4話 運営からの視線その1
今回は運営目線でのお話です。
視点が3人称に変化します。
アテラは知り得ないのでこういう形式を取る形となりました。
今回も結構短いです。
昼。彼らは最終チェックをしていた。
「最終チェック終わりました」
「ようやく終わったか」
「おうご苦労さま」
彼らはルージックの運営陣。今日はそのルージックのリリース日
そして運命の時間となる。
「それではルージック。リリースします。」
「おおおーー」
プレイヤーを見守る運営陣。夜も残業である。
「ふむ大半の人が剣使いや魔法使いみたいだな」
「まあ一番遊びやすいですし」
「しっかりと機能しているようですね」
「まあ時間も金もかなりかけてるし不動作が起こったりはそうそうしないよ」
「初動のプレイヤーの波は終わりましたかね」
「ああリリース開始すぐあそぶやからの波は終わったっぽいぞ」
「お?開始から 1時間経ってるのにまだチュートリアルやってるやついるぞ」
「ああやっぱり出たかいろんなことを検証する検証組!」
「まあまあ落ち着けってそのために対策をしておいたじゃないか」
「とりあえず動画見ようぜ」
そして映し出されるのは兎と戦闘しているアテラの姿。
みんなその戦闘を見て、何やってんだこいつ?という顔になる。
「何してんの?」
「ふざけてるんじゃね?」
「いやみんな待てこいつの行動最初から見てみよう」
そして今度は最初から映るアテラの奇行とも呼ぶべき姿。
全く見当違いな場所にはなつ攻撃の数々。
そこで1人が気づく。
「バグってね?」
「どうした」
「いやみんな行動の可笑しさに囚われて気付いてないかもしれないですけど、スキルが普通に作動してませんよ?」
そうして巻き戻して動画を確認する。
「確かにあの程度なら技名を言ったらすぐ発動するはずだもんな」
「いやけど他ではしっかりと発動してましたよね?」
スキル発動が変なことに気づいた人が仮説を立てる
「この人の回線弱いんじゃないですか?多分ラグいんだとと思います。それを検証するために、今からアテラの視点を見ましょうよ」
「賛成」
「意義なし」
アテラの視点が運営陣に見られる。
「これは酷い」
「まあこれならしょうがないといえますねえあの奇行は」
「まあ俺らは傍観するしかないんですが」
そして密かに運営に見守られながらアテラは兎と戦闘を続ける。
「ちょっと皆さーん?」
「そこの回線弱者君を見守るのはいいけど。しっかりと他の動作確認もしてくださいよお」
「へいへい」
それからも運営陣に見守られながらアテラは戦闘を繰り返す。
そしてバルトは兎から10回倒される。称号:兎に狩られるもの を取得したのだ
「ああこの超絶難しい称号ゲットできるなんて」
「普通にプレイしてたら兎は絶対倒すんですよね。この人ぐらいじゃないかね、この称号持つの」
「後から検証組とかなら取得しそうなもんだがね」
今度はアテラが兎の餌を取得する
「声に出してなくても動作だけで彼が悲しんでるのがわかってしまってつらい」
「ひどく落胆してますね」
「誰だあんな称号名を考えたのは!」
「けど取得条件が難しいからかなり効果も優れたものになっているし、彼には頑張ってもらいたいですね」
運営陣は彼に変な感情を抱きはじめたようだ。
「あああーー固有称号まで取得しちまったよ」
「かわいそうに」
「あ、ログアウトしちゃった」
「誰だこんなことをしたのは」
時間は少し進みアテラが再ログインしてきた。
交代で休憩を取ってはいるがそれでも眠い彼ら。残業代はしっかり出るらしい。
「ああ眠い」
「アテラがログインして来たな」
「あ、彼感覚強化オンにしましたよ?」
「あの設定はうまくいったと思うんだよね」
「オンにしたらほとんどの人が気持ち悪くなってダウンする設定がいい設定なのかね?」
「おおアテラ凄いなダウンしてない!」
そしてアテラは兎と戦闘を始める。それを野次馬の如く見守る運営陣。
「おおしいいぞいけー」
「お攻撃が当たった!」
「そこです」
「おおしゃーー」
「ようやく勝ってくれた」
こうして人知れずアテラは運営のお気に入りとなった。
感覚増加を感覚強化に修正いたしました。話の流れは変わりませんのでご安心ください。