フレッド登場!
「おやっさん!助けて下さいよ~!」
情けない声を上げ店に飛び込んできたのは新米冒険者のフレッドだ。
おっちょこちょいだが情には厚い。
「こ~んなちっちゃな女の子にですね、おかあさんの病気を治すのに必要だから
ユニコーンの角のかけらが必要だ~って言われちゃって」
フレッドはため息をつきながら事情を話す。
「かといって俺の技量ではユニコーンの角はとてもじゃないけど…で!!」
フレッドはずずいっと俺ににじり寄ると、
「ユニコーンの角のかけら、よろしくお願いしま~すッ!」
と、軽々とした足取りで出て行ってしまった……。
ユニコーンの角のかけら、か……どこから調達しようかと考える。
シーフの長に相談するか……。
いや、商人ギルドにすべきか?
寂れた山あいにあるシーフのアジト。
何も恐れることはなく進んでいく。
それもそうだ。シーフの頭は元冒険者仲間なのだから。
「残念だが、力にはなれないな……すまない」
シーフの頭は太い腕でボリボリと頭を掻きながら謝ってきた。
「今、シーフたちは代替わりの時期でな」
ポツリポツリと頭は話し始めた。
「有能だったシーフたちがみんな年老いて引退してきているんだが
後継のシーフがまだ育っていないんだ」
俺はシーフの頭を慰めつつ、手ぶらで帰ることになってしまった。
商人ギルドに一縷の望みをかけながら……。
商人ギルドに着くと、そこは妙に活気にあふれていた。
馴染みの商人がこちらに寄ってくる。
「やあ!今日はツイてるぜ!
狩人が偶然ユニコーンに出会ったらしい。で、角を頂戴してきたんだと!
みんなでかけらを分け合っている最中だったんだ。アンタもどうだい?」
なんと、タダでユニコーンの角のかけらが手に入ってしまった。
フレッドにユニコーンの角のかけらを売った。
「さっすが、おやっさん!頼りにしてますからね~っ!」
調子のいい若者である。
だが、その若さが羨ましくもあった。
俺もあんな頃があったなぁ……。




