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第七話 戦う2つの仮面

 レリス『なるほど…』


 レリスは人差し指と親指でチェックマークを作り、下顎を支えながら、考え込んだ。


 レリス『…つまり!その怪しい行動した奴をとっちめろってことね?』


 ニレス『まぁ要約するならそういうことだ』


 ニレスはモクモクと煙を漂わせる葉巻を咥えながら

そう言った。


 レリス『てことで!行くよ!ネルエ!』


 ネルエ『あぁ……』


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 楽夢『面白いね?面白いね!!さぁもっと楽しもうよ!!!形成無作(けいせいむさく)!』


 楽夢はそう言って可憐に舞い、手から緑の球が出てきた。


 踊るように蹴りをノルマレスにぶちかます。


 ノルマレス『ウォーターアブソーブ!』


 ノルマレスは素早く反応し、衝撃を抑える普通魔法を唱えた。が、それは普通の蹴りではなく楽夢の力による強化された蹴りであり、ノルマレスはそうとうな距離を飛ばされた。


 とはいえ受けた攻撃の威力は幾分もマシになっているので、ノルマレスはすぐさま体勢を立て直した。


 そして、楽夢はすぐさま標的を変えマラに向かっていく。


 俺『え?俺かよ!?ちょま!ロウド助けて!』


 ロウド『ふん、それぐらい自分でどうにかしろ』


 ロウドは余りにも無責任にそう言った。


 楽夢『避けないの?なら蹴るよ!!』


 俺『やべ!』


 楽夢『形成無作!』


 楽夢はさっきとは違う青色の球を取り出した。


 俺は慌てて人差し指を口で噛み傷を作り、血を舞い上がらせながら叫んだ。


 俺『血液操作!』


 俺はその傷口から出た血を下手ながらも太い糸状にして、楽夢の攻撃を防ぐため楽夢の周りに張り巡らせ、俺はその場から退こうとする。


 楽夢『残念〜悪いけど今、その攻撃は効かないよ!なんてったって今はグレートォタイムゥだからぁ!』


 楽夢はそう言って青球を口に投げ入れた。


 その時、楽夢の体は段々と霧状になっていく。


 俺『え、』


 そんな尋常じゃない楽夢を見て困惑してしまった。


 ロウド『しゃがめ!』


 ロウドがそう言ったので慌ててしゃがもうとしたが、一足遅かった……俺はもろに蹴り攻撃を受けてしまったのだが…


 ポンポ『させないのら!達磨座褥(だるまざにく)!ポン!!』


 ポンポがそう言ったように聞こえたその瞬間、俺は何か柔らかいものに包まれた。そしてポヨン!と音を立て体が跳ねたような気がした。


 そのおかげか、本来全身の骨が砕けたはずの体も

あばらにひびが入った程度。


 しかし、どうやら俺はその痛みに耐えられなかったようだ。


 俺『ぐぁぁ!』

 ノルマレス『マラちゃん!』


 俺は無様にも泣き叫んだ。恥ずかしいなどと考える暇すらもくれず、楽夢は次の攻撃を開始した。



  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 一方そのころレリスたちは…


 レリス『はァァ!』


 魂装魔法…簡単に言えば、ソウルアーマー…

を使い、黄色と赤の鉱石のごとく光り輝くとても硬そうな装備を右脚に纏い(まとい)、喜ぶ表情の仮面をつけた女に攻撃を仕掛ける。


 その間、ネルエは【妖精の弓】で狙いを定める。


 荒喜『魂の具現化魔法なんぞ使っても意味ないぞ!』


 荒喜(あらき)はそう言って、両手に装着している青炎と火炎で構成されている両剣【剛直の双(ごうちょくのそう)】でレリスの蹴りに対応し、チャンスを伺う。


 レリス『あっそ!』


 レリスは煽りを無視して隙を作らぬよう攻撃の手を緩めない、左脚で素早く攻撃…そして3発ぐらい蹴って、貯めの右脚の蹴りを喰らわせる。


 もちろん荒喜もその攻撃に対応する。


 ネルエは荒喜の着地点目掛けて矢を放つ。


 長い間そのようなことの繰り返しだったが、いよいよ場面が動き出す。


 場面を変えたのはネルエであった。


 まずネルエはレリスとは反対の方向で矢を放つ。


 そして、次にこう叫んだ。


 ネルエ『瞬間転!』


 ネルエは言葉を途中で切った。

 レリス『よし、来た!』


 荒喜『無駄だよ』


 荒喜はそう言って矢を握り潰したが、それはフェイク…レリスは颯爽と荒喜の後ろに回った。


 荒喜『なるほど、面白いことするじゃないか!』


 荒喜の顔は仮面で隠れていて見えないが心無しか、笑ってるように見えた。


 荒喜は両剣でレリスの蹴りを防ごうとする。


 だがしかし、ここに来てネルエの瞬間転換の魔法が発動した。


 ネルエ『換!!』


 レリスの位置は荒喜の後ろにあった石ころのようなものと交換され、レリスはすぐさま荒喜の脚目掛けて蹴りを放ち、荒喜の体勢を崩す。


 荒喜『くっ!』


 荒喜は負けずとなんとか両手を使って体勢を立ち直し、武器魔法を発動させた。


 荒喜『スカーレットフレイムゥ!』


 荒喜がそう叫ぶと、両剣から凄まじいほど燃え盛る炎の波動がレリスに放たれる。


 ネルエ『な!?』


 今レリスのいる場所はちょうど荒喜を挟んでいるので瞬間転換を使うのは無理である。


 レリスも焦ったがとある旧友の言葉を思い出した。

その旧友の名はウィズール。髪は紫色で緑色のマフラーを身につけた彼を。これが走馬灯?



 


 


 


 その時だった。突如雷が鳴り響き、その雷は荒喜に衝突する。


 (後、2回だ…)

 (!?あなた誰?)

 (まぁ悪魔だ…名はトルエノ…では、これにて帰らせてもらう…私も暇ではないのでな)


 レリス『悪魔?』


 疑問に思ったがその思考を切り裂いて今は目の前に集中する。


 荒喜『が、がぁ!くそぉ!水鳴防衛(みずなりのぼうえい)!』


 その瞬間、荒喜の周りは水に包まれていく。


 レリス『させないよ!』


 荒喜『が、がが感電するがが、やむをを得ないぃ!』


 レリスは右腕で蹴り飛ばそうとするが手遅れであった。荒喜はその場から消えてしまった。


 レリス『逃しちゃたか…』


 ネルエ『すまん、俺のせいだ』


 レリス『いや、これは私のせいでもある、そんな気にしなくていいのよ?』


 ネルエ『…』


 ネルエは黙り込んでしまった。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 楽夢『どうした?どうしたの!?弱い、弱いよぉぉ!』


 楽夢はザガマルに短剣【奇跡の非】で一撃一撃を喰らわせていく。


 当然ザガマルは自分のドス【隠秘の刀】で何とか防いでいくが、どうやら限界が来ているようだ…


 ザガマル『くっ!拙者限界なり!』


 ザガマルの体勢が崩れそうになるが、


 ポンポ『狸も援護するの!達磨座褥!ポン!』


 ポンポの魔法により、達磨の形をしたクッションのようなものにザガマルは勢いよく跳ね、退かせることに成功した。


 そして飛んで行ったザガマルの体をジノルが見事

腕の中に収めた。


 ザガマル『感謝!』

 ジノル『どういたしまして』


 感謝の意を述べたザガマルを見て、他の人たちも戦闘に加わろうとした。


 ミムミム『私も加勢するのね!』


 レリエル『ここで手伝わないと私戦犯になるものね!もちろん援護するわ!』


 ライラ『じゃ、じゃあ僕も!』


 ノルマレス『あ、ライラくん!ちょっと待って』


 意気揚々と覚悟を述べたライラをノルマレスが

止めた。


 ライラ『え?な、何でしょうか?』

 ノルマレス『虚光封力(ここうふうりょく)を使いたいんだ。今、魔力がだいぶ減っててね…手伝ってくれる?』


 ライラ『虚光封力?なるほど!も、もちろん喜んで協力します!』


 ノルマレスとライラは手を握りあった。



 ライラはとても恥ずかしそうな表情であったが、

冷静にノルマレスの指示に従っている。


 楽夢『ん〜?何しようとして…』


 楽夢は目線をノルマレスたちに向けた。


 メルモール『油断禁物!』


 メルモールは鉄扇【名家の扇】を出現させ、

武器魔法を発動する。


 メルモール『ノーブルストーム!』


 メルモールの持っていた鉄扇に緑の色を放つ、刃のような風が収束していく。


 楽夢『ん?どうしたの?』


 楽夢は笑ってみせた。


 メルモール『!!』


 楽夢は持っていた黄色の球をメルモールに投げた。

そうすると、メルモールは頭痛が起きたのか、頭を抱えて、倒れ込んだ。


 ミムミムは素早く楽夢に攻撃を仕掛ける。


 ミムミム『華蓮奈花(かれんなはな)!』


 ミムミムの周りにたくさんの紅い花がぐるぐると、周りを、回り始めた。


 楽夢『お、いいねぇ?ならなら!僕は!ランダムで…形成無作!』


 楽夢は黒い球を出現させ、ニヤリと笑う。


 ミムミム『やらせないのね!』


 ミムミムは突進していく。


 楽夢『おもろ!おもろぉぉ!いいよ?いいよぉ!?』


 楽夢はそう言って黒い球をミムミムに投げつけようとする。


 ミムミムは、楽夢より速く動くまいと、勢いよく飛んだ。


 そして、楽夢に見事蹴りを入れ、周りに回った紅い花を飛ばす。


 紅い花は楽夢の全身に刺さったが、楽夢は正に計画通りミムミムに黒い球をぶつけた。


 その時、ミムミムの体は暗黒に包まれ、意識を失った。


 楽夢『運が良ければ誰でも瞬殺!いいね?とてもいい!?まだまだまだまだ攻撃するよ!ザ・SHOWTIME!』


 サミナ『行くわよ!ナオ!』


 ナオマ『了解いたしました!お嬢!』


 いよいよサミナたちも動き出した。


 楽夢『形成無作!!』


 すると楽夢は白い球を出現させた。


 楽夢『あは!ふ!ふ!フフぅ』


 楽夢は奇声をあげ、白い球を飲み込んだ。


 楽夢『やるね?やっちゃうよ!?』


 ロウド『何だって?』


 ロウドは自信満々に言う楽夢に違和感を覚えた。


 ロウド『まさか!』

 

 俺はボロボロになった体が何とか動けるぐらいになったが、安心はできないと、ロウドの反応で理解した。そして思った、これは想像以上にまずいことになると…


 ロウド『気をつけろ、今…奴は無敵だ!』



次回 決心


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