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8 中間テスト

8話目投稿~

「うー、頭から煙でるよーー・・・」


 机にぱたりと倒れこむ俺の彼女の桜井真紀。


「そうですね。2時間も勉強してましたし休憩しましょうか」


「わーい!優しい夏希ちゃんは大好きだよー!愛してるよー!!」


 そう言って隣で勉強を教えてもらっている夏希ちゃんに抱き着こうとした真紀だったが、、


「ごめんなさい。私が愛してるのは春斗だけだから真紀ちゃんの気持ちには答えられないわ」


 律儀にごめんなさいして抱き着き拒否する夏希ちゃん。


「あはは、振られたな真紀」


「うっさいなー舞人君はー!女の親友同士は抱き着くのが当たり前ってこの前読んだ本に書いてあったのだよー!」


「え?そうなのですか!それでしたら、、どうぞ・・・」


 そして見事に騙されて抱き着かれる夏希ちゃん。

 夏希ちゃんは苦笑しながら真紀になすがまま状態。

 そんな様子を見て笑ってる俺と春斗。




「ちょっと自販機行って飲み物買ってくるよ」


 春斗はそう言って立ち上がった。


「私も行くわ」


 いつの間にか真紀の抱擁をすり抜けていた夏希ちゃんも立ち上がって春斗と一緒に教室を出ていく。

 俺と真紀は教室で待機だ。


「それにしても、中間テスト1週間前に自習教室取れたのは運がよかったな」


 白鷗高等学校は生徒たちが勉強に集中出来るように自習教室を設置している。事前に申請すれば白鳳の生徒なら誰でも利用することができる。

 図書館や教室で勉強するより自習教室は貸し切りで使えるので、邪魔が入らず特にテスト前は人気となる。


「四人部屋丁度空いてたんだ。へへー、褒めて褒めてー」


「はいはい。偉い偉い」


「なんか投げやりだなー。愛がこもってないぞ舞人君ーー」


 ぷくーっとほっぺたを膨らませて拗ねる真紀。うん、可愛い・・・

 俺は指でツンツンと真紀のほっぺたをちょんちょんと突いた。


「んー、、もー、しょうがないなー、舞人君は」


 するとすぐに機嫌が直るので真紀はちょろい。

 本人には絶対言わないけどな。


「ねえねえ舞人君。私ちょっと思ったんだけどさ」


「ん?何??」


「あの二人の勉強の()()見てみたくない??」


 真紀がニヤリと悪者みたいな笑みをする。

 言われてみれば、あの二人はテストで()()を出したことはあるのだろうか?

 中学時代は学年で10位~15位くらいだった気がするけど・・・


()()出したら二人とも満点で同率1位だったして?」


「この前のペット電鉄じゃあるまいし・・・でも、気になるな」


 俺と真紀はお互い頷き不敵な笑みを浮かべるのだった。






「え?テストで本気ですか?」


 紙パックのアップルジュースを飲みながら夏希ちゃんがそう言った。


「そそ、二人は中学の時テストを()()で受けてたー?」


 買ってきてもらったレモンティー片手に真紀が質問する。


「そうですね・・・私も春斗も、勉強はある程度出来ればいいと思っていますので、テストを()()で受けたことはありませんね」


 そうですよね、と夏希ちゃんは春斗に聞く。

 春斗はうんと頷いて、、


「夏希の言う通りだな。それに、()()出したからって勉強を本分にしてる奴には敵わないだろう?」


 なんだろう・・・フラグがビンビンなんだが・・・

 逆にそこまで言われると一度()()でやってもらいたくなる。


「じゃあ、今回だけでいいから()()でやってみてよー」


 お願い!と真紀は二人に手を合わせて頼んでいる。

 俺も頼む!と真紀の援護をする。


「そこまでお願いされると断れないですよ・・・春斗・・・いいかな?」


「ああ、いいぞ。でも、舞人も真紀ちゃんも変に期待するなよ」


 やったー!ばんざーい!!と俺と真紀は両手を挙げて喜んだ。

 変に期待するな?もうフラグにしか聞こえないよ春斗・・・













「し、信じられねえ・・・」


 そして中間テストが終わり結果発表になった。

 白鳳は成績上位20名は廊下に張り出される仕組みになっている。

 俺は総合成績32位だったから廊下に貼り出せれていない。

 因みに真紀は55位だ。

 そして春斗と夏希ちゃんは・・・・


「なんで同率3位なの?」


 そう、同率は当たっていたがまさかの3位・・・

 こういうのって普通1位満点ですげー!ってなるんじゃないの!?


「いや、3位でも凄いだろう。だから何度も言ってるけどさ、()()出したからって本分の人たちには勝てないよ」


「そんなはずないよね!?夏希ちゃんも春斗君も実は調子が悪くて()()出せなかっただけだよね!」


「真紀ちゃん、私も春斗も()()で受けましたよ。というか、真紀ちゃんも舞人君も私と春斗を何だと思っているのですか?」


「え?化け物??」


「そうですか・・・その辺りについて二人きりで詳しくお話をしましょうか真紀ちゃん・・・」


 ニッコリと笑い真紀の腕を掴んで何処かに引きずっていく夏希ちゃん。

 たーすーけーてー!と真紀が引きずられながら俺の方を見るが、すまん真紀、俺には助けられない・・・だって、今の夏希ちゃんすっげー怖いんだもん。


「おい、泉。ちょっと職員室まで来い」


 振り返ると担任の先生が立っていた。どうやら春斗を探していたようだ。


「え?あ、はい」


 春斗が担任と一緒に行くので俺も慌てて後を追った。

 担任は『何で梶原もついてくるんだ?』と不思議に思ったようだが特に追及はしてこなかった。


「率直に聞くぞ。泉、お前、テスト中に鴨川と何らかの手段で答えを教えあっていたか?」


「はい?いいえ、そんなことしていませんが・・・」


「先生?普通そんなこと出来るわけないじゃん。春斗はA組で夏希ちゃんはC組なんですよ?テスト期間中は携帯も預ける決まりだし、答えを教えあうなんて無理だよ」


「ああ、俺もそう思うんだよ。だがな、ありえないんだよ」


「ありえない?」


「なあ、梶原・・・全教科まったく同じ点数で、しかも間違った個所もまったく一緒なんて信じられるか?」


「・・・・はぁ!?」


 間違った個所も一緒? しかも全教科?? 何それ、普通に満点より怖いんだけど・・・

 春斗と先生がまだ言い合ってるのを横目で見ながらこう思った・・・



 真紀・・・お前の言った通り、化け物だよこいつら・・・

読んでくれてありがとうございますーm(__)m

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