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7 お兄魔王モードを克服しよう会議

7話投稿です。


「それでは、第27回春斗の容姿を克服しよう会議を始めます」


 この会議を私はお兄魔王モードを克服しよう会議と呼んでいる。 

 そもそもこの会議の始まりは、お兄が中学1年生の時にお兄魔王モードのせいでママと私が半日活動停止になったことが原因なのよ。

 パパはその時、永遠とママと私の看病に追われていて、疲労から一週間寝込んだ経験がある。

 それから「少しでもいいから克服してくれと」パパにお願いされ、お兄がいないとき不定期にこの会議が開催されることになったの。


「でも浩ちゃん、私も冬華も事前にわかっていれば3分くらいで戻れるようになったじゃない?それでいいんじゃないの?」


「事前にわかるんだからそこは0に出来ないのかな??」


「「無理よ(だよ)」」


 ママと見事にハモる。パパは「やはりダメか」とがっくりと肩を落とす。

 これでも私もママも頑張ったのよ。

 先ずはお兄と夏希姉以外の家族でメッセアプリのグループ作成をして、今日行きますとかのメッセを素早く伝えあう。

 後は気合を入れて耐えるのみ!要するにゴリ押し!!

 最初は数時間の活動停止を余儀なくされたが、それでも何度も繰り返してようやく3分で帰ってこれるようになったんだよ。


「パパ、それより突然の対応が大事だと思うの」


「あ、ああ、そうだな・・・」


 事前連絡があるので突発的にお兄魔王モードを見ることは減っていったが0ではない。

 油断してお兄魔王モードに遭遇してしまうと未だに数時間ママと私は活動停止になってしまう。


「そうねえ、せめて30分くらいでこっちに戻れるようになりたいわよね」


「うんうん。それが最終目標だよねママ」


「やはり、何度も繰り返して耐性つけるしかないか」


「いっちゃんと愛ちゃんに言って事前連絡やめてもらいましょうか?」


「結局それしかなくない?パパの負担は凄く大きいけどさ」


「う・・・」


 パパの顔がサーっと青ざめる。疲労で寝込んだ時を思い出してるんだろうなぁ。

 今だって1週間とはいかないけど看病疲れで1日は寝込むし。


「事前連絡をやめるのは最終手段にしたいんだけど・・・」


「ならいつも通り少しずつ慣れるしかない気がするわよ」


 今回の会議も平行線のまま時間だけが過ぎていく。


「ふう・・・お茶でも入れるわね」


 ママはそう言うと頭に被った三角頭巾を外しキッチンに向かった。


「ねえ、パパ・・・」


「ん?何だい冬華」


「私たちが被ってるこの三角頭巾何なの?」


 私たちは会議をするためリビングのソファーに集まったとき、パパに顔をすっぽり覆う真っ赤な三角頭巾を手渡されて今現在被らされてる。


「秘密会議してるみたいでかっこよくないか?」


「いや、ないか?って言われてもさ・・・顔熱いし脱ぎたいんだけど・・・それにかっこよくないと思うよ」


 私はそう言うと三角頭巾を脱いだ。ああーー、涼しいー。

 パパはかっこいいと思うんだけどなーって言いながら未だ被り続けてる。どうやら気に入ってるみたいね。


「こんな三角頭巾どこに売ってたの?」


「売ってないぞ。春斗に作ってもらった」


 お兄・・・どんだけ万能なんだよあんたは・・・


「おまたせ。お茶持ってきたわよ」


 ママが入れてくれたお茶を飲んで一息。はぁ、、美味しい・・・

 ママはソファーに座ると三角頭巾を被り始めた。


「え!?ママまたそれ被るの??」


「ええ、だってこれ可愛いでしょ? あ、浩ちゃん。明日これ被って会社に行きましょうよ」


「おお!いいアイデアだな香織! 是非そうしよう」


「やめてーーーー!! 指さされるから!! 絶対近所の人に白い目で見られるから!! 不審者が出たって回覧板に書かれるから!!!」


 うちの両親は美的感覚が少しずれてると思う・・・

冬華ちゃんは果たして両親の三角頭巾出勤を阻止できたのでしょうか・・・

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