第十四話 ループ
前回でてきたノノミネなんですが…勤勉の守護者と書いてあったんですが、正しくは純愛の守護者です。すんません
俺はループしている…かもしれない…そう、まだ確定とは言い切れない。ドッキリとかって可能性もないとは断言できない。なので俺は今日、昨日と違う日々を送ってみることにする。もし、これでもう一回同じ会話がくり返されれば…流石に…でも、ループとか…
俺はとりあえず学園の授業を終えた。そして俺はレリエルたちに先に帰ってくれと言って、昨日の会話にも出てきた神話教会の教会堂に行ってみようと思う。
と思ったのだが、どうやら教会堂に立ち入るには、信者であるか、もしそうでない場合は信者と共にここに来て信者にならないと入ることは不可能らしい。
なので、とりあえず信者だと思われるザイルを見つけようとしたが、結局見つからずに宿屋のベッドに潜り込んでしまった。まぁもしこれでもう1日同じ日々を過ごしたのなら、確実と言っていいほどに、俺はループしていることになる。てことで!おやすみ!
ロウド『ちょっと待て』
俺『うわぁ!?ろ、ロウドか…』
ロウド『少しの間でいい俺様に体を貸せ』
俺『え?まぁいいけど…なんで?』
ロウド『これがもし、奴の仕業ならば…俺様は奴を消し炭にしてやらないといけない』
俺『奴?』
ロウド『あぁ‥腹が立つくらいウザくて性根が腐ってる悪魔だ』
悪魔…てそこまで言うほど性根が腐ってんのか。
気になる話だが、今はそれを気にしてる場合ではない。もっと先に解決すべき問題があるからだ。
そう言うことで俺はロウドに意識を引き渡した。自
分でもどうやってこれやってんのか分かんないけど…
そして、俺は…深い…ーーーーー-------
対象クク内レク不具合が発生…原因アデ調査中…
対象クク1人が多重人格者でオコユンアウユラが判明…
どトコクウオデアエユウシコ?
……………対象クク1人アデ特異点ユラシウ、不明オク点アデ修復ユウユンアウユラレク決定…対象クク1人が…
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パチパチと、瞬きをする。そして目を開き、体を起こす。今日も…張り切って参りましょう〜!
そして、俺は身支度を行う。顔を洗い、ライラとジノルにご挨拶、ネルエとレリスは疲れているのか…ぐっすりと深く眠っている。起こさないでおこう。で、普通に寝てるレリエルを叩き起こす。それから、階段を降りて、朝飯を食う。そこから支度をしてーーー
ーーー全くもって同じ展開だった…間違いなく、ループしているのだろう…流石にこれでドッキリとかって言われたらその執念のすごさに驚いていしまう。
兎にも角にも、俺は教会堂へと侵入するため、ザイルに『俺も連れて行ってくれ』と言った。その時ザイルは『なら、何でもしてくれるよね?』と言ってきたのだが、気持ち悪すぎたのでとりまサイクロンブーメランでボコした。
そして俺は何度やっても『気持ちぃ!』と言うザイルのタフさに驚きつつも、なんとか
ザイルからの了承を得た。
てことで、今俺は教会堂にいる。
俺『ひっろ…きっれい』
思わずそう呟いてしまう程に巨大で神秘的なその場所に驚いた。全体的な大きさならそこまで大きくはないのだろうが、そのあまりにだだっ広くて何もない空間のせいでとても大きい物だと錯覚してしまう。
俺『いやいや、今はそんなことどうでもいいんだ…』
そう今俺が解決すべき目下の問題はループしていることについてだ。
俺『なーんかねぇかなぁ〜?』
正直何の当てもなく、ここに来たので直接的な原因がここにあるのかすらわからない。
まぁまずは考えるだけ考えてみよう。
今俺の中には二つの説がある。まずは一日を過ごし終わってからループしている説、まだ、二回しか繰り返していないから、言い切ることはできないが個人的に一番信憑性が高いと思う。二つめは死んで繰り返している説。
これは心当たりなどがある訳じゃないが、前どっかの本でそう言う系統の物語を見たことがあるからだ。それで…これらを証明させるために今日は寝ないで過ごしてみようと思うんだが…なんにせよ、なるべくここで何か情報を掴んでおきたい。
『きぃみぃ』
途端に寒気がした。聞いたことない声、恐らく知らない人物が俺の耳元を囁いて来たのだ。
俺『うわぁ!?』
俺は恒例行事が如く驚き、体が自然に後退りした。
『君、見たところ…この教会の信者ではなさそうだね?』
俺『え、ぇえ、俺の友達…ではないけど、知り合いがここの信者で…それで気になった物で…』
『ふむ、君の名は?』
俺『マラ・ガンノール』
ソルサ『ふむ、ガンノールくんか、よろしく、私は
ヤマダ・ソルサと言う』
ソルサはそう言って右手を前に伸ばした。どうやら握手を求めているみたいなので、とりあえず握手した。
その時だった。そう…あの変態ザイルがこっちに来たのだ。
ザイル『マラちゃ〜ん…?その人は?』
ソルサ『悪いが、私は名前を教える趣味ではないのでね』
俺『え』
俺はその言葉に反応してしまったが、ソルサは顔をこっちに向けて唇に右手の人差し指を当てた。ようは黙っててくれってことのサインだよな。
ザイル『なら職業は?あと…この儀式が終わったら飲みに行きません?』
そんな下心丸出しのザイルの後半の言葉を無視して前半の質問に応じた。
ソルサ『職業…ですか、まぁ一応探偵をやっていますよ』
ザイル『探偵が?なんで?』
ソルサ『おや、貴方たちには伝えられていないのですね…ならお話しすることはできません』
ソルサさんが、探偵…ん?あれそう言えば…
俺は記憶の回路を辿っていく。すると、ある1つの考えが出来た。恐らく怪盗Mが関連していて、その怪盗Mの犯行を阻止するためにここに来たのではないか、と。
と言っても単なる予想でしかなく、全くの別件ってこともあるだろうが…
ソルサ『まぁということで私はこれにて失礼しますね』
ソルサはそう言ってゆっくりと前進して行った。
ザイル『……』
俺『どうした?』
ザイルが珍しく、何か考え込んでいる様子だったので俺はどうしたのかと、問うた。
しかし、ザイルは反応を示さない。
俺『お〜い、へんたーい、ザ・H〜』
ザイル『いや…なんでもないよ…ただ…ちょっと気になることが…』
ザイルはそう言ってゆっくりと前進した。
俺『……?なんだよ?どう言うこと?』
俺のそんな疑念の声すら聞こえていないのか、歩くのをやめなかった。
俺『やっべ〜このままじゃ手掛かりゼロだ〜……
ひとまずあのソルサさんについて行ってみるか』
そうして俺はソルサさんが進んだ道のりを追っていった。そして歩くことまぁ長い時間…そこで俺が見た光景はソルサさんが何やら事情聴取らしきことをしている光景だ。
俺『探偵‥って言ってたよな?』
何か情報を聞けるかもしれないと思った俺は、ソルサさんが話しを終えた後、勇気を振り絞り、話しかけた。
俺『あのーソルサさん…』
ソルサ『ん?きぃみぃはガンノールくんじゃないか?どうした?』
俺『その〜さっきまで何されてたんですか?』
ソルサ『事情聴取だよ』
事情聴取…俺は正直縁もゆかりもない話だからよく分からない。だが、まぁなんか話を聞かれるってのは分かる。
俺『事情聴取…なんでですか?』
ソルサ『悪いけど、それは言えないね、まぁ君なら教えてあげなくもないが…』
俺『もしかして…怪盗…のことですか?』
俺は推測した答えが正しいか確認するために、周りの人には聞こえない声量で、でと怪盗と言う言葉の部分は強調してそう言った。
ソルサ『…!君なんで…』
俺『実は今日ある手紙が届いたんですよ』
ソルサ『ある手紙?』
俺『そうです…それがどうやら俺の所に間違って来ちゃったみたいで…で、その手紙の内容が怪盗Mの予告状だったんです』
ソルサ『……そう言うことか…だから手紙…なるほど…だが、そうなると…この件にはあいつが関わってるってことになるが…』
俺『あいつ?』
ソルサ『あ〜…悪いけど詳しくは話せないね』
気にならせるだけならせてそれはないよぉ〜と、言いたい所だが、この時点で話してくれないなら無理に話しかけても無駄だろう。
ソルサ『まぁでも、君の言う通り…この教会堂にある青の宝玉を盗み出すと…怪盗Mを名乗る者からね』
俺『青い…宝玉…』
ソルサ『気になるのなら君も見てこればいい、今はまだ展示されないが、今宵の儀式が終わりを迎えたら
展示が始まるはずだよ』
俺『それって何処でですか?』
ソルサ『ここを左に曲がると、妙に赤黒い扉がある…そこを開ければいけるはずだよ』
俺『分かりました!じゃあ行って来ますね!』
俺が元気に手を振りながら赤黒い扉へと向かおうとした時、ソルサさんが割と大きな声で叫んだ。
ソルサ『君は信者じゃなかったよね?ならこれを!』
ソルサさんはそう言葉を発すると、懐からカードのようなものを取り出し、それが水平に何回も回転させながら飛んで来た。
俺『うぉ!?っと!』
俺は落とさないように掴み取ると、そのカードに視線を下ろした。
俺『なになに?…山田探偵事務所?……の…助手?』
俺『分っかんないけど、とりあえず持っていけばいいのか』
そうして俺は何もかもが見透かされてそうな程神秘的に感じる赤黒い扉の前に立った。
すると…まるで心に語りかけて来るように無駄にエコーがかかった声が聞こえて来た。
『汝が信者と示す、証を見せよ』
俺『ん?信者?信者しか入らないのか?まぁよく分かんねぇけど、とりあえずこれ見せてみるか』
俺はそう言って手に持っていたソルサさんから貰ったあのカードを取り出し、赤黒い扉に見せつけた。
『貴殿…なるほど…依頼を受けた探偵の…助手か…なるほど…理解した、貴殿の立ち入りを許可する』
心から聞こえてくる声がそう言うと、扉は徐々に徐々に開いていった。そして俺は張り詰めた緊張感とかすかなワクワク感を抱きながら、扉の中へと入っていった。
そこは…あまりに美しかった。一言で表すなら「美」そう言える程に美しいのだ。前進真っ白の壁…その一部をそっと包み込む程よい明るさの赤のカーテン…いたるところに眩ゆい光を放つ彩りが豊かなガラス…他にもまだ言いたい所があるが…今はあれに着目しなければならない。
ありとあらゆる人々が、跪き、ある1人の金髪の少女を敬っている。とても神秘的に思える自分がいる。だが、そのあまりの動かなさに気色悪さすら感じてしまうのもまた事実…
俺は口をポカーンと開きながら、その光景を見ていると、突如…1つの声が聞こえた。
『あ…あれ?え?マラさん?』
その声の主は見た目に反して結構凶暴な…ジロルであった。
俺『え?ジロル…くん?どうして…ここに?』
ジロル『どうしても何も…ここの信者だからですけど…』
俺『え、信者?マジで!?』
俺はその衝撃すぎる事実に驚いた。というのも…ジロルとたまに話したことがあるのだが…その時の話の中に神の話題が出た時あからさまに嫌悪の表情を浮かべていたので、神様が嫌いなのかなぁ〜と、勝手にそう思い込んでいたが。
ジロル『マラさんはどうしてここに?』
俺『え、えーと』
俺は怪盗の話題を避けながら、なるべく嘘と真実を交えながら事の経緯を伝えたーーー
ーーーーージロル『なるほど…ていうか…ザイルさんもここの信者だったんですね』
俺『そうそう…そういうこと』
俺『で、何だけど…あれは何?』
俺はそう言って跪く人達を指差した。
ジロル『あれは…儀式だね…神への通信だとか何とか…』
俺『…疑問なんだけど…どうして神話教会に入ったんだ?』
ジロル『…別に、理由なんてないよ…親の言う通りにしてるだけだから』
ジロル『いや、僕が勝手にそうしてるだけか…』
意味深に呟くジロルのその姿には暗い悲しみの感情が渦巻いていた。
俺『ん?』
ジロル『あ、ぁ、別になんでもないよ!』
俺『いや無理があるだろ』
ジロル『いや、まぁ…そんなことより、儀式がそろそろ始まるから…その…何だっけ?えーと雑用係頑張ってね!』
ジロルはそう言ってそそくさとこの場を逃げるように去って行った。
俺『な、なんだよ…それ…』
モヤモヤが胸に残るが気にしてもどうしようもないのでとりあえず儀式とやらが終わるまで待つことにした。
ーーーーガンノールくん!
俺『んぇ!?』
それは突然のことだった。どこか聞き覚えのある声が聞こえてきた。これはソルサさん?
ーーーー渡したカードを手に握って!
俺『え、え?これ?』
俺は何も分からないままとりあえずソルサさんから渡されたあのカードを握った。その時だった。
ウィーンという機械音が聞こえて来たのだ。
その機械音の方を見てみると…
俺『あ、青い宝玉だ』
ガラスのような物に囲まれ、密閉された蒼空の如く光輝く青い宝玉があった。
だが、それだけでは終わらなかった。
『ワッハッハ!貴様たち!私が来た!』
どっかで聞いたことのあるセリフと共に現れた黒いローブに身を包んだ謎の男がそこにはいた。
『だれだ!貴様!この聖なる場所を汚すつもりか!』
そう言ったのはさっきまで金髪の女の子といた男…恐らく、教えを説いていたと思われる神父の服装を見にまとった若い男がそう言った。
M『私?私か!フハハッ!私はM…怪盗Mだ!』
俺『か、怪盗M!出て来やがった!』
Mは慌てふためく人々を気にも止めず、青い宝玉を囲ったガラスの上にたった。
『貴様のような不届き者には制裁を下す!』
M『ふっ!やってみるといいさ!ま、そんなことより、だ!皆さんご注意もく!』
そう余裕そうなMに神父のような服装をしたさっきの男は鉄槌を下さんと飛びかかった。
その瞬間!Mは姿を消した。
『何!?』
M『はーい!皆さんご注意もーく!ここにあるのは!本物の青い宝玉…あれ?』
Mはいつのまにか最初に現れた場所に戻っていた。そして誇らしげに手を挙げていたMだったが…何か様子がおかしかった。
M『え?これ!偽物じゃん!まさか!誰か入れ替えた!?』
『何?まさか!あの探偵が!あの者…それだけはやめろと言ったのに…』
ソルサ『悪いが…はぁ……はぁ…それは違うな‥』
息を切らしながらソルサさんは赤黒い扉をこじ開け、中に入ってきた。
ソルサ『ガンノールくん!』
俺『え!』
ソルサさんがそう俺の偽名を叫ぶと、たちまち体が光に包み込まれた。
そして目をこすったその瞬間、目の周りには白の空間しか存在しなかった。
ソルサ『ふぅ…間に合ったか…ガンノールくん!』
俺『え、そ、ソルサさん!これどうなってるんですか!?』
ソルサ『気になることはあるだろうけど…私の話だけを聴いてくれないか?』
俺『え、あ、はい』
困惑したままだが、その切迫詰まった顔をしたソルサさんを見て話を聴くことにした。
ソルサ『まずは、このメモ帳だ…ここに書かれている3人は怪盗Mの可能性がある者たちだ。他の人は私が全てくまなく調査したからこいつらしか有り得ない…そして次、君も私と同じ多重人格者だから気づいているだろうが…この世界は今同じ時間を繰り返している…理由は分からないが恐らく…怪盗Mが原因していると思われる』
俺『え、多重人格者?…だから俺の記憶は残ってて…みんなの記憶は消えてるのか?それに怪盗Mって…』
ソルサ『そしてこれが最後だ…どうか…この輪廻をこのループを君の手で終わらせてくれ!』
俺『い、いや急に…何を』
ソルサ『ガンノールくん!』
俺『あ、ぁ…わ、わかりました、任せてください!
俺もこんなループさっさと終わらせたいんで!』
ソルサ『よかった…ガンノールくん、その手帳…私が渡したカードに入れてくれないか?』
俺『え、入れる!?あ、分かりました!』
俺は意図も理解できぬまま手帳をカードにぶち込んだ。
俺『うおっ!どうなってんだこれ!?』
手帳が入ったと思われるカードに驚く俺を隅に追いやるかのように、光は暴れだした。
俺『な、眩し!』
ソルサ『ガンノールくん…頼んだよ…君に任せるのは、酷だが…任せたよ』
そして、俺はーーーー------
次回 ループループループ




