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19 初ミッション3

「早速、堀を強化していただいたそうで、ありがとうございます」

「いいえ、務めですので…それで本日の予定ですが…柵の強化を行おうかと思います」

「助かります、では自警団長と相談して作業を進めてください」

と言う事で二日目の日中は柵の強化となった…トエルとアインは一時間偵察に出て、一時間の休息…アンデット種ではないのでミッション・戦争マップでは睡眠が必要…を取り、再び偵察に出た。

村を取り囲む柵の古くなった所や前回の襲撃で壊されて修理途上の場所の修繕、補強を手伝い、日が沈む前には概ね作業は終了した。


二日目の夜、俺達はやはり穴掘りをして過ごした…日の出頃には一応、堀は完成した。余談だが、この作業でステップの土魔法のスキルレベルが割と上がったらしい。


三日目の昼、俺は自警団員との訓練、ステップは槍の作成の手伝い、トエルはやはり斥候となった。

と言う事で俺は自警団の面々の内、近接武器を使用する面々と稽古をして、ステップは一般村人用の木槍…竹槍の木製バージョン…の作成を手伝い、トエルとアインは森の中へ入っていく。

「森の奥でゴブリンの斥候らしき個体を1体倒したよ」

夕暮れの帰還時、トエルがそんなことを言う。詳しく聞いてみると一時間弱かけて振り子偵察をして到達した最奥で単身行動するゴブリンと遭遇、戦闘になったとの事である。

当然それは自警団と村長にも報告されて、村は警戒レベルが一気に高まった。

その夜、村人たちは集会場であり、本丸でもある村長宅に集合し、交代で眠った…俺とやっとアインは自警団の面々と村の森側で待機、ステップは見張り台で見張り、トエルは再び森に入り樹上で待機である。


そして四日目の薄明…トエルが最高速で飛行しながら村に戻ってくと共に叫んだ。

「ゴブリン、来たよ!数は約50!後続の有無は不明!」

「了解!団長殿!」

「おう!鐘ならせ!」

非常事態を知らせる鐘が鳴り響き、村長宅から飛び出してきた村人達が木槍を手に森側に集結してくる…と、同時にゴブリン達が森の周縁部に到達する。

村人たちが胸までの高さの柵の前に並び、ゴブリン達も横並びに展開していく…

「…なかなかの練度じゃないか、村人たちも」

「そうだな…正直あまり期待していなかったが頼もしいよ」

「そうだねー自分たちの村を守ってやるって言う気概がアリアリと感じられるよ」

俺達は左翼の端でそんな事をひそひそと話す。

「ゴブーーーーーーー!!!」

「「「「「ゴブーーーー!!!」」」」」

ゴブリン達はそんな叫び声をあげて一斉に森から飛び出してくる。

「弓、放て―!!!」

自警団長の叫びと共に右翼の端から弓兵…と言うか狩人をしている自警団員が矢を放つ。

それに合わせて俺もスリングを構え、ゴブリン達を射程に捉え次第、石弾を放った。

森から現れたゴブリン達は基本的にぼろ布の腰ミノ姿で、所々貫頭衣の様に毛皮の鎧…なのか服なのかよくわからないモノを着た個体がいる。武装は見る限り、丈夫な木の棒…棍棒のようである。

そんなゴブリン達であるが、弓矢やスリングで多少数を削れたものの、大半は堀に到達する。

「よし、我々も…【ファイヤーボール】」

「うん!【ダークアロー】!」

2人の魔法は別々の通路の先頭の個体に直撃、一撃で致命打らしく、焼かれ、あるいは闇に撃ち抜かれたゴブリンはどさりとその場に倒れ、道を塞ぐ…がゴブリン達は気にせず堀に死体を蹴り落して前進してくる…そう、このミッションマップ、死体が消えないのである。

俺も距離が近くなったことにより、ゴブリンの頭部を狙えるようになって一撃で仕留めていくが、ゴブリンの奔流は二重の障子堀でも止まり切らず、最初からあったから堀に到達し、ついには柵にまで到達する…そこで村人たちの出番である。

柵に取り付き、よじ登ったり、たたき壊したりしようとするゴブリンを木槍で突き刺してゆく…当然、その間も弓矢にスリング、魔法の攻撃は続いており…過半数のゴブリンは既に地に伏していた。

しかし、村人たちの槍は槍衾と言うほどの密度には至っていない為、ゴブリン達は柵に取り付く数を次第に増やして行き、ついに一匹目のゴブリンが柵を乗り越えた…直後、自警団員に切り捨てられる。

「もう少しだ!皆、気張れ!」

「「「「オー――!!!」」」」

…ゴブリンの残数は既に15匹程度…それでもゴブリン達は突撃をやめず…今更逃げた所で森にたどり着く前に射撃で同じ運命だっただろうが…村人たちに貫かれ、柵を乗り越えても切り捨てられ…文字通りの意味で全滅した。

ちなみにアインは柵内での近接戦闘時に投入予定だったけど、参戦機会はなかった。


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