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13 東の森で3

「ウーム…やはり、現在の戦術ではオオカミの相手は安定しないか」

ステップがそんなことを言い出した。

「そう?ちゃんと勝てているんじゃないの?」

トエルが言う。

「イヤ…リョウにかなり負担がかかっている…ダメージはさほど受けていないが…な」

「あー…確かにミス一つで俺がやられかねないタイミングや二人に助けられるはあったな…」

特に一戦目は押し倒されてしまったし、二戦目もたたらを踏んでしまう場面はあった…狼がもう少し積極的だったらヤバかったとか感じる場面は他にもあったし。

「そこで私も前衛に出ようかなと思うのだがどうだろうか」

「ステップも前衛化か…でも、三匹はキツイと言っていなかったか?」

オオカミが半々になるのであれば3匹ずつである。

「ああ、だが火力を集中すればスリングと私たちの魔法で一匹は削れる計算だから、私の受け持ちは二匹だ。

三匹相手ならリョウは押し勝てるだろう?それまで私はトエルの援護を受けながら耐えればいい」

「うーん…さっき魔法を避けやがったと言うのは心配だけれども、次のオオカミ相手にはそれでやってみようか」

という感じで話はまとまった。




「来たぞ…数は6…オオカミだ…手はず通りに」

シカを二匹とイノシシを一匹狩った後、再びオオカミたちが現れる。

「了解…まずはスリングで一撃」

と、俺がスリングで放った石弾は先頭のオオカミの耳を掠めるように飛んでいく…外れである。

「すまん、ミスった」

「大丈夫…【ファイヤーボール】」

「【ダークアロー】!」

スリングの一撃で怯んだ先頭のオオカミに前に出ていたステップとトエルの魔法が直撃し、光の粒となった…残り5匹。

ステップは俺と同列に、トエルはさらに後方に下がる…オオカミは俺に3匹、ステップに2匹で相対した…良い想定通りである。

この場合、俺は3匹を引き付けつつ無理攻めはせず、トエルがステップの支援に入ってまずは魔法で一匹を落とす。その後はステップが杖術で残り一匹を処理する間にトエルの支援を受けて俺が3匹を始末する…と言う計画である。

「では、手筈通りに」

俺とステップはそれぞれオオカミを牽制するが、盾を持たないステップは早々に飛び掛かられ、杖術で対応する状態になっていた。

「【ファイヤーボール】」

「【ダークアロー】!」

そして、予定通りに魔法でステップの相手のオオカミが一匹始末される…残り4匹。

「よし!予定通り」

ステップが残り一匹の相手をしながらそんな声を上げる。俺は続けてオオカミ相手に牽制をする…

「【ダークアロー】!」

暫くの後、トエルの魔法が俺と相対するオオカミの一匹に魔法が直撃する。

「はぁぁぁぁっ!」

それに続いて俺はまず魔法を受けたオオカミを始末する。すると残り二匹のオオカミが襲ってくるが、一匹は盾で、もう一匹は切り返した刃で切りつける事で対応した。

そして盾に迎撃されて地に落ちたオオカミを貫いて始末し、剣で対応した最後の一匹にも止めを刺した。

「よし…終わったな」

と、同時にステップも狼を始末し終えた様子である。

「ああ…今回はうまくいったと思うけど、どうかな?」

「ああ、私も上手くいったと思う、トエルもいい援護だったぞ」

「えへへ、お姉に褒められたー」

そう、それぞれが感想を述べる。

「やはり、6匹…もとい5匹相手に前衛一枚と言うのが無茶だったのだな…野犬では対応できていたので判断を誤った…すまんな」

「いやいや、ステップだけの責任じゃないよ、俺ができると思って何も言わなかったんだし」

「そーそー、お姉が頭脳役だと言っても判断の責任はお姉だけのモノじゃないからねー」

「…ありがとう」

そう、ステップは言って顔をそむけた。


「さて、そろそろ日も傾いてきたが…夜の草原で少し野犬狩りをして12時頃には一度街に戻って昼食後までログアウト…13時ごろにログインして森での狩りを再開と言う感じで良いかな」

さらに狩りを続けて暫く経った頃、ステップがそう言った。

「そうだな…俺はそれでいい」

「私もそれでいいけど、午前中の成果次第でペット買いたいかな」

「了解した」

そして俺達は森の外に向かいながら狩りを続け、夜の草原で1時間弱、野犬狩りをした後に街へ戻って換金アイテムとクエストの報酬を受け取ってログアウトした。

なお、野犬の魂はやはりドロップしなかったと付け加えておく。



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