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第九話 「出会いと別れ」

 レリス『よし、みんな準備できたね?』

 

 レリスがみんなに準備が終わったかを問う。


 レリエル『できたわ!』


 レリエルがそう声を上げると他のみんなも続いて声を上げる。


 ライラ『ぼ、僕も!』

 ネルエ『できた…』

 ジノル『ばっちし問題なし!』

俺『俺も!』


 俺は、昨日とは違う雰囲気を醸し出して、そう答えた。

 それもそのはず、この時点で俺はエルノに何があったかなんて覚えていない。


 そして俺たちは、最後の確認をして、学園のある法の国サバカルへと旅立った。


 


     ーーーーーーーーーーーーーー


何年か前の話、マサライト国の貧民街にて


 そこにはボロボロの服を着た、両親に捨てられたひ弱そうな少年がいた。


 その少年に名はない。そんな彼はいつもいつも何もせずに、時に笑顔で、時に泣顔で、人に気を使い生きてた。例え、その中に暴力をふるってくるやつがいても気にしない、それが生きるため。ずっとずっと同じことをして最後には、儚く死んでいく。誰も何にも見てもらえずに。


 彼は、悩んだ。


 悩んで悩んで、でも答えは、出なかった。そんな時だった。謎の男が彼に話しかけた。


 謎の男『いいのかい?被害者のままで終わって』


 彼は困惑した。

 だが、男は、そんな彼の反応を無視して、言葉を続けた。


 謎の男『君に名を与えよう』

 少年『!?』

 謎の男『うーんと、そうだな…仮面、なんてどうかね!?』

 

 彼には、とても理解出来なかった、出来なかったはずなのに、ネーミングセンスのかけらもないのに、でも彼には、充分な名前だった。いつも自分を偽って生きていた彼にぴったりの…

           ・

           ・

           ・

  

 突如まぶたが開く。


 仮面『……夢…か』

 仮面『今必要なのは、未来だ』


 仮面は自分の手を握りしめて、その覚悟を見せつけた。



   ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 マラたちは法の国サバカルへの道のりに苦戦した。


 初日は中々に大変だったみたいだね。

 

 特に大変なのは狩りだった。そもそも、魔羅は、狩りをやったことすらないし、他のみんなともうまく連携ができなかった。

 まぁそんな中でなんとかナンジェルさんに習った剣術で狩ることができたらしいけど…何が1番辛かったかと言われたら、命を奪うことだったらしい。


 あれは、精神的にやばかったらしいね。その日は眠れなかったりしたみたい。


 そんで、レリエルたちは、これ以上続けたら、精神崩壊が加速するんじゃないかって考えたらしいけどジノルは、それを却下した。


 こういうことは、慣れないといけないらしい。


 すごいよね、ジノル自身も狩りをしたことなくて、自分もエルノの件は辛かっただろうに…。ちなみにネルエは、命を奪う事に関して特に気にしてないようだった。


 そんで次の日、そこでは、かなり状況が変わってきたらしいよ。連携もまぁまぁ取れるようになった。

 そしてマラの状態なんだが…結構会話はできているが、それはあくまでもエルノのことを思い出さずにいるから。


 だから、少しでもエルノを思い出すとすぐに叫びだし、叫ぶのをやめると、急に黙り込みそして、1人で何かと話していたらしい。いやぁ結構重症だね。


 んで、そんな日々が続いて狩猟も上手くできるようになっていよいよその学園がある法の国サバカルに着いた。


 レリエル『やっと着いたわあ〜』

 ライラ『長かった…』

 レリス『じゃあ次は…』

 俺『ちょっと待って…』

 レリス『ん?どうした?』


 俺は、ふとした疑問を口にした。


 俺『学園に入れる年齢は?』

 レリス『あ、気にしなくていいよ、あんたの世界がどうだったかは知らないけど、この世界…というよりここ、法の国では子供であれば誰でも入れるから。てか年齢なんて各々の種族で違うし』


 その言葉に疑問を持ったジノルは、レリスに質問をする。


 ジノル『え?あんたの世界?ちょっと待っ…』


 そんなジノルの質問を無視して、会話を続ける。


 俺『そうなのか……』

 レリス『そ、だから気にしなくていいわよ』


 華麗にスルーされた。だが、そこまで隠したい事なんだろう。と考え、深入りするのは、やめた。


 レリス『じゃ、まずは、泊まる場所を見つけないとね』


 そうしてみんなは、町を歩いて宿屋を探す。

俺にエルノのことを思い出させないように慎重に…

そのせいか誰も喋らず暗い空気が漂う。


 周りでは、賑やかなはずなのに…


 俺『全部日本語だ…』


そんな雰囲気を壊したのは、俺の疑問だった。


 レリス『え?あんた日本語って分かるのかい?』


 俺『?』


 俺は、首を傾け、疑問に思う。


 俺『ここでも日本語って言うのか?』

 レリス『ん?あぁ!なぁんだ、あんたアンエーデルから来たんだね』

 俺『あ、アンエーデル?』

 ライラ『レリス姉、それじゃあ伝わらないよ…』


 ジノル『え…』

 

 (え?ちょっと待っていきなりすぎる告白なんだけど…いや、察してたけど…隠したかったんじゃないの?)ジノルは心の中でそう思った。


 俺『えーと、どういうこと?』

 レリス『ま、知りたかったら学園へ行くんだな』

 俺『いや、まぁ行くけど…』

 レリエル『あ!』


 途端にレリエルが声を上げ、指を建物に向けて指す。その建物には、看板がぶら下がっていた。


 そこには、日本語で宿屋と書いてあった。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 

 法の国、それは…かつて地球と呼ばれる異世界から舞い降りた神が作り出し、七元徳が守ってきた国。


 だが、それは今、変化しようとしていた。


 『くっ!サヴァターク!この…裏切り者め!』


 褐色肌の成女が憎しみの表情で角の生えた男にそう言う。


 サヴァターク『……許せ』


 サヴァタークは、目を瞑り、手に持っている金棒を振り回し、その成女、七元徳が1人…忠義のタタミネに振り下ろした。


 グシャ、という音と共に血が舞い散る。


 そして、それを見てゆっくりと拍手をする人物……


"怠惰の堕神"イカラァースがそこにいた。


 イカラァース『おめでとう…今日から君は、八枢要の1人、"憤怒の鬼神"サヴァタークだよ』


 『中々にクズだなぁ!サヴァターク!仲間を裏切るなんて!キィハハハハ!』

 偉そうに龍の角が生えた少女がそう言った。


 サヴァターク『ふん、なんとでも言ってろ"強欲の龍神"イルネェル』


 『………つまらない』

   彼の名は、

        "憂鬱の天神"ナクスル


 『気になっていたのですが、あの女神は?ここには、いないみたいだけど…』

   彼女の名は、

         "暴食の邪神"ガランダァース


 『さぁねぇ〜同僚のサヴァタークなら知ってるんじゃないの?』

  彼女の名は、

        "傲慢の聖神"ライトレェル


 サヴァターク『あやつのことだ。呑気に花でも摘んでいるのではないか?』

  その女神の名は、

          "色欲の女神"ミノラル


 『気にくわねぇなぁ!なんであいつが八枢要に選ばれたんだ!?』

  彼の名は、

       "虚飾の剣神"ガーサツ


 イカラァース『それは、デキウス様の決定に異論を唱えるということなの?』


 ガーサツ『あぁ!そうだよ!』


 ガーサツがイカラァースにメンチを切る。


 イカラァース『一回脳をぐちゃぐちゃにしないとダメみたいだね!』


 イカラァースは、その行動に腹を立て、殺そうとする。


ライトレェル『こらこら、喧嘩はやめなさいよ〜』

 

 ナクスル『そうだ…ですよ…喧嘩なら他所で……やれ……ください』


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 コツコツと足音をたてながら会話をする2人の人物がいた。

 

 シゲルダ『……ここは?』

 謎の女性『私たちの拠点…と言ったところだ』

 シゲルダ『拠点…ですか…ところであなたの名は?』

 謎の女性『名?まぁこれからの仲間だ名前ぐらい教えてやる、私の名前は、ナルネだ』

 シゲルダ『ナルネ…さんですか、よろしくお願いします』

 ナルネ『あぁもちろんだ』


 その時突如『お、そいつが新人っすか?』という声が聞こえる。


 ナルネ『ん?あぁそうだぞ、ナランセ』

 ナランセ『へぇ〜』

 『なんだ、興味なさそうじゃないか』

 

 その声が聞こえた途端周りにいた人たちが跪き、僕も慌てて跪いた。


 そして、声をかけた人物は、こちらに近づいてきて、こう言った。


 『あなたが、シゲルダ?』

 シゲルダ『は、はい!』


 その恐ろしい威圧感に思わず情けない声を上げてしまった。


 『そう、なら私の名前を教えてないとね』

 私の名前は………


 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 

 

 




次回 入学試験

できれば

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