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回線弱者でもVRMMOを攻略したいです!   作者: 斬突衝打
1章 回線弱者は努力する
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1話  回線弱者


「俺の家の回線弱すぎだろ!」


 わかっていたことだろう、期待が大きすぎて忘れていた。いや目逸らしていたんだ。

 

 




 俺はある深夜0時前に寝ずにゲーム機にお祈りをしていた。俺は待っていた。あるゲームのリリース日を。

「ルージック」 注目を集めているVRMMOである。明日がリリース日なのだ。

 

 0時になりゲームをスタートさせる。

 

 そして目の前が輝き、俺の前におっさんが出てきた。身長180センチぐらいで全身筋肉でできてそうなゴツいおっさん。何が起こっているかわからない。


「こちらの手をとってくれるか?」

 

 あれか、ゲームの説明役か?


「今この世界は魔族の侵攻にさらされている。もともとは魔族と我々では住む世界が違う。だが最近魔族がどうやってか攻め込んできている。そこで我々は魔族に対抗する勇者軍を結成し争うことにした。

 今、君は2つの選択肢がある。1つは我々と協力し、魔族を打ち破ること。2つ目は何もせずに俺ら勇者軍に頼り、現状に甘えることだ。この世界に暮らしている俺らには奴らから脅威を跳ね除ける義務がある。君は今は一般人だ。だが俺らについて来てくれれば戦う力をつけることができる。さあ君はどちらを選ぶ」


 そう言っておっさんが消えた。ゲーム説明にも魔族とか勇者とか書いてあった。そのことだと思う。

 で目の前に現れた 協力 or 見守る の選択。

 まあ協力すればいいんでしょうけど、試しに見守るっていう選択をしてみよう。

 ブンっと音がなり、ゲームからはじかれた。おうまじか、選んじゃだめな方選んだらゲーム落とされるのか。協力する選択を選びますか。


「協力してくれるのら?ならここからはヤトが案内するのら」

 

 なんか手に乗りそうなぐらいの小鳥っぽい何かが現れた。何かと言うのは頭にツノが生えているから。

 喋っているし案内キャラってとこかな。あのおっさんじゃだめだったんだろうか、それか最初からこのヤトという鳥が出てきちゃだめだったのかな。

 ヤトって言いにくいな。これからは鳥もどきと呼ぶことにしよう。


「まずお前の名前を教えてほしいのら」

 

 まずはキャラメイクってことかな?

 名前なあ、俺の春輝っていう名前はなんかキラキラしてて嫌いだからなあ。だからと言ってそこまでいい名前も思い浮かばん。ここは連想してってのが鉄板だよね。輝く、光……アマテラス! 

 けどアマテラスじゃ呼びにくいな、訳してと、アマテ。うん却下。

テラス! 却下。マラテ! 却下。うーむアテラ! よしそれでいこう。アテラと設定をする。


「アテラというのら! アテラはなんで光ってるのら?アテラの外見がわからないのら。教えてほしいのら」

 

 光ってる?俺の体はいたって健全な普通ボディなんだが、手を見てみると。うん、光ってるね。眩しくて何にも見えません。

 なるほど、要は外見を決めるための導入というわけだ。ちょっと強引だけど。まあ嫌いではない。

 

 

 外見作成開始! おお選択したら身長150センチ程度で黒髪ボサボサの誰か。うん現実の俺ですね。スキャンとかされたっぽい。なるほどこれをもとにいじっていく感じか。

 

 

 よしこだわって作成してやろうではないか!

 


 そうして出来上がったのは170センチほどの身長。黒髪は変わりないがボサボサではなくよく整えられた髪。そして細かいほくろやシワを消し色白な顔の俺である。

 もっとキャラメイクできたのにな、いざキャラメイクしてみてゲームすること想定したら恥ずかしくて、あまり大胆に変えれなかった。

 だがコンプレックスの身長だけは高くしたんだがなんか制限がかかってて、+−20センチまでしかいじれなかった! 運営さんよ、そこぐらいは夢叶えさせてくれよ。顔も美形にしておいた。黒肌や金髪とかもできたんだけどな、勇気がない。


「すごいカッコイイのら!」


 鳥もどきにお世辞を言われるレベルか、悲しい。


「アテラはどういうふうにしていくのら?」

 

 そう言われると職業設定画面がでてきた。なるほど、職業を決めろと。色々ありますな。剣使い、魔法使い、弓使い……

 剣使いと言っても数種類に細かく分けられる。短剣や長剣、片手剣、大剣など。

 俺が選んだのは魔法剣士。魔法と剣のハイブリッド型である。そういうと聞こえはいいかもしれないけど実際は違う。

 剣使いなら剣、魔法使いなら魔法、の適性がかかって成長が早くなる。

 それでいうと魔法剣士は一応魔法も剣も適性はかかる。その適性が低いらしいけど。

 魔法剣士は剣の形や大きさ、魔法の専門も決められない。剣は片手剣と呼ばれる50センチの刃渡の剣。魔法も専門を選ばない魔法使いと同じで、全属性に適性はあるもののこれもまた低いという職業。

 

 けれど成長にも限度はある。例えば、剣使いは成長に限度が来たらもう剣以外の成長恩恵は受けれない。なぜかというと職業は選んだら上位職とか専門職以外に変えれないと、ゲーム説明に書いてあったから!

 そして魔法剣士は成長恩恵は低くても魔法と剣という主要な恩恵を受けることができる唯一の職業。だから俺は選ぶ。長期的に見て一番強くなるのは魔法剣士だから。魔法剣士はロマンがあるのだよ。


 その他にも細々とした設定はあったが後からでも変えれるということでそのままにしておこう。





「これからアテラには戦い方を習ってもらうのら」

 

 チュートリアルというやつだろう。急に視界が暗くなり徐々に視界が戻っていく。

 完全に目が元通りになった時俺は広大な自然の中にいた。剣と杖を持って。いやなんでどっちも持つんだ。いや魔法剣士だからってのはわかる。けどどっちも持つと扱いにくすぎるんだが。

 

 すげえ。さっきまでは明るい部屋にいたからかゲームの中という感覚もあまりなかった。けれどここは澄み渡った空気や色とりどりな自然を感じれてVRMMOをしている感覚になれる。いや慣れるっていうかもうVRMMOをしているんだけどさ。

 うん? なんか体の動きに違和感があるような。動作が重い。

 なんだろうこう、動け! って思ってもすぐに体が動かない。少ししたら動くんだけどな。


「ステータスと頭の中で念じてみるのら」


 おおステータスか。やっぱりいいですね。ゲームは。

 こうか? ステータス!



 ステータス

 

 アテラLv1   職業:魔法剣士Lv1  


  体力30/30 

  魔力10/10

 

  物理10 +〈3〉 

  魔術10 +〈3〉  

  防御10     

  速度10  

  技能10


 スキル

 

  剣技Lv1  火魔法Lv1  水魔法Lv1  土魔法Lv1  風魔法Lv1 


 装備

  左手 初心者の杖 魔術+3  

  右手 初心者の剣 物理+3


 称号

  なし




 確か初期ステータスは全員固定で装備とかスキルは職業に左右されると書いてあったはず。


「これから兎と戦ってもらうのら。戦うために今からスキルの発動方法や生きていく上には必須のことも教えるのら」

 

 そう言われ、スキルのことや基本的なことを一通り教えてもらった。

 とりあえず杖はしまっておこう。鳥もどきに教えてもらった、収納でしまっておく。当たり前だが、剣技は剣がないと使えない。


「じゃあ兎を召喚するのら。1人で頑張るのらよ」


 そう鳥もどきがいうと、俺から5メートルほど離れた場所に兎が現れた。小さいけどなんか足の爪が長い。


「さあ戦えなのら」


 なんかさっきよりも少し低い声でそう言う鳥もどき。その言葉がきっかけとなったのか兎は俺のもとへ迫ってくる。よし剣で切ってやらあ。

 あれ、体が動かんぞ?

 うおお、 急に体が動き兎に接近する。体の操作が効かない、俺の体じゃないみたいだ。

 うっっ? そして突如俺の体が痛みを覚える。何が起こったかわからない。

 痛みを覚えるってことは体力が減った証。けど俺は何もしてない。強いていうなら急に動いたことだ。


 (簡易ステータス)俺はそう頭の中で念じる。簡易ステータスはさっき鳥もどきが教えてくれた、残り体力と残り魔力、残り気力を表示させる。文字通り簡易的なステータス。そしてそこには


体力29/30

 

なぜか体力が1減ったステータスが見えた。なぜダメージ負ったんだ? 急に動いたことと関係があるのか?

 とりあえず体力はまだ全然大丈夫そうだし兎に攻撃しないと、兎がすぐそこまで来てる。


「スラッシュ」

 おかしいスキルが発動しない。だけど2〜3秒遅れて剣技スキルLv1スラッシュが発動した。

 魔力を消費し威力を増加させる技だ。

 放った攻撃が兎に当たる。スカッ なぜ?俺の剣は確かに兎に当たったはず。なのにに攻撃が外れたさいの音。それと当たった感覚が手にない。しかも兎のHPバーが減ってない。なぜ?

 うぐっ またしても俺に走る痛みまた体力が1減っている。

 兎が横にいる仕掛けないと、今度は魔法で。

 

水球( アクアボール)


 魔法も発動しない! 今度も遅れて発動し水球が兎に向かって飛んでいく。水を撒き散らし兎に当たる。いや、実際には当たってないんだろ。また兎のHPは減ってない。

 そしてよくわからずダメージを受けるという工程を繰り返す。

 ああ分かってきたよ。いや分かっていたよ、


「俺の家の回線が弱すぎる!」

 

 


追記誤字脱字を修正しました。

追記 3月15日。感想をログイン制限なしへと変更


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