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トラブル続出! 初陣は混ぜ物コーヒーより苦い

(各部、動作チェックプログラムをスタート)


 右手は出撃のための操縦席の最終セッティング。担当オレ。左手はタッチパネル使ってソフトウェアからコンディションチェック。担当スーツちゃん。


 訓練で使ったシミュレーターとは違う、金属とこすったビニールのような臭気が充満した操縦席で最後の確認作業中。


 こういうのはシートがちょっとズレてるだけでもストレス感じるもんだからな。イライラしたら考えが雑になって死ぬ確率が上がるから余裕のある内に気を付けねえと。戦闘中にシートの角度直すわけにもいくめえ。


《はいな。チェック、エラー……無し。近接兵装はノーマーク。最初から除外。実体剣ちゃんカワイソス》


(いるかあんなもん。せめて刃にレーザー発振体でもつけて出直して来いっ)


 刃物振り回して装甲が切れるならもっと威力のある砲弾のほうがよっぽど効くわっ。逆に砲弾レベルのエネルギーが通らないならロボットが剣叩きつけたって通るわけねえだろ。弾切れになったら使えってか? 弾切れになるような事態なら剣なんて使う前にぶっ殺されてるわ。前提からして破綻してんだよその装備はよ!


《せんせぇー、スーパーロボットに近接戦ロマンは無いんですか!?》


(スーパー系の近接にはロマンはあります。でも少なくともBULLDOGには無えよっ)


 二足歩行でもBULLDOG(こいつ)のコンセプトはほぼ戦車だからな。戦車でわざわざ体当たりなんてするか? する場面なんて億に一つだろ。海戦だって砲の性能がある一点を超えた時点でラム・アタックは廃れたんだよ。撃てば済むのにわざわざ近づいて殴るかい。


 ひとつでも通用する飛び道具持ってたら白兵戦装備に用は無いんだ。オレも勢い任せに体当たりくらいはするが、今まで剣でドツキ合う場面なんてありゃしなかったよ。それよか浮いた積載量で別の得物なり予備弾積むわ。


《それでもランチャーふたつ抱えとは思い切ったねぇ》


 ロートルに積んだR・P(ロケットポッド)の上位グレード、単発打ちも出来るランチャーだ。まあだいたい開幕飽和攻撃するから一回で打ち切るがな。


(さすがに過積載だな。戦場降下の前に一丁は撃っておかねーと着地で脚部を痛めそうだ)


 20メートル級のBULLDOGはご先祖様のロートルの倍の大きさだ。しかし現実のサイズアップは重量も単純に倍とはならない。縦横のほかにも奥行きがあるから体積が激増する。ちょっとサイズが上がるだけでスゲー重くなるのが現実の物理法則だ。


 仮に人間の大きさをBULLDOGと同程度になる10倍にしたとしたら、その重量は約4000倍にもなるってんだからな。


 そりゃ巨大戦闘ロボットが非現実と言われてもしょうがねえわな。けどSワールド特有の謎現象によってロートルは約50トン、BULLDOGの重量は200トン未満だってんだからスゲーというよりおっかねえ。こいつも実はスッカスカじゃねえの?


(搭載火器を確認)


《肩部外付けの8連装R・L(ロケットランチャー)が二丁、背負い式180ミリ折り畳み砲フォールディングカノンが装弾8発で一門、右手に携行式の60ミリマシンライフル+アドオン式150ミリ榴弾発射機(ライフルグレネード)、左手に外付け3000発の25ミリモーターガン、胴体内蔵式30ミリ機関砲が各100発づつ二門、脚部の展開式追加装甲にライフルグレネードの予備弾6発》


(他はスモークと対ミサイル用のレーザー弾幕張る迎撃装置2回分だな。携行の60ミリには40発の予備弾倉が四つ。どれも性能見る限りは、まあ打ち切る前に砲身が焼き付いたりはしないだろ)


《低ちゃんはロケット以外だとモーターガン好きだねぇ。発射速度は早めに設定してあるから40秒持たないよ。撃ち過ぎないようにね》


(外付けなんだからランチャーと同じだよ。撃ち切ったら捨てるさ)


 もったいねえが命のほうが大事だからな。これが実体剣より安いってのが笑っちまう。


《お、爺ちゃんから通信来てるから繋げるよー》


(あん? 搭乗前に散々うだうだ小言吐いただけじゃ足りねえのかよ)


《お爺ちゃんの話は長いものだよん。整備とケンカしたら寿命がマッハなんだから聞いてあげまいまい》


 まいまいってナンダ?


<嬢ちゃん! 1機だ! いいか、1機ブッ倒して帰ってこい!! 欲張るんじゃねえぞ!!>


 何言ってやがる、1機じゃ一般層でも金になんねーよ。こんな過積載で行くんだからオプションの装備代込みで最低3機は潰さねえとな。あとモニターに近すぎ、デケえ鼻だなオイ。あー鼻毛って白髪になるんだな、つーか見せんな。


「(こちとら食ってくためにゃ)頑張る(しかねえんだよ)」


(だーかーらー、オレに何をさせたいんだスーツちゃん!!)


《ウヒョヒョヒョッ、もう男女(おとこおんな)キャラはいるっぽいからネ。低ちゃんには世間知らずな感じのピュアなキャラでいてほしいのダ》


(……視聴率のためか?)


《スーツちゃんの好み!!》


 悪魔か貴様はっ!? 他人が望むとおりに演じる人生の何が楽しいっちゅーねん。好きな人に合わせますなんて生き方ヘドが出るわっ。視聴率は、そりゃ欲しいがよっ。


《このお爺ちゃんみたいな人は庇護欲を掻き立てたほうがスムーズぞ。整備の偉い人みたいだし? 何より長官(ヒゲ)から守ってくれそうじゃん》


(低ちゃん、がんばるぅ!)


《Oh……、美少女なのにオッサンの気配がしてマジでキモいゾ》


(もう二度とやんねえ!!)


 ちょっとノッただけなのにこの仕打ち!! 本気じゃねーよ、出撃前にちょっと気持ちをほぐしただけだっつーの!!


<頑張る、じゃない! 倒したらすぐ戻ってこい!!>


「(うるせぇ!!)やる(ことやってろジジイ!!)」


《はーい、時間厳守の出撃のお時間でーす。シャトルとの熱いドッキングに備えてくださーい》


 熱かねーよ。なんでロボットをカタパルトでカッ飛ばして空中でドッキングせにゃならんのだ。いや、出撃枠対策と知っちゃいるが愚痴りたくなるくらいヒデェよコレ。


 ゲートはデカいからシャトルに乗れなくてもそのまま突っ込んで行けはするが、シャトルの誘導で望み通りの戦域に行く方式だから乗れないと予定外の場所に行っちまう。ひどい話だと水中適性の無いロボットが大海原に飛び込んで、そのまま沈んで圧壊した話なんてのもあるくらいだ。


 あーあ、オートでやれりゃ楽なんだがなぁ。


(じゃあ行くか。候補は決めてたまんまでいいや)


《いつものように対空の少ないところね。それではいきまっしょい》


<参、弐、壱>


 なんでわざわざ漢数字なんだろうなーコレ。カウント考えたやつ馬鹿だろ。


<轟!!>


 轟じゃねーよ。GOとかけてんだろーけど寒いわ!! こちとら命かかってんだよ!!


《くぅー、燃える!!》


 後ろに皮膚が持ってかれそうな強烈な加圧のせいで思考が千切れて文句も言えねえ。この無機物とは微妙にセンスが合わないのは前から知ってるがな!!


 手足が後ろに粘つく。磁石付きの座席に自分も磁石で出来た服を着込んで座った気分だぜ。ボチボチ(ケツ)からやってくるシャトルとドッキングに入るのに指がうまく動かねえ。クソ、実機は思ったより操縦席周りの耐G性能が低いのか? それともさっきジジイを助けたとき指がイカレたか?


《ドッキングまで4、3、2》


 クッソ、ボケェッッッッ!!


《1、ドッキング成功。おつ》


(戦闘前だっつーのに、最初(のっけ)からキツイなぁオイ)


()()を貸さなくても平気だったねー、低ちゃんも成長したでおじゃるな》


 速度に体が慣れて加圧を感じなくなって、さっきまでの辛さがウソみてえに楽になった。これで後はシャトル任せだ。シャトルっ()っても立派なもんじゃねえがな。


 こいつは外見は(ぶっ)とい本機に細いミサイルを束ねて付けたみたいな代物だ。この細い方に同時刻出撃する近いサイズのロボットがくっ付いて、あとはシャトルが散弾みてえにパーッと分かれて設定した戦域に飛び込んでいく。昔の宇宙ロケットの切り離しエンジンみたいな感覚だ。


 ああ、開いた開いた。ゲートに広がる虹色のグニャグニャした空間に無数の穴が出来る。あの穴がそれぞれの戦域に繋がっているってワケだ。


《切り離しまで5、4、3》


 うん、スーツちゃんのカウントのほうが精神衛生上ずっといい。HUDヘッドアップディスプレイは見ないようにしよう。


(2、1、切り離し。Sワールドに突入、戦域確認)


 じゃあな。一目も見てない友軍諸君、おまえらも生き残れよ。


《設定通りの砂漠地帯だね。敵性反応なし。地表から5000、毎秒約200で降下》


(1000までこのままシャトルで降下。こりゃランチャー撃たずにのんびり降りれそう―――)


《ロックオン!? パージパージ!! 切り離して!!》


 脚部のドッキング用パーツを強制爆破! 自由落下開始、何だちくしょう!! 砂漠に隠れる場所なんてねえぞ、どこにいやがる!? 埋まったまま攻撃できるとか言わねえよな!?


(レーダーにも映んねえ!! どういうこった!!)


《低ちゃんは姿勢制御を優先して。スーツちゃんが見つける》


 ああクソ、落下中だったな。陸戦機に無茶させやがる。こいつは何度もブースター吹かすと帰れなくなるんだよ!!


(カニバルは嫌だ、カニバルはもう嫌だ)


 砂漠じゃカニバル以前に乾いて死ぬか? 水さえ()えよな。廃墟フィールドの雨水は底辺層よかマシだったけどよ!


《キタキタキタ、回避回避回避!!》


 だから陸戦機に空中で無茶させんな!! 曳光弾がこないほうに流すのが精いっぱいだよ! クッソ、絶対嫌だったがしょうがねえ、このまま急速降下だっ。


《発見! うわ、50メートル級じゃん。光学迷彩してるよ》


(贅沢だな!? こんな小さ(チマ)い対空砲じゃなくて、初手で図体相応の大砲ブッ放されたら終わってたぞっ)


 対空能力は低いタイプか? Sワールドの敵はだいたいアホに設定されてるっぽいから敵→即攻撃って感じで、じっくり必殺の距離まで待ち伏せするタイプは少ないからな。それともデカいだけのタイプか?

 だったら攻撃さえ通用すれば楽なんだがな。持ち込んだ武装がどれも通用しないってパターンが一番最悪だ。倒しようがねえ。


(着地前にランチャー両方ブッ放す。位置を教えてくれ!)


《この辺、反動の姿勢制御は任せて》


 スーツちゃんがピコっと立てたジャージの襟からオレの網膜に映像投射がくる。HUDにスーツちゃんの遠隔操作の記憶は残せないからな。砂漠のせいで目標の参考になる特徴ある物が()えから、今回も口頭は諦めて()に直接教えてくれたってわけだ。助かるぜ。


(炸薬満載の16発だ、全弾持ってけバカヤロウ!!)


 肩のランチャーを一斉発射。ガゴンガゴンうるせえ。気密甘くねえか? って、なんだオイ、なんで反れる!? 爆圧で挟むにしても1発1発が離れすぎだ!!


《!! 低ちゃん、コレ設定と全然違うよ!? エラー吐いてないのにっ》


(クソジジイ!! 何が整備長だ、帰ったら殺してやる!!)


 ランチャー除装(パージ)、できねえ!? 接合部強制爆破! クッソ、余計な手間をかけさせんなっ。


 このまま落下して砂漠滑走に入れるか? 落下速度はそこまでじゃねえが、シャトルの速度が上乗せされて対地速度が結構出てる。馬鹿正直に降りたら()(つまづ)いて、砂漠を飛び石みてえな勢いで跳ね飛んでいきそうだ。


《スキーとか体育座りみたいに屈んで踏ん張る形で滑って着地しよう。正面から降りても砂に足が取られるよ》


(だよな! 重心が高いのはアウトだ。お座りでいくぜ)


 空中で切り返して背面滑空状態に。タイミング、着地、今!


《回避!! 倒れて!!》


 踏ん張り中止!! 滑れBULL、うつ伏せ!!


 一瞬前まで上半身があった場所を赤い光の残滓が抜けた。計器の外気温度が一気に上昇して警報が鳴る。


(《()っぶ!!》)


 BULLDOGの半分を包むくらいの極太のビームが駆け抜けていった! 死ぬかと思った、死ぬかと思ったぞクソ野郎!!


《スモーク展開! 早く起こしてスタンダップッ!》


(おう、って、ああっ!? 背中剥げてやがる、1発も撃ってねえのにこっちの大砲がダメになっちまったッ!!)


 高いオプションだったのに! お初の装備だったのに! 砲弾が誘爆しなかっただけありがたいと思えってか!? ダメだ、溶けて除装(パージ)も爆破除装も効かねえ。完全に危ねえだけのお荷物だ。背面撃たれたら小口径弾でもフッ飛ぶかもしれねえ。


《向こうもあんなのは何回も撃てないはずだよ。今のうちに立て直そう》


(おうよ、こんなんでビビるかよ。突っ込むぞ!)


 最初のランチャーで迷彩は剥げた。もうレーダーに映るしオレの目にも装甲に亀裂や脱落が分かるぜ。ティラノなんとかの恐竜タイプさんよぉ、散々イモ引かせてくれたじゃねえか。ブチ殺してやる!


 デカブツ相手に遠間で60ミリばら撒いてたんじゃラチが明かねえ。好きじゃねえが接近だ。剥げた装甲の向こうたっぷりノックしてやんぞ。


 ブースト解禁。帰還分残して使い切る気持ちでいくぞ。走れBULLDOG、噛みついてやろうぜ。


 前面装甲の補助用噴射口からパフっと噴射を受けて、ゴツいボディがスプーンで掬われたように浮き上がる。そのまま右足で砂を噛み、駆ける。助走が済んだらブーストで一気に加速だ!! 初速は遅えがBULLDOG(こいつ)だって最高速500キロは出るんだからなっ。


《牽制射、撃て撃て低ちゃん! 狙わせちゃダメだ》


 まだモーターガンの射程じゃねえ、頼むぜライフ―――照準ズレてんぞこいつ!?


《――ライフルとFCSファイヤコントロールシステムが同期してない! というか全然ダメじゃんコレ!? まるで調整してない!》


 あああああッッッ!!! バカじゃねえの、ねえバカじゃねえの!? なんなんだぁッ!!


《まだ腐っちゃダメだ低ちゃん。10秒左手借りるよ! なんとか頑張って!》


(ドちくしょう、ドちくしょう、生き残ってやる、絶対生き残ってやるぞぉ!!)


 左手の指が煙吹きそうなほど動いてる。こっちも何とかするしかねぇ! できる動きは制限されるが右手の操縦棹だけでも攻撃も回避も、最低限の動作はどうにかなる。どうにかするっ。


 まず照準、右下に10度ぐらいのズレだ。オートロックオン切って手動で撃ちゃいいだけだ。底辺上がりナメんじゃねえぞ、壊れかけのスクラップ引きずり回して生き残ってきたんだからな!


 っ、アラート!? 今度はなんだ!


<銃身過熱・冷却中>


 マガジン1個撃ち切ってねえぞ!?


《ゲェッ!?》


(そっちもかよ! どうしたスーツちゃん?)


《上空から敵性反応2、飛行型がまっすぐ来てる! 視認まで約100秒》


(レーダーに映ってねえぞ? こっちもステルスか!? 無駄に大盤振る舞いしやがってぇ!)


 前にもあったが機体の探知前から教えてくれるのはありがてえがどうやってんだ? いや後だ、それよりさっさとデカいほうを潰さねえと包囲されちまう。


《! 撃ってきた、ミサイル接近8!》


(はぁ!? この距離でか!!)


 ミサイルキャリアーか? ロックオン警報も鳴ってねえのに! 何から何までどうなってんだ!!


《これ、BULLDOGのソフトウェアのせいだ。不良でもチェックプログラムでエラー吐かないようにプログラムを弄ってあるんだ!》


 引っ切り無しに動いていた左手はBULLの内部プログラムを確認してたのかっ。つまりBULLDOG(こいつ)は―――


《この子初めから満身創痍だよ。装備も機体もスクラップ寸前なんだ!!》


 LUCK値でファンブルした覚えはないんだけどなぁぁぁぁッ!!


《諦めるな低ちゃん! 迎撃装置は無事だ。弾幕展開!》


 中空に画鋲で開けた穴みてえな粒が見えたそのすぐ後、猛然と飛来するミサイルを視認できる頃には迎撃用の青いレーザーが何重にも照射される。爆発に煽られて転びそうになりながら、なんとか補助噴射吹かして立て直した。こういうとき咄嗟に動かせるから馴染みのタイプがいいんだよっ。


 その馴染みの機体に殺されそうだがな!!


 それでも無駄と分かっているのに、グリップを動かした右手は習慣でカンを頼りに点のような敵機へと狙いをつけていく。最後はみんなカンだ、頭で動かしてたら間に合わねえ。


《照準調整、スーツちゃんの出したレティクルだけ見て! HUD(そっち)よりいいはず》


<冷却終了>


 視界からHUDが消えた、網膜投射された照準に目掛けて引き金を指切りで引く。修正、修正、ここ!!


 飛行型は基本的に脆い。例にもれず数発撃ち込まれた60ミリ弾程度でプテラなんとかっぽい恐竜タイプの飛翔体が火を噴いて爆散した。いや違うな、残ったミサイルか爆弾にでも当たったか? 


 こりゃ不運が裏返ったかもしれねえな、もうけだ。味方の爆発で飛び方がよれた(・・・)もう1機にも指切りで修正しつつ本命の集弾を兵装のありそうな箇所に流し込む―――爆発。よっしゃあ!


<銃身過熱・冷却中>


(間に合った! ざまあみろ!!)


《ナーイス♪》


(ここまで思考の外じゃ3、4秒ってところか? 撃たなかったのか撃てなかったか知らねえが、残りはデカブツ、あのヤロウだけだ)


《解析出来てるよ。あいつ実体弾系の砲身周りがランチャーで壊れてるし、さっきのでエネルギー食い過ぎて他のエナジー系火器にも回せないんだ。足も半分イカれてる》


 なんだ、もう独活の大木ってヤツじゃねーか。光学迷彩なんてデリケートな装備使ってるだけにデカい割には脆かったようだな。


 それじゃ手、は短すぎだから心配ねえが、足とデカい頭だけ振り回されて叩き込まれないようにチクチク撃ってりゃ完封できそうだ。


BULLDOG(こっち)もある程度修正と解析出来てる。機銃はダメ、詰まってる。モーターガンは冷却不具合3秒で焼き付くよ、ライフルはもう熱で変形して銃身破裂の恐れ大。撃つならグレネードランチャーだけが信用できる》


 っ、楽はできねえか。なら方針は決まった。接近して装甲の亀裂にライフル突っ込んで直にグレネードだ。


《ようし、いったれ低ちゃん! 奥様うっとり極太ビームのお返しだぁ!!》


 お、おう。発言の意味は分かるがもうちょっと自重してくれ。

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