《感謝回! なろう1000ポイント達成の約束通り、スーツちゃんは約束を守るぞなもし。何が何でも低ちゃんにブルマを穿かせてみせーる!》
喜びを糧に速攻で書いてみました。活動報告にコメントを下さった皆様、ありがとうございます。
※以前なろうの活動報告に書いた『評価1000を超えたら主人公にブルマを穿かせる』の約束回となります。読まなくても本編になんの影響もありません。また特定の業の深い衣装を指定しているところからお察しの通り、微エロを含むかもしれません。苦手な方はそっ閉じをお願いいたします。
時間は少しだけ遡り―――――――
《―――低ちゃん、運動において衣服に求められる重要な要素はなんぞや?》
「あん? そうだな……動きやすさと環境に適した形状じゃねえの?」
風呂掃除の最中になんだよ。しっかしこの寮の共同風呂は広いから時間が掛かってしょうがねえなぁ。
カビってヤツはちょっとした汚れと湿気を見逃しちゃくれない。ちょっとほっとくとすぐにヌルヌルの赤カビとしつっこい黒カビが大繁殖だ。しかも一度ついちまうと深く根を張ってなかなか根絶が難しい。そうなるともう薬剤の出番だ。
一番良いのは日頃から小マメに掃除すること。何事も地道が最強だ。
《そう、動きやすさと環境に適した形状。衣服が適していれば効率バツグン、大正義なのだ》
酸性の洗剤とアルカリ性の洗剤が混じると猛毒が発生するのは有名な話だが、それがなくても換気とマスク、手袋はしたほうがいいぜ。肌が弱いオレみたいなタイプは特にな。底辺層で触ってた水とか、今の肌に触れたら一発で爛れそうだよなぁ。
《つまり水仕事をしている低ちゃんはスク水に着替えるべき!》
「嫌です」
水着で清掃するプロの清掃員がいるか? それが答えだ。女が水着で掃除するなんざ野郎のエロい妄想の産物でしかねーわ。
《なんで!? せっかくのシチュを活かそうよー》
「シチュってなんだ。掃除はただの日常だろうが」
日常生活でいちいち水着に着替えなきゃならんようなドラマチックな展開があってたまるか。スーツちゃんはたまに、いやわりと頻繁におかしなこと言うから困るぜ。
よーし終わり。後はしっかり水で流す。お湯だと湯気の湿気でまた繁殖しやすくなるから基本は水だ。それとどうせ風呂に入ってそのとき流すんだからいいじゃんなんて思うなよ? 排水管とかこういった薬剤でかなり痛むって話もあるからな。さっさと流しちまうのが賢明だ。
《みーずーぎっ、みーずーぎっ》
「あーもー、うっせーなオイ! ガキがお菓子ねだるみたいにコスプレを要求すんな!」
《むーん。じゃあせめてジャージ以外を要求するゾ。いつもこればっかでつまんなーい》
「服がつまんないってどういう心境だよ……まあスーツちゃんには世話になってるし、水着以外なら。あ、レオタードとかは嫌だぞ」
《チッ》
チッて言った! こいつ今チッて言った! 舌打ちしやがった!
《低ちゃんはもっと色々と着てみるべき。美少女キャラは生まれたその日からエロ可愛いを追求する義務があるのだ。エロ可愛いを》
「エロを強調すんな。可愛いはともかくエロは絶対に余計だ」
《じゃあこのシチュで水着以外として、どんなのがいいのさー?》
「どんなのって……やっぱジャージが一番じゃね?」
《はい。会話のループを確認したので強制的に進行しまーす。モーフィング開始ぃー》
「ちょ、おい待てっ。せめて常識的な服にしてくれ!」
《エロスのためなら常識なんて豚に食わせちまえ!》
「嫌だぁー!」
<放送中>
「マコちゃん、付き合ってくれてありがとね」
基地からの帰宅前に入用な物を買いに、学生御用達の格安マーケットへ顔を出しに行った初宮。それを心配した夏堀と向井が買い物に付き合い、今日はやや遅めの帰宅となった。
商品に関してはさっぱりだが素材に関して知識のある向井は存外役に立ち、初宮がつい手に取った有害物質の含まれる材料を使った中古の小物入れを危険だと弾いている。
安かろう悪かろうは仕方ないとしても、ほんの十数年程度前でさえ人体に害のあるものが法で認められ、平気で売られていたという現実は重い。自分たちが生まれる前からこの国の中枢は腐っているという証拠を見つけたようで、3人はなんともいえない溜息をついてしまった。
住む場所が違う向井とはA地区行きのシャトルで別れた二人は、お揃いの手提げ袋を抱えて少しだけの高揚感を持ってその場所に辿り着く。もう何度も帰宅しているのに、二人にとってはまだまだ夢の国のようなその家に。
「もー、それさっきも言ったじゃん。いいって。ただいまぁー」
夏堀が門の電子チェックを抜けて入っていくのは、ごくごく一般的な年収の家庭で生まれた二人が住むにはあまりにも豪華な家。
表札に書かれた名称は『Seriously Real Place』。
元は富裕層の学生を対象にした高級寮で、今はとある学生が土地ごと買い取って暮らしている。家主はこの寮の名を略して『SRP寮』、もしくは『SP寮』と呼んでいた。
地下都市でも特に地価の高いA地区を堂々と一括で買い取ったその女学生は、どの都市であっても職業として存在する『スーパーロボットのパイロット』をしており、過去類を見ない驚くべき戦果を叩き出して中学生の身で驚くべき大金を稼いでいた。
その名前は玉鍵たま。初宮と夏堀と同年代の14才の少女。
その容姿を一言で言うなら、生きた宝石だろうか。
腰まで流れる輝かんばかりの黒髪と抜けるような白い肌を持ち、無駄の一切を排したが如き整い過ぎた体躯はまるで戦う獣のように美しい。
顔立ちはずば抜けて美しく、同性の二人でさえ気が付けば魂が持っていかれるほど惹き付けられる異様な魅力を持っている。
しかしながら、容姿だけで彼女を評価するのは早計。玉鍵たまはパイロットとしても桁が違うほど優れている。現に彼女はこうして都市の一等地に住まいを構えるほどに稼いでいる、世界屈指の撃墜王でもあるのだ。
―――だが、もしも玉鍵という少女と接する機会が出来た幸運な者はこうも言うだろう。
とても頼もしく、何より温かい少女だと。
「あー、玉鍵さんはもう帰ってたかー」
玄関に丁寧に揃えられたスニーカーを見た夏堀は、自分が脱ぎ散らかしかけた靴を慌てて揃える。
いくら世間で天才と呼ばれる少女が相手でも、同年代である玉鍵にこのようにキッチリとした姿を見せられたら自分も範を正さなくては落ち着かない。
「長官たちの話、早く終わったんだね。もう少し待っていればよかったかな」
基地きってのエースである玉鍵は高屋敷長官や整備長の獅堂によく呼ばれることがある。今日も訓練後に新米の女性長官に呼び出された玉鍵は、先に二人に帰るよう言っていた。
〔嫌だぁー!〕
「っ、玉鍵さん!?」
「ちょーっ!? 足、靴!」
不意に1階の浴場から聞こえてきた叫びに初宮が即座に荷物を放り捨て、脊髄反射したかのように土足で室内へと駆け込んでいく。あまりの事に思わず片言になった夏堀もまた、やや混乱しつつも玉鍵の叫びから異常事態と感じて後に続いた。
「たまか―――!!?」
……大急ぎで駆け込んだ先で初宮由香は見た。
引き締まった細く白い太ももを惜しげもなく露わにし、その小振りなお尻を下着程度の面積で包んだ背徳的な紺色を。
そして……ほんのわずかに紺色からはみ出た下着の白いラインを。
「―――――――かはっ……」
「え!? 由香!? なにがどうな――――っ!?」
ボタボタと血が垂れる鼻を押さえて崩れ落ちた親友に驚き、夏堀もまた視線を向けた。
浴場には水を被ったらしい一人の少女がいた。学校指定の体操服姿を着た―――玉鍵が。
濡れた白い運動着の向こうには彼女らしい清楚な白いブラが透けて見え、ぐっしょりと濡れた衣服はその下のブルマを伝って太ももにまで水滴を伝わせている。
この少女らしからぬ、やや内股気味になった太ももを。
「―――――――ぐはっ……」
「な!? お、おまえらどうした?」
こっちのセリフだ。そう叫びたい二人であったが、今はただひたすらに鼻を押さえるしかできなかった。
「そ、掃除してたら虫が出てきた(んだ)」
……もう、こうとでも言うしかねえ。
上は夏用の半袖の運動着、下は―――ブルマ。生まれて初めて穿いちまったよ……は、ははは、はははははチクショウ! チクショウ! 赤っ恥だクソッタレ!
「そそそそうだったんだ。えーと、あの、驚いたよ……」
「ウウウンッ、ソーダネ。私も驚きすぎて鼻血が出ちゃった……あ、アハハ」
血でグッショリしたティッシュで鼻栓をした二人が『浴槽掃除中に虫に驚いてすっ転んだ』、という事にしたこっちを気遣ってくれる。
嘘ついて悪いな二人とも。けどオレにとっちゃ衝撃的だったんだよ……。
鼻血のほうはどういうことかはさっぱりだが、タイミング的に見てこれもオレのせいなのは間違いないだろう。オレ自身たまに戦いで鼻血を出したりするからな。鼻血吹くほど大マジで焦ってくれたのかもしれねえ。悪いことしちまった。
「すまん」
「ううん全然! むしろご褒美、じゃなくてムラッ、とぉーっ! とっ、とても心配したけど! ……無事ならいいの! よかった」
「そうそう! すごくエ、えぇっと……驚いただけだから!」
(恨むぞスーツちゃん……)
《おやおやん。紺はお嫌い? 次は赤にしようか? ウヒョヒョヒョ♪》
(違う、そうじゃない。世にも邪悪な笑い方をするな!)
ダメだ。何を言っても今日だけはこの変態無機物に通じない気がする。いや、それを言ったらいつもの事って気もするけどよ。
(はあ……もういい。風呂は後回しで廊下を片付けるか)
緊急事態ってことで初宮が土足で入っちまったようだ。廊下にはちっちぇ靴の跡が残ってる。
けど、これを批難する資格はオレには無え。事の発端だし初宮の判断のほうが正しい。これで暴漢でもいたら逃げるにせよ戦うにせよ土足のほうがいいからな。強盗が入ってきたとき窓を割ってガラスが散乱している可能性だってある。緊急時は土足で正解だ。
えーと、雑巾とバケツと塩素剤っと。アルコールは死滅しない菌もいるから使える時は塩素剤一択だ。夕飯の時間も押してるしチャッチャと拭き掃除と行くか。
実はちょっと憧れてる掃除法があるんだよな。暇に飽かせて観た昔の高名なアニメ映画でやってた、廊下の端から端まで雑巾がけで駆け抜けていくヤツ。
主人公の女の子は慣れない仕事で初めうまくやれないんだが、だんだんと仕事を理解して雑巾がけも立派になっていくんだ。バカな親の尻ぬぐいってところが気に入らないが、素直に名作だったぜ。
「あ、私がやるよ! 玉鍵さ―――!! ……うぶっ」
「いいから。初宮、無理しなくていい。二人は血が止まるまで寝ていてくれ」
「いや違うの玉鍵さん。な、なんて言ったらいいか、その格好で床拭きは―――うぼぁっ」
おいおい夏堀もか。ティッシュが鼻血を吸いきれなくなって口まで伝ってるじゃねえか。ほれ、新しいのに替えろ替えろ。中坊だもんなぁ。代謝が良くて血の気が多いのはしょうがねえ。
……それにしても食い込むなぁ。男のポジション直しじゃあるまいし、いちいち尻のところを直さにゃいかん。って、これパンツはみ出てんじゃん。クソ、絶妙にうまく戻らないな。
「「《ぐはぁ!!!》」」
さっきからなんなんだ? スーツちゃんまで。うーん、よし。鼻血程度とはいえ失ったことには変わりないし、今日はレバニラにでもすっか。ちょうどパテにするために臭み抜きしてるのがあるしな。
―――翌日。オレが起きた頃には『一睡もできませんでした』って顔の二人がヘロヘロで朝飯を作っていた。なのに妙に満足気な顔で、こう言っちゃ悪いがちょっとキモかった。
《思春期の1人部屋って大事。スーツちゃんはそう思いました》
(同意するがなんのこっちゃ? あと、しばらく変な衣装は勘弁してくれよな)
《ウッス。次は直穿きスパッツとかいかがでやんしょ?》
(燃えてしまえ)
1日経って読み返すと暴走が過ぎる…




