(・・・・・)……


「極悪人め」


 そして最後の氷を溶かし始める。

 ……まて?13つ目が最後?

 分身は13体までしか出せないとは聞いたが、それでもあいつをあわせたら14体だ。

 氷は14つ無いとおかしいはずだ。


「逃がした!?」


 その時、バシャッとすぐ右の田んぼから水音がした。

 まるで何かが飛び出たみたいに。


「ずっとここにいたさ!」


 白井が私に飛びかかる。それを刀で防ぐ。

 白井は後方へバク宙をしながら距離を空ける。


「気づいたんだよ、俺の能力の、【増殖】の真髄を!!」


ーーーーーーーーーーーーーーー


 俺の【増殖】は体の部位だけを増殖させることができる。

 記憶が少ないため俺は自分自身の体のことを完全に把握できていないが、知識をつければ骨や目を増殖させることもできるのだろう。

 そこまで俺の能力は自由なのだ。

 そう、俺の能力の真髄はその『自由』さなのだ。

 ならば俺は自由を極め、普通を断ち切ることにした。

 普通の人間の形ではない、もっと超越した体を求めた。


 そして、掴んだ!


「『千ヲ束ネル(SHUT UP.)沙羅ノ偶像(RE:TAP.)』!!」


 胸の前で手のひらをあわせる。

 そして背中や脇腹から無数の腕を出現させる。計10本のその腕の手のひらに腕を生やす。それを4回繰り返す。

 巨大な腕が10本出来上がった。それはまさしく『異形』だった。


「なんだ…これは……?」


 渚はこの世じゃ無いものを見るような目をしている。

 だがその動揺もすぐに隠され、今までの凍てついた瞳に戻る。


「これが俺の『自由』だ」

「自由、自由か…


 そんなものが、自由か?」


 瞳孔が小さくなる。


「なら、私も本気で行かさてもらう」


 刀を両手で強く握る。


「『開放―月華氷狼闘気げっかひょうろうとうき』」


 渚から冷気が溢れ出し、周囲の地面が続々と凍る。

 強い冷気を纏った風が発生し、俺は思わず腕で目を守る。

 溢れ出る風は勢いが止まらず俺を吹き飛ばさんとする。

 風は氷の粒と砂が入り混じり渚の姿が見えないほど濃くなる。

 

 ……風がやんだ。そして、渚の姿が見え始める。

 刀身が氷を身にまとっている。

 氷は鋭く、純粋であり巨大な刀を形作っていた。

 渚は刀を一振りし、周囲の空気を払う。

 刀を両手で持つ。(つば)を口から拳一つ分空けて右に置き、切先を少し後ろに傾かせて上に向かせる。左足を退き、左半身を俺に向ける。

 刃は俺を確実に捕らえている。

 八相の構えと呼ばれる構えだ。


「いざ、参る」

 どうもこんにちは作者の華街です。

 いやーミイラ生きてましたね良かった良かった。

 ちなみになんで生きてたかって言うと、渚が切りかかってきたときに分身を出して壁にすることで、田んぼに潜るまでの道中に悟らせないようにしたんですねー。

 はい

 あ、ちなみにミイラの新技『千ヲ束ネル(SHUT UP.)沙羅ノ偶像(RE:TAP)』は千手観音みたいなイメージをしています。

 英語表記は「シャラリラ」とお読みください。

 ではあとがきで補足をする補足おじさんもこれにて撤収します。

 また次の話で〜華街でした。

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