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RAT DANCE  作者: 華街
廃夢篇
13/22

生命の神秘

前回のあらすじ:ただいま

「ただいま」


 窓から差し込む夏の光が俺の体を照らしていた。

 蝉の声がうるさいほどよく聞こえる。

 俺は、あの幻想の世界から抜け出せたんだ。


[___ミイラ!?お前今まで何してたんだ!]


 リーダーの激昂が耳を貫く。

 通信機を耳に直接付けているので、そこまでうるさくされたら困るのだが。

 ___いや、違うな、、、困らせたのは俺の方だ。


「ごめん、、、でもこの【異常】の能力とこの依頼の真相は全て分かったんだ」

[いやお前…真相がわかったって言っても……心配させるなよ…]


 リーダーが息を切らしているのがわかる。そこまで心配させてしまったのは少し気が滅入るな、、、帰りにお土産でも買って帰ろうかな。

 いや、今はそんなことをしている暇なんてないんだ。

 まずはどれほどあの幻想世界に取り込まれてしまったのかを知る必要がある。


「え〜っと時計時計、、、あった

 ___あれ?1分しか経ってなくない?」

[そうだぞ お前は1分も音信不通だったんだ 何してたんだよほんとに]


 どうやら幻想世界の時間は現実の世界と比べると時間が経つのが早いらしい。

 それと、この人たちにとったら任務での1分は長いらしい。

 

 俺は団員達にこの1分間で何があったのかを軽く説明した。


[はああ、、、そんなことがあったのね]


 ダニエルのため息混じりの声が聞こえる。それと同時にドアが乱暴に開かれた音も聞こえた。


[おい!こっちはもう準備できたぞ!]


 少し遠くからBの声が聞こえた。どうやら俺の心配をして今から出発をするところだったらしい。


[ああ、すまんBPM。もう大丈夫みたいだ]

[なんだ……いや、大丈夫なら良いのか!]


 Bの心無い言葉がまた放たれたが今度はちゃんと気づいたらしい。

 今度はドアが静かに閉められ、椅子が軋む音が聞こえた。おそらくBが椅子に座ったのだろう。


「____そういえば、まだ開けていなかったな」


 俺は、目の前のドアを睨む。

 幻想の世界ではこのドアの奥には五芒星が引かれたオカルトチックな部屋がある。

 この現実の世界には何が待っているのか。

 不思議と、もう恐怖は感じなかった。

 ドアノブを握りドアを開けようとした。

 その時後ろから声が聞こえた。


「待て……その奥は簡単には行かせないぞ……」


 そこには半透明なリーダーの姿があった。

 俺はそいつにカメラをかざす。

 案の定、カメラにその姿は映らない。


「___この後に及んでなんの用だ、マボロシ」

[おい、そこに何かいるのか!?]


 ピジョンからリーダーの焦った声が聞こえる。


「大丈夫だよ ちょっと邪魔がはいっているだけだ」


 そう言い終わった後ピジョンを指で軽く叩き、音量をOFFにする。

 

「で?なんの話だ?」

「簡単には行かせないと……言ったんだ」


 目の前のマボロシは先の戦いで疲弊しているらしく、壊れかけのライトのように姿が点滅している。

 心なしか息遣いも荒い。


「簡単には行かせないって……じゃあまた戦うのか?」

「そうは言ってない 例え俺がここで戦ったとてお前には精神的な攻撃しかできない。それはお前にはもう効かないと思っていてな。ただ私が疲れるだけだ」

「ふーん 懸命な判断だな」


 マボロシが俺の発言に鼻で笑い、一拍置いて口を開く。


「私が今からするのは、お前がこれから起こることへの『覚悟』があるのか。その審判だ」


 マボロシが両目で俺を睨む。


「まず『私』が生まれた場所 いや、『私が再誕された場所』の話しをしよう」

再誕(・・)だと?」


 何を言っているのかイマイチわからない。

 だが、今のこいつの目は人を騙す奴の目じゃない。


「私は、私たちは『あいつら』によって【再誕】させられたんだ」

「おいちょっと待て 話が抽象的すぎて何を言っているのかわからない」


 マボロシは俺のそんな言葉に少しため息をついてこう言った。


「お前はこんな組織を知っているか」


「【G.D.】を」


「【G.D.】?」


 俺は先ほどまでOFFにしていたピジョンの音量をONにして、リーダーに尋ねる。


「リーダー 【G.D.】についてなにか知ってる?」

[お前、今までOFFにしていた分際で……まあ良い

 G.D. 本名はHermetic Order of the Golden Dawn 和名『黄金の夜明け団』私も小耳に挟んだことはある。]

[時々私たちの任務に関わってた組織ですね]


 ピジョンから団員各々の反応が聞こえた。中にはやれ胡散臭いなど、やれ堅苦しいなど、おまり良い印象は抱いていないようだ。それにさっきボタンが任務に時々関わっていたと言ったが、一緒に仕事をしていたと言うわけではなく逆に少し邪魔をしてきた時もあったらしい。


「私はその【G.D.】で特殊な機械を用いこの世界に【再誕】させられたのだ


 奴らは私たちを【神秘】と読んでいた。」

 どうも作者の華街です。

 今回はやっと明確な敵が出てきましたね。

 【G.D.】ですか…………

 なんかとんでもない秘密結社な感じがしますね。

 それに【能力】を【神秘】と呼ぶなんて

 ____ねえ?

 今回の話で読者の皆様に心を躍らせてくれたら嬉しいです。

 では次の話で、華街でした〜

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