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第十話 買い物〜

……ピチュんピチュん、鳥は鳴く。朝が来たと知らせてくれる……ってわけじゃないんですよね!?これがぁぁぁ!俺めっちゃ怪我したんですけど!?

まぁ自動回復のおかげでまあまあ治ってるんですが…でもね!眠れないんです。まだ夜なんですけど!?


 …と言っている姿は実に滑稽見えるが、痛みという物を感じないがために俺はこうしてやや強引に叫んでいるのだ…心の中で


 ロウド『ふん………なんだ、随分と元気じゃないか?』


 元気?どこがだよ!…なんか今までにないくらい疲れた…


 ロウド『ふん、当たり前だろう…貴様は弱いからな』


 俺『え』


 ロウド『ある程度の剣術やらは習ったらしいが…

だとしても…弱い…そもそも貴様己の専用武器を持ってないだろう?』


 ロウドは誇らしげに語った。


 俺『あ、確かに!よし!決めた!明日鍛冶屋に行こう!』


 ちょうどレリスにお小遣い代を貰ったんだ。使わない手はないだろう。


 ロウド『そ、そうか…やけに決心が早いな……』


 とんとん拍子に事は進んだ。


   ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ピチュんピチュん、小鳥が鳴く。朝が来たと教えてくれる。窓から差す眩しい日光が体を暖める。


 ……マジで助かる。よし、鍛冶屋はまた明日にしよう!


 ロウド『おい、起きろクソ』


 俺『はい!』


 鳥の鳴き声を聞いた俺は目を見開き、颯爽と立ち上がり、服を身につけ、ゆっくりと階段を降り、朝食を食い、部屋に戻り、支度をする。


 そんな俺の様子を見たレリエルは欠伸をしながら話しかけて来た。


 レリエル『ふぁ〜…なんでそんなに急いでるのぉ〜?』


 俺『それはな…あれ?確かに…急ぐ必要はないのか………まぁでもせっかく早く起きたんだからもう行ってくるわ』


 レリエル『そうなの〜行ってらっしゃ〜い……』


 レリエルは寝ぼけてるのか、柔らかい口調でそう言った。


 俺『おん』


 俺は支度を済ませ、また階段を降りて、宿屋の

ばっちゃんにあいさつして学校に向かった。


 その途中でロウドが心の中から話しかけて来た。


 ロウド『今から行くのか?』


 俺『いや、場所分かんないし、どんな武器がいいか分かんないし…だから同じクラスの奴に聞こうかな…と』


 ロウド『ん?何故だ?レリスにでも聞けばそれで済むだろう』


 俺『いや、まぁそうなんだけど…でもなるべく早くクラスの奴らと仲良くなるべきだろ?』


 ロウド『なるほど、会話の話題を作ると言うことか…』


 


 ロウド『?……ふっ…どうやら、見知った野次馬がいるようだぞ』


 俺『見知った野次馬?』


 そう言って自然と視線を路地裏へと向けた。


 『おい、お前、飯よこせぇや!』


 そう怒鳴る声に聞き覚えがあった…ノルマレスに助けてもらった時…いた奴だよな?確か名前はナレスだけっか?なんか会社とかを退職させられたって…ってかこの世界会社とかあるんだな…


 俺がそう考えているとナレスは俺が向ける視線に気づいたのか俺の方を見て睨んできた。


 俺『よし、学校…学園?…に行くか!』


 俺はナレスの存在を見なかったことにした。


 俺『にしても学園…ね』


 小学校…楽しかったな〜あいつ今頃何してんだろうな〜…中学校…は……いやいやあれは自業自得なんだ。今頃誰かのせいになんて……あ"ぁ!でも腹立つ!両親許すまじ!なんでこんな名前なんだよ!!…はぁ〜〜今頃あの世界の事とかどうでもいいわ!


 俺『学園生活!絶対友達100人作ってやるぜ!』

 ロウド『…?何を言って……』

いよいよ学園に着く事ができた。




 俺『よし、行くか』


 俺はそう意気込んで廊下を渡り、Sクラスの魔の扉を開いた。


 俺『……誰もいない?』


 サデラル『我、いるぞ…』


 そこにいたのは一人で自習をしているサダラルだった。


 俺『うおぁ!?』


 な、なんだいたのか…話しかけても大丈夫だよな?

や、やばい…ここにきて今まで引きこもってきた弊害が……


 サデラル『?…驚いたのか?…すまない、我気遣いできない…』


 俺『あ〜いや!大丈夫で…だよ!』


 サデラル『そうか…ならよかった』


 俺『あ、なぁ…おすすめの武器とかってあるか?』


 サデラル『…おススメ…武器?そんなもの…いるのか…』


 俺『え?武器使わないのか…』


 その時だった…『クックック』と言う気味の悪い声が唐突に聞こえてきた。


 俺『うわぁ!?』


 またまた驚き桃の木してしまったので驚かしてきた奴の顔を覚えておこう、と視線を後ろに向けた。


 その視線の先には、俺の声に驚いたのか硬直状態のムルムがいた。


 俺『な、なんだムルムか…』


 ムルム『あ…グッ!』


 ムルムがそう咳き込むと途端に倒れ伏し、こう呟いた。


 ムルム『クックック…ペリグロ(危なかった)

我がセージョ(封印されし右手)が暗黒の淵から解放されてしまう所だった…』


 俺が何言ってんだろ…と、考えていると…ムルムは立ち上がり、俺に話しかけてきた。


 ムルム『おマルティマニアの武具ならコノセル(知っている)…この脳裏に記憶されている』


 俺『コノセル?』


 ムルム『知っている…と言う意味だ』


 俺『へぇ〜何語だ?それ』


 ムルム『さぁな…この言葉は両親から引き継がれたものだ!なぁ?我が妹よ…』


 ムルムが扉の方に指をさすとそこには、つい先ほど来たのか疲れている様子のマータがいた。


 マータ『え!?…え、えぇ…そうですねお兄様…正に受け継がれていくクレーンシア(信念)と言うことですね!…』


 ムルム『馬鹿者!』


 マータ『ひゃい!』


 ムルムが突然叫んだかと思えばムルムはマータを指差し言葉を続けた。


 ムルム『クレーンシアと言うだけでは伝わらないではないか!』


 いや、あんたもさっきまで伝える気なかったでしょう…って言おうと思ったが、多分あれは独り言だったんだろうなぁ、と勝手に自己解釈して何も言わないことにした。

 

 ムルム『まぁどちらにせよ…だ、おマルティマニアの武具…アルマを手に入れる術ならば、私がこの世に生まれ落ち、月明かりに照らされた時。信託が降り、私の知識となった』


 俺『月明かりに照らされた時…?』


 ムルム『フッ、誰も心の奥底に深く立ち入る事は許されん!追憶の宝物庫からオルビド(忘却)せよ!』


 俺『え、お、おう』


 オルビドってなんだよ…


 まぁそこから何やかんやあって一緒に行こう!ってことになった。


 そして、その後の出来事なんだが…他の奴らもちゃんと来てたんだけど…結構地獄だった。詐欺行為した貴族…ジェンナードは何も喋って来んない…まぁそれだけならまだしも…


 あの獣男…ザラルルはジェンナードに相当腹が立ってるみたいだ…まぁ一応、あの変態男…ザイルがいつものセクハラ行為のおかげで何とかなってる感じ?


 で、まぁサミナお嬢様とナオマ執事とは普通に話をした。ちなみにあのサーカスでの出来事は言っちゃいけないことになってるので、そこでの話はしなかったが…まぁまぁ仲良くなれたと思う…


 そして今日もヌルデール先生がいつも通り来て、

いろんな先生が授業をして…最初は社会の授業で。

まぁ…なんかすげぇ長かったから省略すると。

魔物ってのがいて、それで異世界から力を借りた。で、その時たくさん召喚したらしい…そこで3つの世界から人が来たらしく。


 ひとつ目は昔の言葉の意味では青と緑の地…と言う意味でアンエーデルと言う世界。ふたつ目は科学と言う意味でインタカルティ。最後に…龍と言う意味でクケェセルト。この世界の名前はアラルデル。


 つまり、この世界に存在する龍人は元は異世界から、来た人物の子孫であり、この妙に進んだ文明はインタカルティの文明で、ファンタジーらしからぬ単語やらはアンエーデルから持って来られたらしい。


 ちなみに、長らく異世界人は召喚されていないらしい。


 うん!やっとアンエーデルの意味が分かったね!


 ーーーーーーーー


 そして今、マータとムルムといっしょに出かけています。


 ムルム『フッ…またもやあの武具を作りし、創造の地へと降り立つことになるとは…』


 中世ヨーロッパのようなレンガによって組み立てられたたくさんの家の間に出来た道を歩く。


 その道を歩くことは未だに違和感を感じる。本当にか?本当に違和感を感じるのか?


 そうやって自分の中で試行錯誤しているうちにひときわ目立つ金槌のシンボルがでかでかと装飾されているレンガを積み上げて出来た家のような建築物に、マータとムルムは入っていった。


 その中の光景は。大量の多種多様な武器が並んでおり…客みたいな人が2人ぐらい…あと身長が1m前後の女の人…あれ?もしやあれドワーフと言う奴なのでは?うわぁ…すげぇ……うん…と、俺が驚いていると

ムルムが他の人の反応など気にせずにそのドワーフに向けて言葉を発した。


 ムルム『祝福を与えられし、我が同胞よ!古のアルマを授かりに来た…そう…フエルテアルマ(強い武具)をな!』


 その様子を見たドワーフはどことなく…ハァ…と溜息でも吐いているような露骨な表情に見える。


 俺『なぁ…朝喋った時と大分様子違うんだけど…どういうこと?』


 俺は今まで何も言わないようにしていたが、流石に気になりすぎてがまんできなくなったので隣にいた恥ずかしそうにしているマータに聞いてみた。


 マータ『まぁ…多分どこかでスイッチが入ってしまったんでしょうね…たまにあるんです…本当に何言ってるか分からない時が…』


 俺『え?今マータさんはムルムさんが何言ってるか分かってないの?』


 そんな俺の問いかけに頷くように答えた。


 マータ『はい…フエルテアルマの意味とかはちゃんと分かるんですが…』


 俺『…変わってんな……』


 マータ『えぇ…本当に……意味が分からない…兄ですよ…』


 マータは溜息混じりで言って呆れていたが、マータはちょっと嬉しそうな表情であった。


 ムルム『如何を詠唱(話し)ている?アルマ(武具)を手に入れたいとデセオ(願望)したのは貴様だろう?来ないのか?』


 俺『あ、え?』


 理解できない俺にマータが囁くように耳元で話しかけた。


 マータ『武器を買いに来たんですよね?兄さんはそのことについて買わないのか?って言ってます』


 俺『あ、あぁ!もちろん!』


 突然耳元で囁やかれたので少々ドキドキしてしまったが…気を取り直して、どんな武器があるのか見てみることにした。


 …のだが、その武器の群れの中に一際目立つ武器を見つけた。


 俺『あの〜この武器ってどんぐらいしますかね?』


 そう言って俺が指さした先には、

見るからに古臭く錆びついたように綺麗な武器たちには似つかわしくない青い剣があった。


 ドワーフ『まぁ…本来なら1金貨ぐらいの価値は出したいんだけどね…あいにくだが、その剣重いし…見た目でも分かると思うがあんま強くなくなっちまってんだよな…親父がそれを買った時はまだ光り輝いてたみたいだが…ってことなんで…上手く扱えたら100銅貨か1銀貨で売ってやるよ』


 俺『え?買ったの?作ったんじゃなくて?』


 ゲームで見るドワーフは自分で作って売ってたんだけど…まぁそのゲームの世界ではないから違うか…


 ドワーフ『まぁ本来は作って売ってるんだけどな…親父はそこまでその武器が欲しかったらしいな』


 俺『ふ〜ん』


 俺が試しに触れようとした時、心の中から囁くような声が聞こえてきた。


 ロウド『それに触るのはおすすめせんぞ?』


 俺『ん?何でだ?』


 ロウド『今の貴様では耐えきれないからだ』


 俺『なんでそんなこと分かるんだ?』


 ロウド『そんなことはどうでもいい…他の武器を買いたいなら好きにしていいが、その武器を買うなら俺様に教えろ』


 俺『買うぜ!』


 俺はその覚悟を周りにも聞こえるような声量で示し、ややふざけ半分の気持ちでその剣を握ってみた。


 ロウド『え?』


 ロウドはその唐突な俺の奇行にキョトンとしたような情けない言葉を口に出した。


 その時だった。案の定と言うべきか……剣が光り輝くのと同時に俺の体は次第に痺れ始めた。


 ロウド『何やってるんだお前は…貸せ』


 ロウドがそう言うとすぐさま俺の視点は暗転し、目を覚ますとイスで寝そべっていた。


 『起きて…』


 途端にそのような声が聞こえた。誰だ?と思い声の主を探るとそこにはマータと右手を顔に当ててカッコつけたムルムがいた。


 俺『んぇ?あ、どうなって?』


 マータ『あ、起きたんですね』


 マータは俺にそう言って何が起こったのかを伝えてくれた…


 マータ『本当にびっくりしましたよ、急に剣が光ったと思ったら、…無言で武器を買って…かと思ったら急に倒れて……』


 武器を買って…と聞こえたので周りを見渡してみると何やら布に包まれた剣のような物が真横にあるのを見つけた。


 俺『あぁ〜いや、何かごめん…マジで変なことした…』


 俺は謝罪をしようと立ち上がろうとするが…何やら体が重い。


 ムルム『体を動かすのは不可能だぞ…何やら魔力が消え去っているらしい』


 俺『魔力が消え去ってる?…ていうかそもそもここどこ?』


 マータ『ここは私たちのお家です』


 ムルム『フッお家…か、まだまだ子供だな貴様』


 マータ『うっ!?』


 マータは突然のムルムの発言に不意をつかれたが…

何事もなかったように俺の方に向いて言葉を紡いだ。


 マータ『それで急に倒れ込んだので、ちょっと調べさせてもらったら魔力が切れてるって分かったので…』


 俺『え?調べるって?』


 マータ『えーと…私たちの親…病院で働いてて…ていうかここがその病院で…私たちもここで働くためにそういうこと勉強してるんです…』


 ムルム『ちなみに提案したの私だからな…妹は恨まないでやってくれ』


 俺『いや…まぁいいけど…君たち病院に住んでんの?』


 さっきの話から聞くと、そうとしか捉えられない…まぁ異世界だし、そう言うこともあるよね!って思ったけど一応質問してみた。


 その時……ドン!と扉をぶち破る音が聞こえたので思わず、そちらを見てみると…角の生えた女の人がいた。


 『フッフッフッ〜!スィー(YES)!精霊の泉から舞い降りし堕天せし悪魔は、この生死の間に存在しているのだ〜!』


 俺『え』


 どこかで聞いたことのある話し方からもしかして…と思い、マータに聞いてみることにした。


 俺『ねぇもしかしてあれお母さん?』


 マータ『…はい……』


 なるほど…納得である。


 『そして!我がノンブレ()はミッス!承れ!』


 …ここからの展開はなんていうか…かなり意味のない物なので割愛させてもらいます…


 ーーそして何かいろいろあって、この家…病院に泊らせてもらうことになった…自分でも何言ってるのか分からないが、風呂に入ることになった。


 ムルム『終わったぞ!妹よ!』


 マータ『あ、ウッフン!承りました!兄上!』


 ちなみにその会話は俺の耳に入ることはなかった…

たぶん、風が強かったせいであると思います。

そう言うことにしといてよ。


 俺『ん?終わったか?よし!風呂入るか』


 俺は出てきたムルムを見たので、とりあえずミッスさんにお風呂に行っていいよと言われたのでさっそく1発浴びたろと独り言を言いながら走って向かった。


 ムルム『ん?』


 ムルムは突然走り出したマラに驚いたのかは分からないが、『ん?』と反応を示した。



 ーーそして…案の定…俺は見てしまったのだ……

その光り輝く角…そして繊細なボディーを……ちょっと…だけ…興奮した。


 マータ『きゃー!?』


 ムルム『む、どうした妹よ!』


 マータ『こ、この人!変態です!』


 俺『いや、ちょっと待って!?誤解だから!

ていうか!何なの!?この漫画みたいな展開!?』


 ミッス『エクセレンテ(素晴らしい)!』


 俺『いや!待って何言ってるか分かんないけど!誰も入ってるって言わなかったじゃんか!』


 ムルム『クフフ…見苦しいぞ!妹は「承りました!」と言っていたぞ!』


 ムルムは愉快そうに笑いながら、真実を告げた。


 俺『え?本当に?』


 ロウド『あぁ…言ってたぞ、それも結構大きな声でな


 俺『なんで言ってくんなかったんだよ!?』


 ロウド『前、俺様を無視した仕返しだ』


 俺『え!?俺無視してないよ!?』


 心の中でそういった会話を続けていると、マータは『それよりも!』と大声を上げる。


 マータ『早く出て行ってください!!お兄ちゃんも!お母さんも!』


 ムルム『私はお兄ちゃんではない!兄上と呼べ!』


 ミッス『その通り!我々には天から授かりし…』


 マータ『もう〜!この人たち嫌だ〜!!!兄上!お母様!これでいいでしょ!?』


 マータが不服そうに…そしてわずかな怒りも添えて叫んだ声は空高く響き渡ることとなった。

次回 龍の道導


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