第八話 決心
楽夢『あれあれ?あれ?弱いよ弱いよね?』
楽夢は目にも止まらぬ速さで、あえて急所を外しながら1発を別の人また、別の人へと打ち込んでいく。
そしてまた1人…ジノルへと攻撃の矛を突き付けた。
ジノル『次は僕かよ!』
楽夢『飛んでけ!イン・ザ・SKY!』
ジノルは蹴られるまいと、固有魔法『高速移動』を使い、素早い攻撃を避けた。
楽夢『あらら?ちょっと調子上がっちゃった?』
楽夢はそのスピードに俊足の脚を持って追いつく。
ポンポ『援護するのら!』
楽夢『あぁ〜無理無理!無理!NO !』
楽夢はあっという間にポンポの前に立った…ポンポはその動きについていけてないようだと理解したノルマレスは援護を頼んだ。
ノルマレス『ま、まずい!誰か援護を!』
ザガマル『拙者!助太刀致す!』
ザガマルがそれに反応し、【隠秘の刀】で根元を刈るように攻撃を仕掛ける。
そして、そんなザガマルを見てあいつらが黙っているはずがない。
俺『俺もやってやる!』
ジロル『僕も!』
レリエル『私も!』
サミナ『わたくしたちもね!』
他の人達も連鎖していくように各々が覚悟を決めていく。
楽夢『よい?よいねぇ?これが友情!愉快愉快です!?』
楽夢はそう言って右足で地面を蹴って退く。
ポンポ『た、助かったのら!』
楽夢はその覚悟を試すべく、真っ先に俺に攻撃を仕掛けた。
俺『おっらぁ!血液操作ぁぁ!』
俺は叫んで血液を暴れるように放出し、まだ慣れていない血液操作を使った。そして赤い血液で作られた先が尖った棒のようなものを大量に浮かせ、手を前に勢いよく突き出し、楽夢に向けて放った。
そしてその血液で作られた棒は楽夢を突き刺そうとする。
俺『ハァハァ…めっぢゃ血を持ってかれたがこれぐらいなら』
足止めにはなる。そう思っていた。
楽夢『ん〜弱い弱いね?you're!ベーリーweeeeaaak!アッハハ!』
楽夢は『残念でした〜』とでも言うかのような表情で、俺を憐れんでみせた。
俺『く、くそ…………』
ロウド『まぁ、流石にまだ弱いな』
俺は血液の消費が激しく、その上楽夢に腹を貫かれた。痛くはないのだが、貧血によりその場で気絶してしまった。
ノルマレス『マラちゃん!』
ジノル『…結構時間は経ってるはずなのに…何で七元徳は来てないんだ!?』
誰も来ないのはおかしな話…ジノルはそれに違和感を覚え、声を荒らげた。
ノルマレスは本筋の魔法発動に対する思考を乱さないように、考え込む。
うん…変だね、もう他の人達は逃げたはずだし、誰もその事態を伝えてないわけがない。
でも、もっと変なのはあのピエロだ。チャンスは何回もあったはずなのに僕たちのことを狙おうともしない
そんな考え込むノルマレスを隅に置いた楽夢は仮面に隠された笑った表情を現すように高い声を上げた。
楽夢『この白玉の効果が消えるのは後30秒!30だよ!?どうする?耐えてみる?魔法で倒してみる!?やっちゃうよね?』
楽夢がわざとそう言うと他の人達は怪しいとは思いつつすかさず攻撃を仕掛ける。
楽夢『いいねぇ?もっと楽しんで行こうよ!?』
楽夢はサミナの扇から放たれる波動、ナオマの剣、ザガマルによる隠密での一太刀、ジノルの拳、レリエルの攻撃、ジロルの普通魔法、その全てを短剣【奇跡の非】さえも使わずに防ぎきったが、楽夢はできたはずの攻撃はせずに一歩退いた。
その楽夢の行動に皆が困惑した。
そんな雰囲気の中、楽夢は言葉を紡いだ。
楽夢『どうしたの?そんな死んだみたいにじっとしちゃってさ!ほら…あれみたいだよ古文書に載ってるナマケモノみたいだよね?!』
ザガマル『なら僕から攻撃する!』
ジノルがそう言うと楽夢は邪悪な笑みを浮かべた…と思われる。
楽夢『そう…なら?来てよ!?come!!』
ジノル『言われなくてもな!』
ジノルは拳を天高く突き上げ、楽夢はその攻撃を避けず真っ向から受けたかと思えば、くるりと回転し
後ろからひっそりと近づいていたザガマルを足で地面に叩きつけた。
ザガマル『が!』
長い間戦っていたための疲労も相まってザガマルはその場で気を失い、そして楽夢はザガマルを足場に利用し、華蓮にジノルから距離を置いた。
ジノル『やばすぎでしょ!!』
楽夢『でも、良かった!でしょ?!もう後5秒…そう…後4秒で!?』
ノルマレス『!』
ノルマレスはその危機を感じとった。
ノルマレス『ジノルくん!逃げて!』
ジノル『え!?』
楽夢『あはっ!?』
そして楽夢の守備力増強の魔法の効果は切れたが、守備から攻撃へと転じる構えを見せたと思えば白い光を体から発した。
楽夢『ここからが、本当のショー!だよ!?』
楽夢がそう言うと、あっ!という間にジノルに膝蹴りをお見舞いした。
ジノル『がは!』
そして楽夢は何度も何度も膝蹴りを食らわせる。
レリエル『ジノル!』
当然他の人たちは黙ってみているはずもなく。
レリエルは固有魔法、ジロルの普通魔法、そしてナオマとサミナは連携攻撃。
レリエル『赤創武器!』
レリエルがそう言うと、レリエルの右手には赤い波動によって…いわゆる魔力でできた魔剣を作り出した。
ジロル『サンダーインパクト!』
ジロルが詠唱を行うと楽夢に向かって真っ先に落ちていく。
楽夢『無駄だ?無駄です!?無駄ぁ!』
楽夢は叫びながら颯爽とレリエルを蹴り飛ばそうとする。
レリエル『くっ!』
流石に簡単にやられるわけにはいかないのでレリエルは魔剣でなんとか攻撃を受け流し、楽夢を切り裂こうとする。
楽夢『あら?』
楽夢はレリエルの攻撃を食らったことに対して、
戸惑った素振りを見せたが、だからと言って攻撃をやめるはずもなく、すぐに脚を引っ込ませ、レリエルを蹴っ飛ばし、壁に叩きつけた。
レリエル『くっ!』
レリエルは何とか気を保ちながら小声で言った。
レリエル『こんなとこでやられてちゃ、戦犯になるものね…何とかして立たなきゃ』
楽夢『無理だよ!?無理だね…残念!』
楽夢は小声で呟いたレリエルを足で踏みつけ、さらに壁に押し込む。
ジロル『サンダーインパクト!』
ジロルは慌てて手を前に出し、援護しようとする。
楽夢『君!…もっと良いバリエーションないの?』
楽夢はそう言って気絶したレリエルに背を向けて、ジロルに攻撃を仕掛ける。
サミナ『させませんわ!ノーブルファン!』
サミナは手に持っていた扇【淑女の扇】で下から上に振ると、そこから金色に包まれた風の刃を放出させた。
だが、楽夢は素早くジロルに蹴りを入れ、サミナを守るように立っていたナオマを地面に叩きつけ、サミナを…
楽夢は自身の短剣で喉元を切り裂こうとする。
サミナ『あっぶないですわ!』
サミナはなんとか攻撃を避けたが楽夢は休む暇を与えずにまた切り裂こうとする。そして楽夢は言った。
楽夢『もう?飽きてきたんだ!死んでよね!?』
サミナ『な!』
楽夢は真正面から攻撃すると見せかけて、すぐさま
サミナの真後ろに回った。
ノルマレス『ま、まずいよ!』
ノルマレスはライラの手を握ったままそう言った。
ナオマ『やめろ!お嬢様に手を出すなぁぁぁぁ!』
ナオマは今までにないほどの声量で叫んだ。
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彼の出身地はマサライト国…と言っても貧民街に住んでる奴だったけど…彼は元々貧乏だった家庭に生まれた子だった。
ナオマ『ねぇねぇ今日のご飯なーに?』
『今日のご飯は豪華だぞ!ネズミだ!』
父は元気にそう言った。暮らしは中々にきつく母も昔に死んでいたがナオマにとってはそんなことどうってことないことだった。
なぜなら今を楽しいと思えたから、だが当然父はそうは思っていなかった。それもそのはず父は元この国の偉い人で常識を知っていたから…ネズミなんてもの庶民ですら食わないことを…だからそこで父は決めた。子が大きくなったら自分は奴隷になって資金を子に預けようと…もう何も失うことはないから…と、だが、子が大きくなる前に父は死んだ。
『また、栄養失調で死亡…か、一体いつになったら、俺たちは元気よく生きていけるんだろうか』
同類がそう言った。
ナオマは絶望した。当然だ、彼の同時の年齢はまだ幼い。
そこからは怒涛の人生を送った。
当然、貧民街に住む人には余裕なんてものはないのでナオマを引き取る者はいなく、庶民は見て見ぬふり、偶然それを見かけた貴族は笑ってバカにしたりした。
ナオマの精神はどんどんと限界を迎えてきていた。
盗みを繰り返し、なんとか生き延びてきたがとうとうその生活が終わる時が来た。
そう、奴隷になった。
窃盗を行い、有罪になったことによって、奴隷になってしまったのだ。
ナオマ『…』
そこでの生活は良くも悪くもであった。
食事ではミミズを食べるのが基本であったが彼はその顔の良さによって数少ない性奴隷に選ばれた。
性奴隷は普通の奴隷とは違い、美しい見た目を保つため食事は豪華であった。
だが、それ以外は地獄であった。
毎回毎回、檻に閉じ込められ、オークションに出されていたりしていた。
だが、彼はそのオークションではまったく売れなかった。
『なんで!こんなに売れないんだ!くそ!使えない奴め!くっそ!大損じゃないか!』
それに痺れを切らした奴隷商人はナオマを蹴り飛ばし、価値のないものとして普通の奴隷に位をさげた。
ナオマにとっては幸福であったかもしれない、食事の豪華さはなくなったが、これからの人生が変わるきっかけになったのだから。
とあるオークションの日、商人は今回、誰かに買われなかったらお前は殺処分だ!と、唾を吐き出しそう言った。
『では、まず!3000万円から!』
ナオマはもうおしまいだと思っていた、ある1人の少女がくるまでは…
『10億ですわ!』
アイマスクをつけた老人らしき人を連れた少女はその自分に見合わないほどの莫大な数字を口にした。
『!』
商人は驚いたが、すぐに気を取り直しこう言った。
『10億!10億!もう他には誰もいませんか!?』
誰も手は上げなかった。
『落札!落札です!』
そして彼は生まれて初めて落札されたのだ。
『はい、10億!』
『ありがとうございますぅ!今後もどうぞご贔屓に!』
『では、行きましょうお嬢様』
サミナ『えぇ!そうね!』
商人はそう言って彼を引き渡した。
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そして彼は彼女の部屋に着いた。そうすると、彼女は彼に話しかけた。
『あなた名前は?』
ナオマ『ナオマ…です』
『そう!ナオマ!…じゃナオって呼ぶわね!』
『あ、ちなみにわたくしの名前はサミナ・ノー…えーと…ノーシティヤと申しますわ!』
そうして2人の暮らしが始まった。
当然ナオマは奴隷の仕事を教え込まれていたので
律儀にそれをこなしていた。
『あなた、中々優秀じゃないですか』
サミナといっしょにいた老人がナオマを褒めた。
ナオマ『ありがとうございます』
『うむ、その調子で頼みますよ、お嬢様にはだいぶ苦労をかけると思うので』
ナオマ『承知いたしました』
最初はかなりかしこまった雰囲気の彼であったが。
サミナ『ねぇ!ナオ!なんで√4は間違いなの?』
ナオマ『それはですねお嬢様…』
ナオマはそのサミナのアホっぷりと元気のよさ、そしてフレンドリーな雰囲気のおかげか、どんどんと笑顔を見せるようになった。
また彼は彼女に微かな恋心を抱いていた、そしてその恋心が決定的になった事が起きた。
ナオマは元々体が強い方だったが、今までの疲労によるものなのか風邪を引いてしまった。
その事を知った彼女は付きっきりで看病をした。本人は大丈夫だと言いながらも…そんなバカで優しい彼女に惚れた。
他の執事やメイドたちはそれを話題にしていた。
『いや〜青春だね〜』
だが、それを聞いていた両親は良く思わなかった。
それもそのはず、サミナには婚約者がいたそれも自分たちより高い階級の…そして両親は考えるだろう。
あの子は婚約者のことを良く思っていないので、もし
ナオマに惚れてしまったら結婚を嫌がるだろう、と。
サミナ父『ナオマ!貴様は!最近、仕事を真面目にしないと聞く!だから貴様はもういらない!』
ナオマ『え、ま、待ってください!』
サミナに買われる前のナオマならきっと言う通りにしただろう、だが今の彼は昔とは違う。
彼は真正面からサミナの父に反論した。
ナオマ『私はちゃんと仕事をしていました!それは
他の従業員さんたちが証明してくれます!』
だが、周りにいた執事やメイドは何も言わない、なぜなら歯向かう事は許されないから。
例え、嘘だと分かっても…だ。
『さっさと出て行きなさい!貧民街の獣共!』
そう言ってサミナの母はナオマを蹴り飛そうとした。
その時、その2人の間に入り込んだ者がいた。
それはとても美しい白髪の少女…紛れもないサミナであった。
サミナ『何されてるんですか…お母様』
サミナは今までにない形相で母親の行動の意味を問うた。
『!!、こ、これは違うのよ…サミナ』
サミナ『これで許してやりますわ!』
サミナはそう言って自分の母親を殴った。
『え、』
メイドたちはとても困惑していた様子であった、そして彼も驚いたが、そんな彼を気にも止めず、彼の手を掴み…『今度やったら許しませんわよ!』と言った。
はっきり言って本当にサミナは頭がおかしいのだと思った。
何故10億で買ったのかと聞いてみた時も、『絶対、渡したくなかったからよ!』と言っていた。やはり、バカだと思った。
貴族は基本ちゃんとした服装をして礼儀正しく、振る舞っていそうだが、本来は違うのか?どちらにせよ
彼はその出来事に対して今までにないほど笑ったのだった。
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ナオマ『はぁぁぁぁぁぁあ!!!』
ナオマは雄叫びを上げ、サミナを右手に持った短剣【奇跡の非】で切り裂こうとするばかりであった楽夢の右手を見事【従忠の剣】で斬り落とした。
楽夢『ありゃ?痛い?痛いよ!?』
その唐突な攻撃に楽夢は痛がり驚き、思わず後退りしてしまった。
ナオマはその決定的なチャンスは逃がさない。
ナオマ『後悔しろ!フェイスプルーフ!』
ナオマがそう叫ぶと、手に持っていた剣は目映ゆい蒼海の光を見に纏い、その剣をまるで重たいものを持ち上げるようにゆっくりと振り上げた。
その剣に当たれば間違いなく即死であったが、楽夢は華麗に避け、颯爽とサミナに蹴りを入れた。
サミナ『ぎゃっ!』
サミナは頭からその場に倒れた。
結局蹴りを入れられてしまったサミナだが、ナオマが止めなければ、間違いなく死んでいたのでグッジョブな結果だったと言えるだろう。
そして楽夢は後方に退き、左手を上げた。
その時、気を失っていたはずのメルモールが楽夢に不意打ちを食らわせようとした。
楽夢はその行動に気付き、後ろを見た。
メルモール『!』
『大人しく、こちに殺されろ!』
メルモールは驚きながらも決して力を緩めず、攻撃の覚悟を固める。
楽夢はそんなメルモールの後ろに回り込み蹴っ飛ばした。
楽夢『弱いのに!弱いのに?どうして!がんばる!?の?』
メルモール『…ぐふっ!ハァ…そんなの決まっておる!みなを救うためだ!』
そんな息が途切れ途切れのメルモールに頷くようにナオマは言葉を紡いだ。
ナオマ『それだけで十分な理由になる!』
気を失いかけたサミナは残りの力を使って言葉を発した。
サミナ『これを使いなさい…ですわ…メルモール……』
サミナはそう言って自分の持っていた扇【淑女の扇】を左手に取り、右手にある鉄扇【名家の扇】と重ね合わせる。
メルモール『借りさせてもらいますよ、貴方の扇…』
ナオマ『壊したら承知しませんよ』
メルモール『もちろんですよ』
メルモールがそう言葉を返すと、楽夢がその会話に突っ込んできた。
楽夢『ねぇ!ねぇ?無視するの!やめてよ?やめてよ…やめて!?』
相変わらずの口調であったが、メルモールたちはそれを無視して戦闘に入る。
メルモール『さぁ…まずは!』
メルモールが何かを唱えようとすると、すかさず
楽夢はそれに対抗するかのように叫んだ。
楽夢『形成無作!』
楽夢は煙を発生させる赤い球を出現させ、
地面に放り投げた。
そしてその煙を払うべく、【淑女の扇】の武器魔法
を発動させる。
メルモール『ノーブルファン!』
流石にまだ武器を上手く使えないのか、威力は弱いが煙を払える程度には十分で…しかも今まで一応、鉄扇を扱っていたからなのか…コントロールは完璧であったのでなんとか煙をすべて振り払う。
楽夢はそれを待ち望んでいたかのようにメルモールに自分の短剣で首を貫く勢いで投げつけた。
メルモール『くっ!』
メルモールは不意打ちだったこともありその速度に対応できそうになかった。
が、ナオマがその短剣を一刀両断した。
そして一言『気をつけろ』とだけ言った。
メルモール『こちとしたことが…』
そんなメルモールを元気付けるかのように言う。
ナオマ『行きますよ!』
メルモール『…!えぇ!』
メルモールは両手に力を集中させる。
そしてメルモールとナオマの2人は楽夢を攻撃するべく走り出した。
楽夢『来てよ?来てよ!倒してみてよ!?』
楽夢はそう言っていくつもの短剣を取り出し、そしてそのいくつもの銀の刃で命を刈り取るようにと、
華麗に舞うピエロはその刃の柄から手を放した。
メルモールとナオマはその迫り来る命を刈り取る刃を避けたり受け流したりして、なんとか走り続ける。
そして2人はいよいよ楽夢に近づくことに成功した。
楽夢『な!?なな!?』
楽夢は慌てた……振りをした。だが、ナオマは動きを止めない。
そんなナオマに楽夢は刃で不意の一撃でその命を絶とうとしたが、直前でメルモールが【名家の扇】で
一撃を防いだ。
そしてメルモールは一言『気をつけるんですね』
ナオマ『…すみません助かりました…』
メルモール『それはこちも…』
メルモールが何か言おうとした時、楽夢が会話に割り込んだ。
楽夢『ちょっと、ちょっと!?どうして!どうしてそんなつまんない話をここでするの?!』
楽夢はそう言って『形成無作!』と叫んだ。
そして出現したのはまたもや赤い球…
楽夢『ハズレだけど…!まぁいいか?いいか!?』
楽夢はそう言って赤い球を地面に落とそうとした。
だが、ナオマは楽夢が目に見えなく前に殺すかのような表情で、楽夢を見事と切りつけた。
楽夢『ぐっ!』
だが楽夢の手から赤い球が落ち….
どんどんと煙が立っていく。
ナオマ『…』
一見メルモールとナオマは気付いてないかのような動きを見せるが、楽夢がその命を刈り取ろうとした時、2人はすぐさま体を後転させ、叫ぶ。
ナオマ『フェイスプルーフ!』
メルモール『武風収束』
2人は同時に叫んだ。ナオマは武器魔法で剣に光を収束させ、メルモールは固有魔法で両方の扇に風を収束させた。
そしてその矛は楽夢を真っ直ぐ貫いた。
そんな楽夢の体には三つの入り混じった線が刻み込まれた。
たが楽夢は笑う。奇妙に笑う。混沌に笑う。愉快に笑う。なぜ?簡単だ。面白いから。楽しいから。
目立ちたいから。それだけで十分だろう?
彼の生きがいはそれしかないのだ。
楽夢『ぐっ!…アハっ!アハハ!』
楽夢に傷を刻み込んだ2人は体力の限界なのか…倒れ込んだ。
楽夢『いいね?面白いね!そうじゃないとね!?』
その時だった…声が聞こえた。その声は希望に満ち溢れていた。
ノルマレス『虚光封力!』
ノルマレスが希望に声を届けると、希望がそれに応えるようにノルマレスとライラの作り出した魔法陣が眩ゆい虹色の光を放つと、ノルマレスは左手を前に右手を繋いだまま。ライラは右手を前に左手を繋いだまま。そして2人の手から闇に包まれた光線を放出した。
楽夢『アハハッ!本来なら!受け止めれた?止められたのに!?あ〜あ!?間違えた!』
楽夢は無念の声を発したが、その声はまだ諦めていないようであった。
楽夢は両足を地面から解き放ち、後ろに退こうとする。…だが、誰かが叫んだ。
『達磨座褥!』
その声には聞き覚えがあった。そうとても元気な声であった。
楽夢『え?柔らかい!』
楽夢はその柔らかいダルマに包まれ、完全に避けることが出来なくなった。
だが、楽夢はまだあの魔法を使う。
本来なら魔力量は尽きているはずなのに。
俺の身に起こった不可思議な現象に頭を悩ませている矢先に決着がつこうとする。
楽夢は最後の希望を運に託した。
楽夢『形成無作』
そう言って出現した球の色は………白であった。
楽夢はニヤリと笑う。心底楽しむ。希望にありがとうと言う。
そして楽夢がすぐさまそれを食らおうとした
その時、突如としてその球が消える。
楽夢『あれ????れ!?アハハッ!そうか?これは!裏切り!?いやいや!そもそも僕たちは仲間ですらなかった!!アハハハハハハァァ!』
楽夢は悔しいのか悔しくないのか分からない声色で
無念を叫んだ。
『『行っけぇぇぇ!』』
そして2人の放った虚光封力は無事、楽夢に命中し、楽夢の意識だけが虚空へと切り離された。
そう…俺たちは無事に事なきを得たのだった。
次回 示した覚悟




