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第十三話 神の存在

 『来た…のね』


 倒れ込んでいる黒き人間が謎の黒いフードをかぶった全身黒マントで包み込まれた男に話しかける。


 『来ないと思ったのか?』


 『いえ、来ない訳ないわね、で、この失敗作に何のよう?』


 『奴は今どこにいる』


 『……………わたくしはね、あなたのことは好きだけど、あなたの立場は大っ嫌いなの。だから教えられないわ』


 『ちっ』


 黒フードの男はその返答に苛立っているのか盛大に舌打ちをした。


 『あら?もう行くの?わたくしもうちょっと話したいことがあるのだけれど』


 『知らん』


 黒フード男は体を後転させ、この場を去ろうとする。


 『そんなこと言わないでよ、わたくしここで長い間閉じ込められてまともに話すことなかったのよ、毎日毎日独り言ばっかりだったから』


 『だから知らん!そもそも何も話すことないだろう』


 『あら、なら今外がどうなってるか教えてくれない?』


 黒き人間のしつこさに負けたのか、『ハァ』と、ため息をつき、黒フード男は顔だけを黒き人間に向け口を開いた。


 『……奴が暴れてる…より監視を強めるために、送り出したのに…今じゃ好き放題だ…しかも、ゼウスの野郎まで取り逃しやがった』


 『奴って…あぁ…Mのことね』


 『だが分からない何故あいつがあんなことをしたのか…』


 『でもさ何でゼウスちゃんは取り逃がしたんだろうね?』


 『はぁ?ヘマしただけのことだろう』


 『もしかして自我を取り戻したとか?』


 『そんな訳ないだろう、もしそれならやつが黙っていないだろう』


 『ふふ、まぁね』


 そう笑う黒き人間を見兼ねた黒フード男は呟くように言った。


 『じゃあな、七元徳が1人…"純愛の守護者"ノノミネの…失敗作…』


     ーーーーーーーーーーーーーーーー


 パチパチと、瞬きをする。そして目を開き、体を起こす。今日も…張り切って参りましょう〜!


 そして、俺は身支度を行う。顔を洗い、ライラとジノルにご挨拶、ネルエとレリスは疲れているのか…ぐっすりと深く眠っている。起こさないでおこう。で、普通に寝てるレリエルを叩き起こす。それから、階段を降りて、朝飯を食う。そこから支度をして…


 俺『よし、支度終わった〜』


 ライラ『じゃ、じゃあ行きましょうか!』


 俺『おん』


 そんな返答してるのかよく分からない返事を返し、俺たちはまた学園へと向かう…その時だった。


 『マラさーん!』と俺の名を叫んでいる人が1人。

何処にいるのかと、探しているとそいつは俺の視線の真ん前に降ってきた。


 俺『え、上から!?』


 そんな戸惑う俺を気にも止めず、そいつは言葉を紡いだ。


 ヒィセス『どうも〜!わたくし!ヒィセスと申します!お気軽にヒィさん!と呼んでくださいませませ!』


 そいつの名はヒィセス、頭にゴーグルを着けている

両手に翼が生えている…いわゆるハーピー族の少女だ。


 ジノル『あ、ヒィさん!久しぶりだね!』

 レリエル『久しぶりと、言っておかないと、私薄情者になってしまいますからね!お久しぶりです!』

 ライラ『ひ、久しぶりです!』


 ヒィセス『あ、ジノルさんにレリエルさん、ライラさんじゃないですか!』


 どうやらそのヒィセスさんが言うには俺宛てに手紙が届いているらしい。ちなみにこの世界にケータイとかないのか?と、以前ジノルに問いただした所…ケータイとは呼ばれないが似たような物ならあると言われた。


 ここで気づいたと思うが、この世界、俺の元居た世界の知識が存在している。ケータイや車などという存在は皆知っている。

 じゃあ、何故それを作らないのか?という点だが、単純に作るのが難しいというのもあるらしいが、過去そういった物を作った者たちは災厄に見舞われたと言う。


 だからこの世界の人々はその災厄に目をつけられないように、ケータイの劣化バージョンなる物を作成しているらしい。


 でも、そういう物は高級品らしく、貴族ぐらいしか持つことがないらしい。


 そこで、手紙だ。ヒィセスさんが作り出した郵便局、ヒィセス郵便局と言う物なのだが、圧倒的に安い値段で、手紙の配達をお願いすることができるし、尚且つ『ヒィさーん!カモーン!』と、呼ぶだけで来てくれる。


 しかもこれが結構簡単らしい。俺は使ったことないから分からないが…こんなに便利な郵便局ととても庶民に親しみやすいヒィさんのおかげで大繁盛しているらしい。


 俺『でも、一体どうやって、呼ぶだけで来てくれるんだ?』


 ジノル『いやいや、流石にそれは企業秘密…』


 ヒィセス『それは!もちろん私の固有魔法による物ですよ!まず、分身複製を使って大量の分身を作り出し、聴全範囲(ちょうぜんはんい)で、あらかじめ「ヒィさーん!カモーン!」と言う声だけを聴き取れるようにしておいて、そっから天空神速(てんくうしんそく)で素早く到着…って感じです!』


 俺『お、おん、分身体とかの話は聴いたつもりなかったけども…』


 ヒィセス『いらないと思うことも耳に入れておけ…これ!私流のことわざです!まぁ!そんなことより!です!はい!これどうぞ!』


 ヒィさんは無理矢理、話を断ち切って、手紙を渡してきた。


 俺『ん?どれどれ‥』


 誰宛てからなのか全く検討がつかないまま恐る恐る

手紙を開封した。


 ジノル『お、マラどうだった?』


 俺『えーと…じゃあ読むぞ…グフンッ!』


 俺は咳き込み、それっぽい声に変えて言葉を紡いだ。


 俺『フハハッ!私の名前は怪盗M!今夜!神話教会の教会堂にて展示される青い宝玉を盗みに参上する!

おとといきやがれ!』


 おとといきやがれってそう意味だっけ?と一心に考え込んでいると…


 ジノル『神話教会ってここで有名な宗教…だったよね?』


 ライラ『そ、その教会堂で盗みを働くってことですか!?』


 俺『でも…なんで俺宛てなんだ?』


 俺は過去の記憶を巡りに巡ってみるが、やはり答えは出ない。どうやらみんなも同じようで…


 ヒィセス『あれ?ちょっと…マラさん手紙一回返して貰っても?』


 ヒィさんは途端にそう言って俺からやや強引に手紙を取り上げた。


 ヒィセス『え?あ、送る相手間違えたみたいですね…』


 ライラ『ま、間違えるなんて珍しいですね』


 ヒィセス『んー変ですねー確かにここだったはずなんですけど…あぁ…主人に怒られてしまいますー』


 俺『ま、とりあえず、本来の送り主に送ってこれば?』


 ヒィセス『そうですね!そうします!みなさん!ご迷惑おかけして申し訳ございませんでした!』


 ヒィさんはそう謝罪を述べ、空へと羽ばたいていった。


 そうして何事もなかったように俺は学園での授業を終えた。


 俺はみんな…ではないが、みんなにバイバイを告げて、いつも通りに帰り道をレリエルたちと共に渡っていく。


 俺『あぁ〜寝む!』


 俺はそう言ってジノルにのしかかろうとする。


 ジノル『もう少しの辛抱だから…ほら、立て!ていうか僕も辛い!』


 俺『確かに…それもそうだな…ま、ならお前たち先に帰っててくれー俺も後でいくから』


 俺はそう言って地面に座り込んだ。


 ライラ『え、えーとそれはここで休憩するって事ですか?』


 俺『うん』


 ジノル『ま、なら早く来いよ〜』


 レリエル『じゃあね〜!』


 ライラ『ま、待ってます!』


 俺『おーう!』


 こうして俺は1人になったと思っていた…


 休憩しようと目を瞑ろうとしたその時…ある1人の声が聞こえて来た。そう…こいつはみんなに嫌われてる…あの変態野郎ザイルだ。


 ザイル『お、マラちゃんじゃん元気?パンツ見せてくれる?』


 俺『初っ端からそう言う話をするお前に毎度驚くよ、後普通に寒気がするからやめてくれ』


 ザイル『お?それは褒めてくれたって事でいいかな?』


 俺『勝手にしてくれ』


 呆れた俺は考えるのをやめ、いい加減な返事を返した。


 ザイル『そう?まぁ、いつもならもうちょっと喋りたい所だけど…今日は神話教会の教会堂に行かないといけない日だからね』


 俺『神話教会?それ…どこかで…聞いたような…』


 ザイル『お、聞いたことある?まぁあるか!有名な教会だし!』


 俺『お前が礼拝行くのか?なんでだ?もしかして好みの人…いや生物がいるとか…』


 ザイル『あのさ…僕を変態みたいに扱うのやめてくれない?まぁいるんだけどさ』


 俺『いや、変態じゃん』


 ザイル『でも、行く理由はそれじゃないよ、今日は神々誕生の日だからね』


 俺『神々誕生の日?』


 その日が何なのかは知らないが何やらすごそうだ。ということだけは分かった。


 ザイル『そ、今日はゼウス様たちが誕生した日だからね』


 俺『え、でもさ、どうして今日がその日だって分かったんだよ?』


 そう…というのもこの世界…時間や朝や夜という物は存在しているが、日付という物は存在していない。


 おかしな話だが、時間と言う物が存在するのにも関わらず、何月何日とか言う物は存在していないのだ。

 まぁそもそもこの世界に日付なんていらないとは俺も思う。なぜそう思うのか、単純に俺目線だけで話すなら基本的に1日1日が違うと感じとれるからだ。

いや、まぁ元々の世界がそうじゃないと言われると微妙な所だが。


 あ、ちなみにこの世界の時間には時石(じせき)と言うものがあって…そこで文字が表示される。日が朝を示していて月が夜を示している。そして上中下に分かれている。もし、日を差しているなら上が3時、中が9時、下が12時、月を差しているなら上が12時、中が18時、下が24時だ。


 使い方は日の上…とか月の中みたいな感じだ。

まぁ無理して覚える必要はない。俺が勝手に翻訳するからだ。あ?俺一体誰に言って…


 ザイル『それは簡単な話だよ!神話教会の教会堂にはでっっっかい…時計って呼ばれるのがあんだよ』


 俺『時計?時石じゃなくてか?』


 ザイル『あぁ…不思議なもんだよ、針みたいのがぐるぐる回るんだ…そう言う物が存在するってのは学園で教えてもらったけど』


 ザイル『で、それが一周したら神々誕生の日だってわかって…こうやってお祝い事をするんだ』


 俺『お前って以外と信仰心高いんだな』


 ザイル『まぁね、こうやって毎回お祈りしてたらきっといつか…神さまが僕の目の前に現れて…それで…』


 信仰心高いって言った俺が恥ずかしくなるほどにこいつの顔にムカついてしまった。


 俺『ま、とりあえずもう帰るわ俺』


 ザイル『お、オーケーじゃあね〜マラちゃん!』


 俺はちゃん付けやめろって言っておきたい所だが、もう疲れたのでとりあえず帰ることにした。


 宿屋に戻って、レリエルたちと晩御飯食って、レリスとネルエが帰って来る前に俺たちは深い眠りに落ちていった‥-------その時…かすかな爆発音が鳴り響いていたことに俺は気づくはずもなかった。


 対象クク思考…及び、外界クク時アデ止ユエアエユウ。

ピピピピ--オコアエトラクク対象クク思考アデ再び作動…成功シウアエシウトラ。


    ーーーーーーーーー----------------


 パチパチと、瞬きをする。そして目を開き、体を起こす。今日も…張り切って参りましょう〜!


 そして、俺は身支度を行う。顔を洗い、ライラとジノルにご挨拶、ネルエとレリスは疲れているのか…ぐっすりと深く眠っている。起こさないでおこう。で、普通に寝てるレリエルを叩き起こす。それから、階段を降りて、朝飯を食う。そこから支度をして…


 俺『よし、支度終わった〜』


 ライラ『じゃ、じゃあ行きましょうか!』


 俺『おん』


 そんな返答してるのかよく分からない返事を返し、俺たちはまた学園へと向かう…その時だった。


 『マラさーん!』と俺の名を叫んでいる人が1人。

何処にいるのかと、探しているとそいつは俺の視線の真ん前に降ってきた。


 俺『ん?』


 そんな戸惑う俺を気にも止めず、そいつは言葉を紡いだ。


 ヒィセス『どうも〜!わたくし!ヒィセスと申します!お気軽にヒィさん!と呼んでくださいませませ!』


 俺『あ、久しぶりですね、ヒィさん』


 ヒィセス『え?おかしいですねー今日会ったのが始めてですよね?』


 俺『え?いやいや昨日俺宛てに間違えて手紙届けに来てくれたでしょ?ほら、あの怪盗の奴』

 

 ヒィセス『え?』


 俺『だよな?ジノル!レリエル!ライラ!』


 ジノル『うん?そんな事あったっけ?』


 レリエル『覚えてないと言ってしまうと私が記憶力ないように思ってしまうけれど、本当に覚えてないよ!』


 ライラ『ぼ、僕も、全然…』


 俺『え?な、なぁ俺昨日何した?』


 ジノル『んーと、なんか忘却の神殿ってとこに行ってボロボロになって帰ってきて…レリスにしこたま怒られてた』


 俺『は?それはおとといの話か?』


 ジノル『だから、言ってるよ‥昨日の話だって、どうした?なんか調子でも悪いのか?』


 俺は気づきたくない事実に気づいてしまった。ありえないと分かっていても、この結論で説明がついてしまう…俺は同じ日をもう1日過ごしている…そう、ループ…している…と。


 

次回 ループ

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