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12 東の森で2

「複数…6つくらいの気配が近づいてくる」

更に何匹かシカとイノシシを狩った…二人の経験値的にスリングで撃った後は避けるだけにした…後、ステップがそんな事を言った。

「オオカミか?」

「多分な…狩るぞ…陣形はリョウが前衛、接敵前にスリングで一撃を。私が中衛に入る、トエルは後衛だが自由に動いてくれ」

「了解!」

「はーい」

オオカミがうなり声を上げながら近づいてくる…その先頭の一匹に向けて俺はスリングで石弾を放った。

「キャン」

石弾はオオカミの右前足に直撃し、そのオオカミはその場にうずくまった。

すると他の狼たちは走り出して間合いを詰め、俺を半包囲するように取り囲んだ…俺は盾を構えて剣を抜き、オオカミたちを牽制した。

「「「「「ガルルルル」」」」」

オオカミたちは仲間を傷つけられた恨みか、そんなうなり声を上げつつ、俺の隙を伺っていた。

「【ファイヤーボール】」

「【ダークアロー】!」

「よし!」

そんな狼たちの両翼をそれぞれステップとトエルの魔法が襲い、直後、俺は俺から見て右端のオオカミを斬殺し、光の粒とした。

それにより盾から露出した左足にオオカミが一匹噛みついた。これを背中に剣で突き刺す事で始末した。

それでできた隙に残り二匹のオオカミが飛びかかって来たので二匹目のオオカミに刺さったままの剣を手放し、盾で殴るようにして噛みつかれることを防いだ。

「しまった!」

…直後、元々俺から見て左端にいた、魔法を食らっていたオオカミに側面から跳びかかられて地面に倒れ伏す。

「今助ける!」

俺にのしかかるオオカミをステップは杖で突いて吹き飛ばして助けてくれた。

「早く起きろ!」

ステップは前に出て手負いの4匹を牽制しながらそう叫んだ。

「すまん、助かった」

起き上がった俺は盾と剣を回収してそう言う。

「【ダークアロー】!」

すると、トエルが魔法で一匹を始末してオオカミは残り3匹となった。

「一気に行くぞ!」

俺はそう叫ぶと、オオカミたちに切りかかり、まず1匹目を倒した。

「リョウっ!まったく、仕方がない!」

俺は続いて二匹目に取り掛かる…ステップもそれに続いて杖で突くようにオオカミに攻撃を仕掛け、それぞれオオカミを倒すことに成功した。

「やったな!」

「ああ…だがリョウ、攻めるなとは言わないがもう少し私たちを頼ってくれないかな?」

そう、ステップが言う。

「最後の始末はいいとして、途中の囲まれていた時のは私たちがもう一撃するまで待ってほしかった…あんな無茶をしてやられそうになる必要はないんだ」

そういうステップの骨の顔は悲しそうに歪んでいるように思えた。

「あーうん…心配かけた、ごめん」

「ああ、わかってくれればいい」

「うんうん、無茶せずにすむならそれが一番だよね」

トエルが寄ってきてそう締めた。


次に現れたのもオオカミの群れ6匹で、やはり俺のスリングで一撃…今度は石弾が眉間に直撃して光の粒になった…の後、俺が牽制しつつ盾になっている間にステップとトエルが魔法で一撃…という所までは同じ流れで戦闘は進んだ。

「さて…どう来る」

そう呟き、狼たちの足止めを続けていると、クールタイムが終わったらしい二人の詠唱が聞こえてくる…このまま両翼を削り落とせるだろうか…

そう思っていると突如、中央の三匹が飛び掛かってくると同時に両翼のオオカミが走り出し、それぞれステップとトエルに向かっていく…

「すまん!抜かれた!」

俺は半歩引いて三匹のオオカミの内、向かって左と中央の二匹を盾で防ぐと右の一体を剣を握ったままの右手で殴打して防ぐ…しかし盾で受けたとはいえ、二匹分の突進を喰らって俺はたたらを踏んだ。


「【ファイヤーボール】」

一方、ステップに向かっていったオオカミをステップはファイヤーボールで迎撃するが避けられてしまい、杖で対応しているようだが、何とかなるだろうし、最悪、次の魔法で倒しきれるだろう…MPの消費はかさむが。

「【ダークアロー】」

他方、トエルの方は飛び掛かってきたオオカミを空中でひらりと避けてオオカミが着地した所を狙い打って始末していた。

体勢を整えた俺は同様に陣形を組みなおした狼たちと向かい合う…狼たちは俺を盾にトエルとステップの魔法を防ぐ腹積もりのようである。

「トエルは回り込んでリョウの援護を!」

オオカミ相手に奮闘中のステップが叫んだ。

「OK、お姉も頑張ってね!」

トエルが前に出てきてオオカミの側面をとるような位置取りに来て、詠唱を始める…

が、狼たちは位置を修正して再び俺を盾にした。

「ふふん、それで隠れたつもり?【ダークアロー】!」

と、高度をとったトエルは打ち下ろす形で俺の肩を掠めるようにダークアローを放って俺から見て左のオオカミに直撃させた。

それで乱れたオオカミ達の連携の隙を突き、右のオオカミに剣を振るって一撃を加え、中央のオオカミの飛び掛かりを盾で防ぐ。

「すまん、待たせた!」

そこへ戦っていたオオカミを始末し終えたステップが合流し、トエルの魔法が命中した一匹を引き受けてくれた。

そこからは楽なもので、残り3匹のオオカミを俺達は始末し、再びオオカミたちに勝利することが出来たのであった。



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