第ニ話 仕事
マラたちが無事、入学試験を終えた時
ネルエとレリスは石で出来た道をひたすらに歩いている。
レリス『お、着いた着いた、やっと着いた〜』
ネルエは顔を上げてその光景を目にした。
見た目はそこらのレンガ建の家と変わらず、強いて違いを言えばちょっと大きいぐらいの違いだ。
そんなことを考えてるうちにレリスは扉をコンコン!と、叩く。
そうすると中の人かはわからないが誰かが返事をする。
『入っていいぞ』
レリス『じゃあ入るわね』
レリスは扉を開ける。
そしてネルエの方を向き、こっちに来て、と言う。
ネルエはそれに従って中に入っていく。
まず入って驚いたのは内装が意外に豪華だったこと、次に驚いたのはひとつ目立つ所にでっかい建造物があり、そこではいわゆる人外と呼ばれる者がたくさんいた。
見た目が人間と変わらない人外も居れば、形だけが人間で肌などは、まったく違う者もいた。
レリス『あの子たち、元気してるかい?』
レリスは、でっかい建造物を見ながらそう言った。
『まぁな、とはいえ保護ができているのは、子供に分類される奴らだけだけどな…』
レリス『あんたも大変だね』
『で、何用で来たんだ?レリス』
レリス『何か良い仕事ない?金が手に入る仕事』
『金が入る仕事なんか無…』
レリス『ニレス〜そんなこと言わないでよ〜ほら、あんたたち人外保護団体、結構まずいんでしょ?』
そのレリスの発言にニレスは頭を掻いた。
レリス『ほらほら〜決めるなら早く〜じゃないときゅうり一本、無理矢理口にぶち込ませてあげるよ〜大丈夫!新鮮だから!』
ニレス『な!?』
ニレスは嫌悪感を示しつつもこう言った。
ニレス『…お、お前ってやつはよぉ、ハァ…
仕方ねぇな…今きついのは本当のことだしな』
ニレスはため息をついて、そう口にした。
ニレス『じゃ、まぁまずは、小手調べだな…『強情の翼』という名の盗賊を捕まえてこい、どうやら人外たちを攫いに攫って儲けているらしい。懸賞金がっぽりいただくぞ』
レリス『あいわかった』
ニレスは盗賊のアジトが載っていた地図を渡した。
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そして、ネルエたちはニレスに言われた場所を訪れた。
そこには、盗賊が6人程度。まずレリスが脚を使って先制攻撃をかます。その後にネルエの【妖精の弓】、そして固有魔法の瞬間転換を使い、レリスへの攻撃を当たらなくして相手を困惑させ、ネルエが弓で着実に撃ち抜く。
そして、無事に終わり囚われていた鳥人間を助け、特に問題なくニレスの所に戻った。
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ニレス『まぁこんぐらいは、余裕だろうな…』
レリス『で、金は?』
ニレス『おい、言っただろ…まだ小手調べだって…次からが仕事だ』
レリス『じゃ次は、何すればいいの?』
ニレス『そうだな…なら運搬の手伝いの仕事なんかどうだ?』
レリス『運搬?それ、保護団体に関係あることなの?』
ニレス『あぁ充分にな』
レリス『ま、なら行くとしましょう』
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そしてネルエたちは、今回の仕事場、馬車による運搬作業を行うことになった。
順調だった。邪魔が入るまでは…
急に"暴食の邪神"と名乗る者が襲ってきたのだ。
ガランダァース『悪いけど…それを運ばせるわけには行かない。邪魔しないなら…見逃す。でも…邪魔すると言うなら…』
ガランダァースは、冷静に尚且つ威圧的に脅す。
馬車に乗った人たちは、皆怯えている。
が、レリスたちはそれに怯えることなくこう言った。
レリス『悪いけど…そんなのじゃあビビらないわ』
ガランダァース『そう…なら死んでください』
ガランダァースは、そう言って大鎌【黄泉の鎌】を出現させる。
それに合わせて、ネルエは【妖精の弓】を出現させた。
そして、レリスは魂装魔法を右脚に集中させる。
そうすると…たちまちレリスの右脚が黄色のオーラに包み込まれ、その姿を露わにする。
見た目はカチカチしていて色は黄色と赤色である。
ガランダァース『魂装魔法…体力、技量、精神力を持たねば成せぬ魔法ですか…しかも右脚に集中させた…ですが見たところ貴方は、あえてそうしたのではなく、そうすることしかできない…つまりそこまで脅威ではないということですね』
レリス『へぇ〜そうなんだ〜よく分かりました
ねぇ〜』
レリスは、煽るように言って邪神に右脚で蹴りつけようとする。
しかし、暴食の邪神もそれに対抗して武器魔法
を発動させる。
ガランダァース『ソウルクリーチャー!』
そう叫ぶと、ガランダァースの横に死神らしき者が霧のような見た目で出現する。
ガランダァース『行くよ!師匠!』
死神『あぁ、もちろんだ』
死神は、そう言ってレリスを大鎌【黄泉の鎌】で引き裂こうとする。
それにレリスは、反応して叫ぶ。
レリス『たかが幻影よ!』
レリスは死神を蹴りつけようとする。
と、見せかけ…それと同時にネルエは、固有魔法…瞬間転換を使い、レリスをガランダァースの後ろにあった草と交換させ、レリスはすぐさまガランダァースの背に脚で蹴り上げる。
ガランダァース『く!』
ガランダァースは高く打ち上げられる。しかし、その横にいた死神がレリスに大鎌を振り下ろす。
レリスは、それを避け…死神に攻撃した。しかしその攻撃は、ただ霧を貫通したかのように死神の腹を貫通した。
レリス『なるほど…実体のないもの…』
レリスが考え込むその隙にすかさず死神は、大鎌を横に振った。
レリス『!』
その瞬間とてつもない死を感じ、後退し攻撃を避けた。
ネルエ『実体はないくせして攻撃は当たるのか』
その通りである。ソウルクリーチャーは、本来実在しないものを、作り出す魔法…そのクリーチャーの攻撃も当たらないしクリーチャー自身にも当てられないはずで、ただ相手を惑わすだけの魔法だが…このクリーチャーには、明確な思考と言うものがある。
そのためか、相手の攻撃は当たらないが自身の攻撃は、当たると言う意味不明で尚且つ理不尽な物になった。
レリス『ってなると…あの邪神を倒さないといけないってことだね』
ネルエ『あぁ…』
そして本当の戦闘が始まった。
1番最初に攻撃したのは、天に打ち上げられた邪神ガランダァースであった。
ガランダァースはすぐに体勢を立て直し、自身の固有魔法「魂乃暴食」を発動させる。
すると…ガランダァースの持っていた大鎌が光に
包み込まれ、落下と同時にネルエに向けて鎌を振り下ろす。
ネルエ『くっ!瞬間転換!』
ネルエはガランダァースの魔法の危険性を察知し、咄嗟に魔法を発動し…攻撃を避ける。
そして、その次に動いたのはレリス
レリスは落ちてきたガランダァースにすかさず蹴り倒しにいく。
が、そうはさせまいと死神が動いた。
死神は殺気を放ち、脅す用に大鎌を振り翳す。
レリス『悪いけどそんな脅しは、効かないよ!』
死神『そうか…なら死ね!!』
死神は素早く大鎌を振り下ろした。
レリス『おっと…』
レリスは華麗にかわす。
その動きにガランダァースが反応し、着地狩りを
狙って【黄泉の鎌】を振るった。
その攻撃に素早くネルエが反応し、またもや瞬間
転換を発動し、木と入れ替わる。
ガランダァースはやや不機嫌な顔で言う。
ガランダァース『邪魔だね、あのエルフ』
ただ、多くの人は思うだろう。何故テンセルの時のように遠くに飛ばさないのか…と。
瞬間転換とは、目の前にある対象物と頭の中で一番近くにある想像した現実にあるものを交換させる魔法である。
想像すると言っても中途半端な想像ではなく、外見を精密に想像しなければならない。
しかも戦闘中は特に…ミネルネといっしょにいた時は安心できたのか…精密に想像するのは案外簡単で
あった。
だが、今は違う。ミネルネはここにいないしネルエも焦っているこの状況、精密にしかも素早く想像するのにわざわざ遠くにある物を精密に想像することは
難しいし、人物と人物を交換するのは不可能に近しいぐらいなのだ。
レリスはこのままではまずいと思い、固有魔法を
発動させる。
レリス『黄防障壁!』
レリスが自分とネルエの周りに黄色の障壁を作り出した。
その障壁を死神がスリ抜き、ネルエを大鎌で切りつける。
ネルエ『くっ!』
それからの戦闘は、激戦であった。
死神とガランダァースの連携攻撃…ネルエの瞬間転換を駆使してその連携攻撃をうまく崩し、ネルエがガランダァースの手を弓の武器魔法フェアリーアローで射抜いたり…レリスとガランダァースの大鎌がぶつかり合ったり……
そしてそんな中でいよいよその激戦は終わろうとしていた。
ガランダァースが鎌をネルエに振り下ろすと同時にネルエがレリスの方を見て自分の弓と瞬間転換…
ガランダァース『な!?くっ!』
レリス『くらいな!!』
レリスがガランダァースにドロップキックをくらわせる。
なんとかガランダァースは大鎌で防いだが…
衝撃のおかげか、ガランダァースは倒れ込み死神は
消え、勝利した…はずだった。
『まったく…やっぱり1人で行かせるんじゃ
なかった…』
そこにいたのは"傲慢の聖神"であった。
ネルエ『くっ!新手か!』
ネルエは急いで弓を取りに行き、レリスも体勢を立て直す。
ライトレェル『今回は仕事失敗ね』
ライトレェルはそう言って手に宝石らしきものを取り出し姿を消したのだ。
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レリス『んなことがあってね…大変だったのよ』
ニレス『そうか…暴食の邪神か…』
レリス『なんか知ってんの?』
ニレス『知らん!』
そうしてレリスとネルエ2人の初仕事はこれにて
終了したのだった。
次回 錚々たる面子




