第三十七話 Aクラスの顔ぶれ
モブールや食堂のおばさんが起こした一連の犯行は記者たちの心を釘付けにした。
そのせいで学園の前には取材陣だらけ…。俺たち生徒が裏口から行かないといけない程に迷惑していた。
学園はそれを鎮めるために、取材陣に向けてデミレラ先生がこう言った。
デミレラ『一人の生徒を殺害したというのは事実です。しかし、これらは全て学園の責任、そして私の責任です』
デミレラがそう言うと取材陣はそれだけでは納得が出来なかったのか質問攻めにしていく。
『では…貴方はどういう形で責任を取るつもりなんですか!』
『その生徒の親族は納得しているのでしょうか!?』
『そもそも何故そんなことをしたのですか!?民衆の声にはデミレラさんの画策なのでは!?…というのも聞こえてきます!それについてはどうお思いで?』
デミレラ先生は責任を全てを請け負い辞職となった。
モブールを殺したのは俺だ。だが、デミレラ先生はそれを自分のものとしたのだ。
そんな善意を目の当たりにして、人間はどう思うのだろうか。少なくとも俺は…罪悪感で一杯だった。
俺『……』
サデラル『まだ…気にしてる…のか?』
俺『…まぁな…』
サデラルが相変わらずの口調で俺にそう問いただして来たので俺はそれに肯定した。そしてそんな俺を煽るようにして俺の頭に手を置いてザラルルは叫んだ。
ザラルル『へっ!情けねぇなぁ!!何もかもが情けねぇよ!』
俺『うっせ…アホ犬』
ザラルル『…は?…おい!テメェ今なんつった!!オレよりよえぇくせに生意気だぞ!!』
突然強気に言い返したからか、ザラルルは動揺すると同時に怒り俺に殴りかかってきた。
それをサデラルが軽々と受け止め、『落ちつけ…』と一言だけそう言うと、ザラルルは煮えたぎる怒りを何とか抑えた。
サデラル『ザラルルは…言葉足らず…ザラルルが言いたいのは…気にする必要ないと言うことだ…』
ザラルル『はっ!そう言うこった!!』
サデラルの言葉の付け加えに肯定し、俺を指さした。
俺『気にする必要ない?俺は!人を殺したんだぞ!しかもその責任も俺の物じゃなくたった…こんなのどう気にしないで居られるんだよ…』
怒りと悲痛が去来していた俺の様子を見ていたザラルルはこう言った。
ザラルル『テメェ!こっち向けや!』
ザラルルは突然そう怒鳴りつけ、俺の胸ぐらを掴んでさらに言葉を続けた。
ザラルル『…この世界のこと……舐めてんのか?』
俺『…は?』
ザラルル『テメェがどんな生活送って来たのかなんて知らねぇ…でもな!少なくともここでは…そんな平和なんてねぇ』
サデラル『ザラルルの…言う通り…この国もあの国も…戦争が起きる』
レリエル『戦争が起きれば…人は死ぬ』
俺『でも……戦争は起きてねぇ、あれは俺が…!』
ライラ『いっしょだと思います…誰かが勝利するには、誰かが犠牲にならないといけないんです』
ロウド『この世界を舐めるな…荒川魔羅』
『これは…………お前の知る世界ではない』
やめろ…
『人は死ぬ、だからそれに戸惑うな』
やめてくれぇぇぇ!!!ーーーーーーーーーー!!!!!
俺『うわぁあまぁれ!?』
…あ、悪夢…。でもなんか…目覚めたわ。
そうだ…この世界はそんな甘くない。
ザラルル『うるせぇ…まだ寝てんだよ…………』
そうだ。ここは異世界だ。
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ヌルデール『明日!いよいよAクラスとの対抗戦が始まる!そこで!今回は合宿で培った技術をこの二つの練習試合で試してみろ!』
俺『練習試合?Aクラスとか?』
俺の疑問にヌルデールは首を横に振ってそれを否定し、Sクラスの扉を指差した。
その時、扉が乱暴に開けられ、何者かが現れた。
『どうも!Sクラス諸君!ボクちんは!Bクラスのソジェルちょ〜ん!!』
俺『語尾きっつ…』
金髪ピアスの明らかヤンキーの一人称に驚きつつも、俺たちはBクラスと練習試合をすることになった。
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ジノル『いや〜お手柔らかに頼むよ!マラちゃん!』
俺『そういやお前、Bクラスだっけか…』
気兼ねなくそう言うと、ジノルは少し傷いたのかは知らないが、こう言った。
ジノル『うん、そうだね…僕はみんなと過ごしてるにも関わらず…………一人だけ、Bクラスなんだよね…』
ジノルが悲しそうでそうでもない表情でそう言うと、先程の金髪ピアスが唐突に一回転しながら、こちらに飛び降りてきた。
ソジェル『らしくないちん!ボクちんたちはもっと笑顔じゃなくちゃ!』
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